「カジュアル」面談で、58.0%が「評価されていると感じた」。企業は求職者の本音を引き出せているか
2026.08.05
カジュアル面談は、企業と求職者が相互理解を深めるための場として設けられることがあります。仕事内容や働き方、職場の雰囲気など、求人票や採用サイトだけでは分からない情報を確認する機会の一つです。一方で、企業が想定する「気軽な情報交換の場」と、求職者の受け止めが必ずしも一致しない場合もあります。
hypexでは、直近3年以内に求職活動または応募検討を行い、カジュアル面談等に参加した、または案内を受けた415名を対象に調査しました。その結果、カジュアル面談等への参加経験者324名のうち58.0%が、面談中に「評価されている感覚があった」と回答しました。また、評価されている感覚がある人では本音を話しづらかった割合が高く、本音を話しやすかった人では応募意欲が上がった割合が高い傾向が見られました。
カジュアル面談を設計する際は、柔らかい雰囲気や話し方だけでなく、求職者が面談の目的や選考との関係を理解し、応募判断に必要な情報を得られる状態になっているかを確認することも大切です。本記事では、調査から見えた求職者の受け止め方を整理したうえで、採用担当者が確認したい3つの視点を紹介します。
本記事のポイント
・カジュアル面談等への参加経験者の58.0%が「評価されている感覚があった」と回答。企業側の案内と求職者の受け止めは必ずしも一致していない
・評価されていると感じた人のうち、43.3%が本音を話しづらかったと回答
・本音を話せた面談では、57.7%が応募意欲上昇と回答
・「離職率」「人間関係」「残業時間」は求職者が聞きづらい情報。企業側から先に伝えることも重要
・選考要素がある場合は89.2%が事前説明を希望。面談設計には透明性が重要な視点となる
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第1部 カジュアル面談は、実は「気軽」ではない
参加経験者の58.0%が「評価されている感覚があった」
カジュアル面談やそれに近い面談への参加経験者324名に、面談中に自分が評価されていると感じる場面があったかを聞いたところ、「強くあった」が8.6%、「ややあった」が49.4%でした。合計すると、58.0%が「評価されている感覚があった」と回答しています。

カジュアル面談は、企業と求職者が気軽に情報交換を行う場として案内されることがあります。一方、今回の調査では、カジュアル面談等への参加経験者324名のうち58.0%が、面談中に「評価されている感覚があった」と回答しました。この結果から、「気軽な情報交換の場」という案内と、求職者の受け止めが必ずしも一致しない場合があることがうかがえます。面談の目的や選考との関係が十分に説明されていない場合、求職者が通常の面接との違いを捉えにくくなる可能性も考えられます。
「カジュアル」という名称で案内されていても、一定の緊張感を持って参加する人がいることがうかがえます。ただし、評価されている感覚があったことだけを、直ちに問題と捉える必要はありません。採用活動の一環として行われる以上、企業が求職者との相性や経験を確認する場面も想定されます。
問題となり得るのは、企業が「気軽な情報交換の場」と案内している一方で、選考との関係が求職者に十分伝わっていない状態です。何が確認され、どこまで選考に関係するのかが分からないことは、緊張や話しづらさを生む一因になる可能性があります。
評価されている感覚がある人ほど、本音を話しづらい
次に、評価されている感覚と、本音の話しやすさの関係を見ました。両設問に有効回答があった308名を対象に比較したところ、評価されている感覚がある人では、43.3%が「本音を話しづらかった」と回答しました。一方、評価されている感覚がない人では、本音を話しづらかった割合は32.2%でした。両者には11.1ポイントの差があります。

企業側が相互理解を目的としていても、求職者が「評価されている」と感じると、率直な質問や不安を口にしにくくなることもあります。給与や待遇、残業時間、職場の雰囲気などは、応募を判断するうえで確認したい情報です。
カジュアル面談を企業理解や候補者理解につなげるには、柔らかい雰囲気をつくるだけでなく、「ここでは率直に聞いてよい」と分かる状態を整えることが大切です。
採用担当者向けTips #1: カジュアル面談案内時に確認したいこと
- 面談の目的を案内文で明示しているか
- 選考との関係や合否判断の有無を伝えているか
- 面談担当者と、その担当者が参加する理由を知らせているか
- 事前準備が必要かどうかを明確にしているか
- 「気軽に話しましょう」という表現だけで済ませていないか
第2部 本音を引き出せないと、応募意欲はどう変わるか
本音を話しやすかった人の57.7%が応募意欲上昇
本音の話しやすさと応募意欲の変化にも、差が見られました。両設問に有効回答があった284名を対象に比較したところ、本音を話しやすかった人の57.7%が「応募意欲が上がった」と回答しました。一方、本音を話しづらかった人で応募意欲が上がった割合は19.8%でした。また、「応募意欲が下がった」と回答した割合は、本音を話しやすかった人では7.4%でしたが、本音を話しづらかった人では20.7%でした。

この結果だけで、「本音を話せば応募意欲が上がる」という因果関係までは断定できません。ただし、本音を話しやすかった人では、応募意欲が上がった割合が高い傾向が見られました。不安や疑問を率直に話し、企業から回答を得られることは、自分に合う会社か、選考に進みたい会社かを考える材料になります。
求職者が聞きづらい情報は「離職率」「人間関係」「残業時間」
カジュアル面談は、求人票や採用サイトだけでは分からない情報を確認する機会として捉えられることがあります。調査対象者415名に、カジュアル面談で特に知りたい情報を聞いたところ、最も多かったのは「具体的な仕事内容」で73.3%でした。次いで、
- 1日の働き方や業務の進め方:59.5%
- 給与・待遇:48.4%
- 残業時間や働き方:41.0%
- 配属予定部署の雰囲気:39.0%
- 入社後に求められる役割:36.4%
となりました。

一方、同じ415名に、カジュアル面談で聞きづらい情報を聞いたところ、上位は次の結果となりました。
- 離職率:42.9%
- 人間関係:42.2%
- 残業時間:31.1%
- 上司との相性:28.0%
- ノルマや目標の厳しさ:24.8%

この結果から、求職者が知りたい情報の中には、面談では質問しづらいものがあることが分かります。企業の魅力だけでなく、人間関係や残業時間、離職の状況、上司との相性なども、応募を検討する際の関心事項になっています。
こうした職場の実態は、入社後のミスマッチを考えるうえでも重要な判断材料です。一方、評価されていると感じる面談では、印象を悪くするのではないかと懸念し、質問を控える人もいるでしょう。
求職者が聞きづらい情報は、企業側から話題にすることも検討したいところです。
採用担当者向けTips #2: カジュアル面談実施前に行いたい確認事項
- 企業側の説明時間が長くなりすぎていないか
- 求職者が質問する時間を十分に確保しているか
- 質問内容が選考評価に影響するかを伝えているか
- 迷いや不安を話してもよいと伝えているか
- 聞きづらい情報を、質問されるまで待っていないか
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第3部 調査データから導く、カジュアル面談設計の3つの視点
視点1 評価をなくすのではなく、選考との関係を隠さない
カジュアル面談の目的や位置づけの分かりやすさと、企業理解の評価には差が見られました。両設問に有効回答があった307名を比較したところ、目的や位置づけが分かりやすかった人では、「企業理解の場として役立った」と回答した割合が87.2%でした。
一方、目的や位置づけが分かりづらかった人では59.4%でした。両者には27.8ポイントの差がありました。

また、目的や位置づけと通常面接との違いについて、両設問に有効回答があった308名を比較すると、目的や位置づけが分かりやすかった人では、68.7%が「通常面接との違いが分かりやすかった」と回答しました。
目的や位置づけが分かりづらかった人では24.8%にとどまりました。

カジュアル面談の受け止めには、当日の会話だけでなく、面談前の案内も関係していると考えられます。
求職者が面談前に「何のための場なのか」「選考とどう関係するのか」「何を聞いてよいのか」を理解できているかは、企業理解や安心感を左右する要素の一つです。
選考要素がある場合、89.2%が事前説明を希望
調査対象者415名に、カジュアル面談に選考に関わる要素が含まれる場合、企業には事前に説明してほしいかを聞きました。その結果、「必ず説明してほしい」が42.9%、「できれば説明してほしい」が46.3%でした。合計すると、89.2%が事前説明を希望しています。

今回の調査で確認できたのは、選考要素がある場合には事前に説明してほしいというニーズです。求職者がカジュアル面談から一切の評価をなくしてほしいと考えているかどうかまでは、この結果だけでは判断できません。
この結果から読み取れるのは、求職者が、
「評価しないでほしい」というより、
「評価する可能性があるなら、正直に伝えてほしい」
と考えている可能性です。
「気軽な情報交換の場です」と案内された面談が、実際には事実上の選考として扱われていれば、求職者は案内と実態のギャップを感じます。反対に、
「相互理解を目的とした面談ですが、今後の選考の参考にする場合があります」
「合否を決める面接ではありませんが、双方が次の選考に進むかを判断する場です」
などと事前に説明すれば、求職者は場の性質を理解したうえで参加できます。評価をなくすことよりも、評価の可能性を隠さないことが、カジュアル面談の透明性を高めます。
案内を受けた段階でも、明確な説明が求められている
今回の調査では、カジュアル面談等の案内を受けたものの、実際には参加しなかった91名も対象に含めました。
このグループに、企業に改善してほしいことを聞いたところ、上位は次の結果となりました。
- 面談の目的を事前に説明する:63.7%
- 選考に関わる要素があるかどうかを事前に説明する:57.1%
- 所要時間を事前に知らせる:51.6%
- 当日の流れを事前に知らせる:46.2%
- 事前準備が必要かどうかを説明する:41.8%

参加前の段階でも、求職者は、面談の目的、選考との関係、所要時間、事前準備の有無を知りたいと考えています。
「気軽にお話ししましょう」と伝えるだけでは、求職者の不安が残ることもあり、面談の目的や所要時間、当日の流れが分からなければ、参加をためらう人もいることがわかります。
採用担当者向けTips #3: 事前案内に入れたい項目
- 面談の目的
- 選考との関係、合否判断の有無
- 担当者の役職と参加理由
- 所要時間と当日の流れ
- 事前準備の必要性
- 面談後の流れ
視点2 目的に合った面談相手を設計する
カジュアル面談等への参加経験者324名に、実際に話した相手を複数回答で聞いたところ、最も多かったのは「人事・採用担当者」で67.3%でした。次いで、
- 現場社員:26.5%
- 配属予定部署の上司・マネージャー:19.4%
- 経営者・役員:13.9%
となりました。

一方、調査対象者415名に、誰が最も望ましい面談相手かを聞いたところ、「人事・採用担当者」が28.7%で最も多くなりました。
ただし、「現場社員」も24.8%で、両者の差は3.9ポイントでした。そのほか、
- 配属予定部署の上司・マネージャー:12.8%
- 年齢や立場が近い社員:11.3%
- 面談の目的によって変わる:8.0%
が挙げられました。

この結果を「人事より現場社員の方がよい」と単純化することはできません。求職者が知りたい内容に応じて、適した面談相手は変わります。
人事・採用担当者が答えやすい内容
- 選考フロー
- 制度や福利厚生
- 会社全体の方針
- 募集背景
- 配属までの流れ
現場社員や上司が答えやすい内容
- 具体的な仕事内容
- 1日の業務の進め方
- チームの雰囲気
- 上司や同僚との関わり方
- 目標や評価の実態
- 入社後に苦労しやすい点
面談相手は、「カジュアル面談は人事が担当するもの」と固定せず、求職者に何を理解してもらいたいかから逆算して決めます。たとえば、人事が制度や選考フローを説明し、現場社員が仕事内容やチームについて話すなど、役割を分ける方法があります。
視点3 聞きづらい情報を、企業側から先に開示する
求職者が聞きづらい情報は、企業側から先に伝える方法もあります。「具体的な仕事内容」「1日の働き方」「給与・待遇」「残業時間」が知りたい情報の上位となる一方、「離職率」「人間関係」「残業時間」は聞きづらい情報としても上位に挙がりました。応募判断に必要な情報と、質問しやすい情報は必ずしも一致していません。
企業側が、「何か質問はありますか」
と待つだけでは、求職者が確認したい情報が話題に上らないこともあります。たとえば、次のような情報は企業側から先に説明できます。
- 平均残業時間に加え、繁忙期と通常期の違い
- 離職率に加え、退職理由の傾向と改善策
- 部署の良い点に加え、現在抱えている課題
- 仕事のやりがいに加え、大変な点
- 制度の有無に加え、実際の利用状況
不利に見える情報も、背景や改善策とともに説明すれば、求職者は判断材料を得やすくなります。聞きづらい情報を企業側から開示することは、応募判断に必要な情報の不足を減らす方法の一つです。
まとめ カジュアル面談に必要なのは、気軽さの演出ではなく透明性
今回の調査では、カジュアル面談等への参加経験者324名のうち58.0%が、面談中に「評価されている感覚があった」と回答しました。また、評価されている感覚がある人では本音を話しづらかった割合が高く、本音を話しやすかった人では応募意欲が上がった割合が高い傾向が見られました。「気軽な情報交換の場」という企業側の案内と、求職者の受け止めは、必ずしも一致していません。
カジュアル面談に必要なのは、気軽さの演出だけではありません。面談の目的を明示し、選考との関係を隠さず、求職者が聞きづらい情報を企業側から伝えることが重要です。さらに、面談の目的に合った担当者を設定し、所要時間や当日の流れを事前に示すことで、求職者が判断材料を得やすい場をつくれます。
カジュアル面談で評価をなくすことだけが、唯一の解決策ではありません。
評価の可能性と、応募判断に必要な情報を隠さない。そうした透明性を、面談全体に持たせることが重要です。
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採用サイトや採用広報でも、同様の課題が生じる場合があります。企業が伝えたい魅力だけでなく、求職者が応募判断に必要とする情報を届けられているかという視点も重要です。
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自社のカジュアル面談や採用情報が、求職者にとって必要な判断材料を十分に提供できているか。面談設計から採用サイトまで一貫して見直したい企業は、お気軽にご相談ください。
調査概要
調査名:カジュアル面談に関する求職者の意識調査
調査対象:直近3年以内に就職活動または応募を検討した経験があり、カジュアル面談等に参加した、または案内を受けた人
有効回答数:415名
調査方法:インターネット調査
調査日:2026年7月9日~10日
実施主体:hypex
注意事項:
構成比は小数点第2位以下を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。複数回答の設問では、回答割合の合計が100%を超える場合があります。
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成長企業における採用ブランディング・採用マーケティングを専門とし過去2年で50社以上を直接支援。前職では、月間150万利用者数を超える医療・美容のWebサービスの事業責任者、兼経営陣として組織の成長を牽引。成長組織におけるOKRを利用した評価制度の構築や外国人、ジェネレーション、女性、LGBTQ+などのダイバーシティ・マネジメントに尽力。