Article

【若手社員266名調査】許せる・許せない「入社後ギャップ」とは?若手の定着を左右する「人」と「時間」

2026.09.08

若手社員266名調査|許せる・許せない入社後ギャップの違いと、定着に関わる「人」と「時間」
無料資料 hypexサービス資料 ダウンロード

採用広報やオウンドメディア支援を手掛けるhypexが実施した独自調査(有効回答266名)から、若手社員の早期離職・離職意向と関連が見られた入社後ギャップと、企業側でミスマッチを減らすための具体的な対策を解説します。

せっかく採用した若手社員が早期離職してしまう理由は、これまで「給与が低い」「仕事内容が合わない」といった条件面のミスマッチとして語られがちでした。もちろんそれは事実の一面ですが、採用競争がある中で、条件面のミスマッチを企業側の努力だけで完全になくすことは現実的に困難です。

一方で、データを深掘りすると、入社後に感じるギャップの中でも、定着層に一定数見られるものと、離職・離職意向層で特に高い割合を示すものがあることが分かりました。本記事では便宜上、前者を「許せるギャップ」、後者を「許せないギャップ」と表現します。

今回、直近3年以内に入社・転職した18歳〜35歳の若手社員266名を対象に、入社後に感じたギャップと定着・離職の状況について調査しました。その結果、全体の75.6%が入社後に何らかのネガティブなギャップを感じていました。

若手社員266名の75.6%が入社後にネガティブなギャップを感じた調査結果

さらに定着層と離職・離職意向層を比較すると、「職場の雰囲気・人間関係」と「働き方・勤務時間」にギャップを感じた割合は、離職・離職意向層で大幅に高いことが分かりました。給与や仕事内容のギャップも離職・離職意向層で多く見られる一方、とりわけ差が大きかったのが「人」と「時間」に関するギャップです。

本記事では、定着層と離職・離職意向層のリアルなデータ比較から、若手社員の定着にギャップの“境界線”を読み解き、企業が優先して見直すべき採用プロセスを整理します。

本記事のポイント

  • 入社後にネガティブなギャップを感じた若手社員は、全体の75.6%(201名)
  • 「給与・待遇・福利厚生」や「仕事内容」のギャップは定着層にも一定数見られる
  • 「職場の雰囲気・人間関係」は定着層18.6%に対して離職・離職意向層44.5%、「働き方・勤務時間」は15.4%に対して37.8%と、大きな差が見られた
  • ネガティブなギャップを感じた層(n=201)では、リアルな情報を知りたかったタイミングは「応募前」が47.8%で最多
  • 同じくネガティブなギャップを感じた層(n=201)では、情報を受け止めやすい手段は「採用サイト・企業サイト」が50.2%で最多

入社後ギャップがあっても定着する若手社員の特徴。「許せるギャップ」とは?

若手の早期離職を防ぐために「入社後のギャップをいかにゼロにするか」と頭を悩ませる採用・人事担当者は少なくありません。しかし今回のデータからは、すべての入社後ギャップを同じ優先順位で対策する必要はないことが示唆されます。

「退職を考えたことはない」と回答した「定着層」(n=147)のデータを分析すると、この層で見られたネガティブなギャップの上位は以下の通りでした。

  • 給与・待遇・福利厚生(24.4%)
  • 仕事内容(19.9%)
  • 職場の雰囲気・人間関係(18.6%)
定着層と離職・離職意向層の入社後ギャップ比較|人間関係は18.6%対44.5%、働き方は15.4%対37.8%

給与や業務内容について「思っていたのと違う」と感じている若手は、定着層にも一定数存在しています。

つまり、給与・待遇や仕事内容に関するギャップが存在したからといって、必ずしも離職につながるわけではありません。本調査では、これらの項目は「職場の雰囲気・人間関係」や「働き方・勤務時間」と比べて、定着層と離職・離職意向層の差が小さい結果となりました。

ここでいう「許せるギャップ」とは、不満がない、あるいは企業側が放置してよいという意味ではありません。あくまで今回の調査において、離職・離職意向層との比較で相対的に差が小さかったギャップを指しています。

早期離職・離職意向層で多い「許せないギャップ」とは?

一方で、「実際に退職した、または退職を真剣に考えた」と回答した「離職・離職意向層」(n=119)のデータを見ると、特定の項目で定着層との差が大きくなります。

ネガティブギャップの項目定着層の割合(n=147)離職・離職意向層の割合(n=119)ポイント差倍率
職場の雰囲気・人間関係18.6%44.5%+25.9pt約2.4倍
働き方・勤務時間15.4%37.8%+22.4pt約2.45倍
給与・待遇・福利厚生24.4%41.2%+16.8pt約1.7倍
仕事内容19.9%36.1%+16.2pt約1.8倍
定着層と離職・離職意向層の入社後ギャップ比較|人間関係は18.6%対44.5%、働き方は15.4%対37.8%

定着層と離職・離職意向層で最も差が大きいのは「人」と「時間」

特に差が大きかったのが、「職場の雰囲気・人間関係」と「働き方・勤務時間」です。

「職場の雰囲気・人間関係」は定着層18.6%に対して離職・離職意向層44.5%と25.9ポイント高く、「働き方・勤務時間」も15.4%に対して37.8%と22.4ポイント高い結果となりました。

もちろん、この結果だけから「人間関係や働き方のギャップが離職の直接的な原因である」と断定することはできません。しかし、定着層と離職・離職意向層の間でこれだけ大きな差が見られたことから、「人」と「時間」に関するギャップは、若手社員の定着を考えるうえで特に注意すべき項目だと考えられます。

職場の人間関係や勤務時間は、日々の働き方に継続的に関わる要素です。本調査だけで、なぜこの2項目で定着層との差が大きくなったのか、その背景までは特定できません。ただし、今回の結果を踏まえると、採用時に実態とのズレを減らすうえで特に注意したい情報だといえます。

採用ミスマッチを防ぐために若手社員が求める「リアルな情報」

この「人」と「時間」に関する情報について、若手社員は採用プロセスにおいて何を求めているのでしょうか。調査の自由記述(有効回答:266名)では、企業の採用広報に対して以下のような声が寄せられました。

「面接を受けた時や説明会の時に、業務をこなす上で苦労する点や評価制度について、包み隠さずしっかり説明をしてミスマッチを事前に防いでほしいです」

「どんな理由で辞めてしまう人が多いのかなど、ネガティブな面に関しても具体的に説明してもらえると参考になります。長く働きたいので、そういった面も包み隠さずに発信してくれると安心して応募しやすいです」

「企業のリアルな雰囲気を知るために、若手社員の方との座談会や質問できる機会を多く設けてほしいと思っています」

若手社員が採用時に知りたい働くリアル|苦労する点やネガティブな面、若手社員と話せる機会を求める声

若手社員が知りたいのは、良い面だけではなく「働くリアル」

自由記述からは、企業の良い面だけでなく、「ネガティブな側面」や「現場のリアルな空気」も事前に知りたいというニーズが読み取れます。長く働くことを考えているからこそ、良い面・大変な面の両方を理解し、納得した上で応募や入社を判断したいと考える若手社員がいることがうかがえます。

入社後ギャップを防ぐ情報は「いつ・どこで」伝えるべきか?

では、こうしたリアルな情報について、若手社員はどのタイミングで知りたいと考え、どの手段なら受け止めやすいのでしょうか。ネガティブなギャップを感じた層(n=201)に対し、「本当はいつ知りたかったか」「どの手段なら受け止めやすいか」を調査しました。

知りたかったタイミング1位は「応募前」47.8%

  • 情報を知りたかったタイミング(トップ2)
    1. 応募前(47.8%)
    2. 内定承諾前(18.9%)

受け止めやすい手段1位は「採用サイト・企業サイト」50.2%

  • 伝えられると受け止めやすい手段(トップ3)
    1. 採用サイト・企業サイト(50.2%)
    2. 面接・カジュアル面談(45.8%)
    3. 求人媒体(30.3%)
ネガティブギャップを感じた若手社員201名が情報を知りたかったタイミングと受け止めやすい手段

ネガティブなギャップを感じた層では、情報を知りたかったタイミングとして「応募前」が47.8%で最多でした。また、情報を受け止めやすい手段では「採用サイト・企業サイト」が50.2%で最多となっています。

これらはそれぞれ別の設問結果ですが、応募前からリアルな情報の開示を充実させること、そして「採用サイト・企業サイト」を有力な情報提供チャネルとして活用することの重要性を示唆しています。

早期離職を防ぐための入社後ギャップ対策。「人」と「時間」を優先する

今回の調査から見えてきたのは、入社後に生じるすべてのギャップを同じ優先順位で対策する必要はないということです。

給与・待遇や仕事内容を含め、採用時の情報を実態以上によく見せることは避けるべきです。そのうえで、定着層と離職・離職意向層の差が特に大きかった「職場の雰囲気・人間関係」と「働き方・勤務時間」については、優先的に入社前の期待値を合わせる必要があります。

入社後ギャップ対策の選択と集中|人間関係と働き方を優先し、採用サイトや現場社員との接点でリアルを伝える

「人」と「時間」のリアルを応募前から伝える

企業がまず見直したいのは、求職者が入社後の働き方を具体的にイメージできる情報を、応募前から十分に提供できているかという点です。

たとえば採用サイトでは、以下のような情報を具体的に伝えられます。

  • 繁忙期と通常期の残業時間や働き方
  • 有給休暇の取得状況や休み方の実態
  • 若手社員の1日のスケジュール
  • 配属先の雰囲気やチーム構成
  • 入社後に苦労しやすいことや仕事の難しさ
  • 実際に働く若手社員・現場社員の率直な声
採用サイトで伝えたい働くリアル|残業時間や有給取得状況、職場の雰囲気、仕事の難しさなどの情報例

さらに、選考中に現場社員と直接話せる座談会やカジュアル面談などを設けることで、サイトだけでは伝えきれない職場の雰囲気も届けやすくなります。

重要なのは、ネガティブな情報をただ並べることではありません。良い面だけでなく、大変な部分も含めて、求職者が入社後の姿を現実的に想像できる情報を提供することです。

自社の採用情報は「入社後のリアル」まで伝えられていますか?

今回の調査結果を踏まえ、以下の4点を確認してみてください。

  • 採用サイトに、繁忙期の残業時間や働き方の実態まで掲載している
  • 職場の雰囲気が伝わる、現場社員・若手社員のコンテンツがある
  • 選考中に、実際に働く現場社員と話せる機会を設けている
  • 自社の魅力だけでなく、仕事の大変さや入社後につまずきやすいポイントも伝えている

これらが十分に伝えられていない場合、入社前の期待と実態との間にギャップが生まれている可能性があります。

一方で、「リアルを伝える重要性は分かっていても、ネガティブに見えない伝え方が分からない」「どこまで公開すればよいか判断できない」という企業も少なくありません。

株式会社hypexでは、採用広報やオウンドメディアの設計・制作を通じて、企業の魅力と働くリアルの両方が伝わる情報発信を支援しています。自社だけで採用サイトの改善やコンテンツ設計が難しい場合は、採用課題に合わせた戦略設計からコンテンツ制作までサポートいたします。

調査概要

  • 調査テーマ:若手社員の入社後ギャップと定着・離職に関する実態調査
  • 調査対象:直近3年以内に入社・転職した若手社員(18歳〜35歳)
  • 有効回答数:266名
  • 調査期間:2026年9月
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査実施主体:株式会社hypex

※本調査結果の割合は、小数点以下の処理により合計が100%にならない場合があります。
※複数回答形式の設問では、回答割合の合計が100%を超える場合があります。
※設問によって回答対象者を限定しているため、設問ごとに回答者数(n)が異なります。
※本記事では、実際に退職した人および退職を真剣に考えた人を「離職・離職意向層」として集計しています。

採用の見え方を、変えにいく。

次の一歩は、どちらでも。

まずは資料で

hypexサービス資料

支援内容・体制・費用感を1つにまとめた資料です。

無料でダウンロード

直接はなす

採用の課題を相談する

課題が固まっていない段階のご相談を承っています。1営業日以内に、担当者よりご返信します。

無料で相談する