BtoBオウンドメディアの成功事例まとめ【業種別10選】~「勝ちパターン」はこれだ!
2025.06.16

「自社でもBtoBオウンドメディアを始めたいが、何から手をつければいいか分からない」
「本当に成果が出るのか不安」
そんな悩みを抱える企業に向け、実際に成果を上げているBtoBオウンドメディアの成功事例を、業種別に厳選して紹介します。
採用支援、Web制作、ITサービス、製造業、医療など、多様な領域の企業がどのようにオウンドメディアを活用し、リード獲得・商談創出・ブランディングにつなげているのかを、構成・特徴・成果とともに解説します。
「成果の出るオウンドメディア」と「続かないオウンドメディア」の違いは何か?
その答えを、この記事で明らかにしていきます。これから立ち上げを検討している方も、既に運用中の方も、実践に活かせるヒントが詰まった保存版の内容です。
※BtoBオウンドメディアについて相談したい、もしくは運用を支援してほしい方はhypexにお問い合わせください。自社に最適なオウンドメディアの提案をいたします。貴社の採用課題や目標などをオンラインでヒアリングし、最適なアドバイスをさせていただきます。相談料は一切かかりませんので、お気軽にお問い合わせください。
BtoBオウンドメディアとは?【定義と特徴】
目的 | 解説 |
リード獲得 | 検索やSNSから流入した見込み客の情報を取得する |
信頼構築 | 有益な情報提供を通じて専門性・信頼を高める |
商談創出 | ダウンロードや問い合わせをCVとして営業へ接続 |
資産化 | 継続的に流入を生み出す自社資産として蓄積する |
BtoBオウンドメディアとは、BtoB(法人向け)ビジネスを展開する企業が自社で所有・運営するWebメディアのことです。見込み顧客に向けて有益な情報を発信し、信頼を獲得することでリードの獲得や営業支援につなげるマーケティング手法の一つです。
オウンドメディアの3つの種類分類
メディア種別 | 内容 | 代表例 |
オウンドメディア | 自社で保有・運営 | ブログ、ホワイトペーパー、Webメディア |
ペイドメディア | お金を払って広告出稿 | リスティング広告、SNS広告 |
アーンドメディア | 第三者が発信する評価・口コミ | SNSでの評判、レビュー記事 |
この中で、オウンドメディアは中長期的な資産として蓄積されるため、広告のように即効性はなくとも、継続運用により信頼性とSEO効果が高まるのが特長です。
BtoBオウンドメディアの役割
BtoBビジネスにおけるオウンドメディアは、BtoCと比べて以下のような違いと目的があります。
【1】購買プロセスが長く、関係性構築が重視される
BtoBでは、購買までに時間がかかり、意思決定者が複数いることが一般的です。そのため、見込み顧客に対して段階的に情報を提供し、信頼を獲得する「ナーチャリング(育成)」の役割が求められます。
【2】専門性が求められる

製品やサービスが複雑なことが多く、専門用語や業界知識を交えた深いコンテンツ設計が必要です。これはSEO的にも、検索ニーズと合致した「権威性・専門性」のある情報提供が評価されやすくなります。
【3】営業・インサイドセールスと連動して活用される
オウンドメディアは単に記事を読んでもらうだけでなく、ホワイトペーパーのダウンロードや問い合わせなどを通じて、商談につなげる「営業支援ツール」としての活用も多いです。営業部門との連携が成果を左右します。
BtoBオウンドメディアの成功事例10選
Hypex Magazine(株式会社hypex)

オウンドメディアの内容
- ノウハウ記事
- 会社紹介記事
- インタビュー記事
オウンドメディアの特徴
- 自社への問い合わせに誘導
- 資料ダウンロードに誘導
Hypex Magazineは、企業の採用支援やブランディング、マーケティング支援を手がける株式会社hypexが運営する、BtoB向けのオウンドメディアです。
主なコンテンツは、「応募数を増やすための施策」や「SNS運用を依頼する際におすすめの会社」といったノウハウ記事や、企業紹介記事など。加えて、実際にhypexのサービスを利用した企業へのインタビュー記事も掲載しています。

記事の流入経路は主にGoogleなどの検索エンジン(SEO)であり、企業にとって価値ある情報を届けることに注力しています。
そのうえで、hypexによる採用・マーケティング・ブランディング支援に関心を持った企業がすぐに相談できるよう、お問い合わせフォームも設置。質の高い情報提供を続けることで、月間50件以上の問い合わせと、高い成約率を実現しています。

さらに、hypexが独自に制作したノウハウ資料(ホワイトペーパー)も、無料でダウンロード可能。より深い情報提供を通じて、見込み顧客との信頼関係を築いています。
Web幹事(株式会社ユーティル)

オウンドメディアの内容
- ノウハウ記事
- 料金シミュレーター
- 会社検索ページ
オウンドメディアの特徴
- 総合ポータルサイト
Web幹事は、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援する株式会社ユーティルが運営する、BtoB向けのオウンドメディアです。
掲載している主なコンテンツは、「ホームページの作り方」や「おすすめのホームページ制作会社」など、Web制作に関するノウハウ記事や、企業紹介記事など。Web制作を検討している企業にとって、実用的な情報が多数そろっています。

さらに、ホームページの制作費用を簡単に試算できる「料金シミュレーター」や、全国のホームページ制作会社を一覧から探せる「会社検索ページ」といった機能も提供。
オウンドメディアの枠を超え、企業がWeb制作を進めるための総合的な情報ポータルサイトとして活用されています。
NYLE ARROWS(ナイル株式会社)

オウンドメディアの構成
- 社員インタビューが中心
オウンドメディアの特徴
- 扱う部署が多い
- ブランディングを意識した名前やロゴ
NYLE ARROWSはデジタルマーケティングを行うナイル株式会社の採用オウンドメディアです。最初は2018年7月に「ナイルのかだん」の名前でスタートし、2022年12月まで170記事をリリースしてきました。
2022年7月にコーポレートロゴのモチーフの矢を表現した「NYLE ARROWS(ナイル アローズ)」に名前を変更し、ロゴも「変革の矢」という思いが込められたデザインに変更しています。
取り扱う部署が多く、エンジニア、デザイナー/ディレクター、Webコンサルタント、企画/マーケティング、コンテンツ編集者、営業など多岐に渡ります。
NYLE ARROWSを見る
ベイジの日報(株式会社ベイジ)

オウンドメディアの構成
- 社員の日報を公開
オウンドメディアの特徴
- 主にテキストのみ
- ローコストを実現
ベイジの日報は採用サイトなどのWeb制作を手がける株式会社ベイジの社員が書いている日報を公開するユニークな採用オウンドメディアの事例です。
ワードプレスで作ったサイトに社員の日報を公開しているので主にテキストのみ。もともと同社の業務としている日報を公開するのでローコストで済み、同時に外部からわかりにくいBtoB企業の社員や実態が理解できるので一石二鳥。

日報の最後に募集要項や面談の申し込みフォームを設置しています。
ベイジの日報を見る
LIGブログ(株式会社LIG)

オウンドメディアの内容
- ノウハウ記事
- Web制作・デザイン・テクノロジーに関するトレンド情報
- 自社社員のインタビューやエンタメ系コンテンツ
オウンドメディアの特徴
- バズを生み出すエンタメ性の高い記事展開
- 社員がインフルエンサーとなって情報発信
LIGブログは、Web制作やマーケティング支援を行う株式会社LIGが運営する、BtoB向けのオウンドメディアです。主なコンテンツは以下の通りです。
- Web制作・SEO・UI/UX設計などに関する実践的なノウハウ記事
- デザインや開発に関する最新の技術トレンド紹介
- 社員のキャラクターや企画力を生かしたインタビュー・ストーリー記事
- ユニークな切り口とユーモアを交えたエンタメ系コンテンツ
特に注目すべきは、社員がコンテンツの中心となり「顔出し・キャラ立ち」で発信している点です。 社員の個性を全面に出すことで、SNSでの拡散やバズを生みやすい、会社の文化や雰囲気が自然と伝わる、潜在顧客や求職者に対するブランディングが強化されるなどの効果を生んでいます。
さらに、「広告・制作サービス」への導線や、成功事例ページとの連動により、自社サービスへの誘導設計もなされており、集客と認知拡大の両立を実現しているメディアです。
サイボウズ式(サイボウズ株式会社)

オウンドメディアの内容
- 働き方・組織づくりに関するインタビュー・対談記事
- 経営・マネジメントに関するオピニオン記事
- 社内文化や制度の紹介
オウンドメディアの特徴
- 働き方改革の思想発信メディア
サイボウズ式は、グループウェアを開発・提供するサイボウズ株式会社が運営する、BtoB向けのオウンドメディアです。
掲載している主なコンテンツは、「チームワークあふれる社会をつくる」というビジョンに基づき、多様な働き方・組織文化に関するインタビューや対談、経営視点のオピニオン記事など。社内制度や社員のリアルな声を発信することで、サイボウズのブランドや考え方を社会に伝える役割を担っています。
単なる情報発信にとどまらず、企業の在り方そのものを問い直す思想発信型メディアとして、BtoB企業のブランディングや採用広報の好事例にもなっています。
経営ハッカー(freee株式会社)

オウンドメディアの内容
- 経理・会計・税務に関するノウハウ記事
- 経営者・起業家インタビュー
- 会社設立やIPO準備などに役立つ実務解説
オウンドメディアの特徴
- スモールビジネス向けの経営実務支援メディア
経営ハッカーは、クラウド会計ソフトなどを提供するfreee株式会社が運営する、BtoB向けのオウンドメディアです。
掲載している主なコンテンツは、「経理・会計の基礎知識」や「会社設立時に押さえておくべきポイント」「IPOを見据えた連結決算の準備」といった、中小企業やスタートアップの経営者に役立つ実務ノウハウが中心。さらに、起業家・経営者へのインタビューやコラムなども充実しており、日々の経営にヒントを与える構成となっています。
freeeのプロダクトに直結した内容も含まれていますが、単なる製品紹介ではなく、読者の経営課題に寄り添った課題解決型メディアとして高く評価されています。
公式note(株式会社メドコム)

オウンドメディアの内容
- 社員インタビュー
- 社内イベントの様子
- 組織文化の紹介
オウンドメディアの特徴
- 社員の人柄と社風が伝わるブランディングメディア
株式会社メドコム公式noteは、医療機関専用スマートフォン「メドコム」を展開する株式会社メドコムが運営する、BtoB向けのオウンドメディアです。当サイトhypexも運営を支援させていただいています。
主なコンテンツは、社員の個性や仕事内容を紹介する社員紹介リレーや、毎月の社内朝会の様子をレポートする社内イベント記事など。日々の業務や職場の雰囲気を丁寧に伝えることで、企業文化を社外に発信しています。
採用候補者や取引先企業に向けて、メンバーや組織の魅力をわかりやすく伝えるブランディング目的のオウンドメディアとして機能しており、メドコムの「人」を通じた企業理解を促進しています。
ミエルカマーケティングジャーナル(株式会社Faber Company)

オウンドメディアの内容
- SEO・コンテンツマーケティングのノウハウ記事
- 生成AIを活用した記事制作手法
- マーケティングトレンド・業界ニュース
オウンドメディアの特徴
- 専門的かつ実践的なマーケティング知識の提供
- 自社ツール「ミエルカSEO」への理解・導入を促進
ミエルカマーケティングジャーナルは、SEOやコンテンツマーケティング支援ツール「ミエルカSEO」を提供する株式会社Faber Companyが運営する、BtoB向けのオウンドメディアです。
主なコンテンツは、SEOの最新トレンドや実践的なノウハウ、生成AIを活用した記事制作の方法論、さらに業界ニュースやマーケティング施策の解説記事など。専門性の高い情報を丁寧に分解しながら、Web担当者がすぐに実践できるように構成されています。
また、Japan SEO Conferenceなどのイベント情報や、検索体験に関する独自レポートも掲載。単なる知識提供にとどまらず、“SEOの今とこれから”をリードする情報発信基地として、国内マーケターから高い評価を受けています。
記事の各所には、ミエルカの機能紹介や資料ダウンロード、デモ申込フォームへの誘導も組み込まれており、情報提供とリード獲得を両立したオウンドメディア設計が特徴です。
メソッド(株式会社才流)

オウンドメディアの内容
- ノウハウ記事
テンプレートや営業資料などの業務支援コンテンツ
マーケティング・営業関連キーワードによる記事検索機能
オウンドメディアの特徴
- メルマガの登録に誘導
- 資料ダウンロードに誘導
メソッドは、BtoBマーケティングや営業戦略支援を行う株式会社才流(サイル)が運営する、BtoB向けのオウンドメディアです。
主なコンテンツは、「新規事業開発」「BtoBマーケティング」「営業資料テンプレート」などに関するノウハウや支援ドキュメント。実務で役立つ具体的なフレームワークや考え方がまとめられており、法人営業やマーケ担当者にとって有用な内容がそろっています。
特に特徴的なのは、メルマガ登録を強調した導線設計です。ページ上部やファーストビューにも常設されており、「継続的に最新ノウハウを受け取りたい」ユーザーに向けたアプローチが明確に設計されています。
- ヘッダーに「メルマガ登録」ボタンが常設されている
- ファーストビュー内にも「メルマガに登録する」ボタンを表示
- 「継続的な情報提供」の導線を設けている設計意図がある
また、資料請求ページとの連動により、自社サービスへの関心を持った読者をリードとして自然に取り込む導線も整備されています。読み物としてだけでなく、マーケティング資産として機能する実践型オウンドメディアです。
関連記事:採用オウンドメディアの参考事例!大企業・スタートアップ・BtoBの成功パターンを解説
成功するBtoBオウンドメディアの共通点とは?
成功要素 | 内容 |
専門性の可視化 | 業界に特化した深い情報で信頼を獲得 |
明確なCV設計 | 資料DLや相談申込などに自然に誘導 |
他チャネルとの連携 | SEO・SNS・営業が有機的に連動 |
継続運用の体制 | 制作・分析・改善が仕組み化されている |
BtoBオウンドメディアの成功事例を分析すると、いくつかの“共通点”が見えてきます。単に記事を更新するだけでは成果にはつながりません。リード獲得や商談創出といった明確な成果を出すメディアには、以下の4つの要素が共通して存在しています。
1. 専門性の可視化と信頼獲得

BtoBビジネスでは、購買決定に時間がかかり、信頼が意思決定の大きな要因になります。そのため、オウンドメディアでは「この会社なら信頼できそう」「業界を理解している」と思わせる専門的な情報発信が不可欠です。
具体的な成功要素
- 専門用語や業界トレンドをわかりやすく解説した記事
- 事例やデータに裏付けされた内容
- 社内の技術者やコンサルが執筆・監修したコラム
- ホワイトペーパーや技術資料の提供
これらはE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の評価基準にも合致し、Googleからの検索評価にもつながります。
2. コンバージョン設計が明確

どれだけ質の高い記事を書いても、「読んで終わり」では成果には結びつきません。明確なCV(コンバージョン)ポイントの設計が、成功するオウンドメディアの大きな特徴です。
成功メディアが実践しているCV設計例
- 資料ダウンロード(ホワイトペーパー/チェックリストなど)
- 無料相談・デモ申込の導線
- メルマガ登録やウェビナー参加フォーム
- CTA(Call to Action)の文言や配置をA/Bテストで最適化
「ユーザーの興味が高まった瞬間を逃さず、次のアクションへ自然に誘導する設計」が重要です。
3. SEO・SNS・営業との連動
成功しているBtoBオウンドメディアは、単体で機能しているのではなく、他のマーケティングチャネルと有機的に連携しているのが特徴です。
各チャネルとの効果的な連携
- SEOとの連携:検索キーワードを意識した記事設計、内部リンクの最適化
- SNSとの連携:記事を活用した投稿、専門家による拡散
- 営業との連携:ナーチャリングコンテンツとして記事を営業資料代わりに活用/MAツール連携で行動履歴からアプローチ
「集客→育成→営業接点創出」という一連の流れの中で、オウンドメディアが戦略的に配置されていることが、成果に直結します。
4. 継続運用できる体制がある

オウンドメディアは“始めるより、続けるほうが難しい”です。成果を出している企業は例外なく、社内外を巻き込んだ運用体制を築いています。
継続運用を支える仕組み
- コンテンツカレンダー(公開スケジュール)の策定
- 執筆・編集・チェック体制の整備(社内外のライター活用)
- 月次レポートによる効果測定と改善ループ
- 社内メンバーを巻き込む仕掛け(執筆参加、数値共有など)
リソースの確保が難しい場合でも、戦略設計とコンテンツ制作を外注で補完するなどの工夫で安定運用を図っているケースも多く見られます。
BtoBオウンドメディアの成果を最大化するポイント
成果最大化のポイント | 解説 |
ペルソナ×検索意図の一致 | 「誰に、何を届けるか」を明確化 |
CV導線の最適化 | 読後アクションを誘導する仕組み |
営業との連携 | リードを確実に商談・受注へつなげる |
BtoBオウンドメディアは、単に記事を公開するだけでは成果にはつながりません。「誰に」「何を」「どう届けるか」を戦略的に設計し、実行・連携・改善まで行うことで、はじめてリード獲得や商談創出などの実益に結びつきます。
ここでは、BtoBオウンドメディアの成果を最大化するために必須となる3つのポイントを解説します。
1. ペルソナ×検索意図マッチが鍵

成果を出すメディアの第一条件は、「読み手が求める情報を、的確に提供していること」です。そのためにはまず、明確なペルソナ設計と検索意図との一致(=インテントマッチ)が不可欠です。
ペルソナ設計の基本
- 誰が読むのか?(職種・役職・業種・業界)
- どんな課題・悩みを持っているか?
- どんな情報を求めて検索しているのか?
例えば、SaaS商材を販売するBtoB企業であれば、以下のようなペルソナが考えられます:
項目 | 内容 |
役職 | マーケティング責任者(課長〜部長) |
課題 | リード数が足りない、営業に渡す案件の質が悪い |
検索意図 | 「リード獲得 方法」「BtoB マーケティング 事例」など |
このように、検索キーワードの背後にある「検索意図=ユーザーの心理や状況」を深掘りし、それに合致するコンテンツを届けることが成果への第一歩です。
2. 「読ませて終わり」にしないCV設計

オウンドメディアでは「記事を読んでもらう」こと自体がゴールではありません。読者を見込み顧客としてCV(コンバージョン)させ、次のフェーズへ進める設計が必要です。
BtoBならではのCVポイント例
- ホワイトペーパーやチェックリストのダウンロード
- 資料請求・導入事例の閲覧
- メルマガ登録やウェビナー申込
- 無料相談・デモリクエスト
成功している企業では、記事の途中や最後に「次にすべき行動」を自然に提示するCTA(Call To Action)を設計しています。
例:「もっと詳しい事例を知りたい方はこちらの資料をご覧ください」→DLページへ誘導
また、読者の検討段階に応じて複数のCVを用意することで、あらゆるステージの見込み客を取りこぼさない仕組みを作ることが重要です。
- CTAの色・配置・テキストはA/Bテストで最適化
- 「読者の心理」と「CTAの位置」がマッチしていることが重要
- CTAは1記事に1つではなく、「導線設計」で複数配置すべき
代表的なCTAデザインパターン(配置と文言)
フェーズ | CTAタイプ | 配置場所 | 文言例 |
認知層 | 記事内の リンク型CTA | 見出し直下・本文中 | 「●●についてもっと知りたい方はこちら」 |
興味層 | バナー型CTA | 記事末・サイドバー | 「無料ホワイトペーパーをダウンロード」 「チェックリストで自社を診断」 |
検討層 | フォーム直結CTA | 記事下・ポップアップ | 「無料相談を予約」「デモを申し込む」 |
決定層 | オファー型CTA | ポップアップ リードナーチャリング | 「今だけ限定資料セット配布中」 |
3. 営業部門との連携は必須
BtoBにおけるオウンドメディアの真の目的は、売上や商談につながるリードを継続的に創出することです。そのためには、マーケティングと営業の連携が不可欠です。
連携を強化するための実践ポイント
- コンテンツ設計段階で営業の声を反映(よくある質問、現場で刺さる提案内容)
- MA(マーケティングオートメーション)を活用して、興味関心度の高い見込み客を営業に連携
- オウンドメディアの記事を「営業資料」として使う(事例紹介・課題解決記事など)
特に、「このリードはどこから来たのか?」「どの記事を読んで反応したのか?」といった行動履歴データを営業と共有することで、より効果的な提案やクロージングが可能になります。
補足ポイント
- MAのリード情報は「営業支援ツール」としてCRMにも連携
- 営業側に「どのコンテンツが使えるか」を周知し、活用促進
- 月次でのマーケ・営業合同レビューを設定すると高精度化しやすい
この設計を導入することで、BtoBオウンドメディアは単なる「集客ツール」ではなく、営業と連携した商談創出の仕組み=収益に貢献するマーケティング資産になります。
BtoBオウンドメディアでよくある質問(FAQ)
よくある質問 | ポイント |
成果が出た施策は? | 検索意図とCV設計が要 |
どうやって継続運用している? | 社内外の体制とテンプレ活用が鍵 |
中小企業でもできる? | 小規模スタートで十分可能。外注や補助金も活用を |
BtoBオウンドメディアを検討・運用する際に、多くの企業担当者が疑問に感じるポイントについて、よくある質問形式でわかりやすく解説します。
Q1:BtoBオウンドメディアの事例で成果が出た施策は?
A:ターゲットに合った専門的な記事コンテンツと、明確なコンバージョン設計が成果に直結しています。
実際に成果を出しているBtoB企業のオウンドメディアでは、以下のような共通施策が見られます。
成果が出た主な施策例
- 検索意図にマッチした記事制作(例:「●●業界 DX 成功事例」など)
- ホワイトペーパーやeBookのダウンロード導線設計
- 専門性の高い社員コラムや技術記事による信頼構築
- MAツールと連携したリードスコアリングとナーチャリング
- 営業部門との連携で、ホットリードに即アプローチ
特にBtoBでは「読者=見込み顧客」であるため、CV(コンバージョン)に自然につながる構成設計と、営業とつながる仕組みづくりが成功要因となっています。
Q2:事例企業はどうやって継続運用しているの?
A:コンテンツ制作の仕組み化と社内外の分担体制が継続運用のカギです。
多くの企業が「更新が止まってしまった」「社内リソースが足りない」といった課題を抱えがちですが、成功している企業は以下のような工夫で継続運用を実現しています。
継続運用の仕組み
- コンテンツカレンダーの作成(月単位の更新スケジュールを明確に)
- 社内と外注のハイブリッド体制(企画:社内/執筆:外部ライターなど)
- テンプレート化による工数削減(事例記事・解説記事のフォーマット化)
- 社内メンバーの巻き込み(営業や開発がネタ提供や監修に参加)
- 月次レビューとPDCAサイクルによる改善の仕組み
特にBtoBでは、業務知見をもとにした“社内ネタ”が資産化しやすく、外注と上手に組み合わせることが長期的な成功の秘訣です。
Q3:中小企業でもオウンドメディアは始められる?
A:リソースが限られていても「スモールスタート×運用設計」で十分に可能です。
中小企業でも、段階的に始めて成果を出している事例は数多くあります。むしろ、大企業のように複雑な承認フローや分業体制がない分、意思決定が早く効果が出やすいという利点もあります。
中小企業が取り組みやすいオウンドメディア設計のポイント
- 月1〜2本のコンテンツでもOK。まずは「よく聞かれる質問への回答」や「事例紹介」から始める
- テンプレート化・テーマ固定で無理なく継続可能(例:「社長ブログ」「導入企業の声」)
- Web制作+記事代行の外注活用でリソース不足も補完可能
- 補助金や自治体のデジタル支援制度を活用して初期投資を抑える方法もあり
オウンドメディアは“積み上げ型”の施策なので、「はじめること」自体が最大の成功要因です。
※BtoBオウンドメディアについて相談したい、もしくは運用を支援してほしい方はhypexにお問い合わせください。自社に最適なオウンドメディアの提案をいたします。貴社の採用課題や目標などをオンラインでヒアリングし、最適なアドバイスをさせていただきます。相談料は一切かかりませんので、お気軽にお問い合わせください。

成長企業における採用ブランディング・採用マーケティングを専門とし過去2年で50社以上を直接支援。前職では、月間150万利用者数を超える医療・美容のWebサービスの事業責任者、兼経営陣として組織の成長を牽引。成長組織におけるOKRを利用した評価制度の構築や外国人、ジェネレーション、女性、LGBTQ+などのダイバーシティ・マネジメントに尽力。