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採用オウンドメディアの参考事例12選

2024.05.02

採用オウンドメディアの立ち上げやリニューアルを考えている企業の採用担当者の方に採用オウンドメディアの事例を紹介します。

  • 大企業の採用オウンドメディア
  • スタートアップの採用オウンドメディア
  • BtoBの採用オウンドメディア
  • プラットフォームを活用した採用オウンドメディア

参考事例から見えてくる採用オウンドメディアの作り方のポイントも紹介しています。自社の採用オウンドメディアの参考にしてください。

※採用オウンドメディアについて相談したい、もしくは運用を支援してほしい方はhypexにお問い合わせください。自社に最適なオウンドメディアの提案をいたします。貴社の採用課題や目標などをオンラインでヒアリングし、最適なアドバイスをさせていただきます。相談料は一切かかりませんので、お気軽にお問い合わせください。

大企業の採用オウンドメディアの参考事例

CyberAgent Way(株式会社サイバーエージェント)

CyberAgent Way(株式会社サイバーエージェント)

画像引用:CyberAgent Way(株式会社サイバーエージェント)

採用オウンドメディアの構成

  • 社員インタビュー
  • 事業の取り組みの解説

採用オウンドメディアの特徴

  • 採用ページにリンクせず企業理解に注力
  • SNSの公式アカウントに誘導
  • 毎月更新している

日本の採用オウンドメディアのパイオニアと言われるのが、株式会社サイバーエージェントです。最初は採用サイトに情報を掲載するところからスタートしましたが、現在は『CyberAgent Wa』のオウンドメディアを独立して運用しています。

サイバーエージェントはアメブロやアメーバTVなどサービスには馴染みがありますが、どんな社員が働いているのか、どんな取り組みをやっているのかは外側から見えません。採用オウンドメディアでストレートにオーソドックスに紹介しています。

CyberAgent Way(株式会社サイバーエージェント)

『CyberAgent Way』の特徴として、社員インタビュー、事業の取り組み解説の2種類がほとんど。目的を絞った採用オウンドメディアであることがわかります。あまり多様な企画をオウンドメディアでやると肝心の伝えたいことが伝わらなくなります。同社のように目的を絞って運用することは大事なポイントです。

CyberAgent Way(株式会社サイバーエージェント)

また、トップページの右上に「採用情報はこちら→」と採用募集のページに遷移するリンクはありますが、それ以外は応募フォームなどはなく、企業の理解に注力しています。

記事の最後には、公式SNSアカウントへのリンクが設置され、オウンドメディアから直接応募を集めるというより、理解促進が目的であることがわかります。

CyberAgent Way(株式会社サイバーエージェント)

社員インタビューでは、テレビドキュメント番組『情熱大陸』のような手書きのメッセージが良いです。同社は採用オウンドメディアの他にSNSの採用アカウントや、採用サイトなど幅広い採用手法を取り入れており、良い人材を獲得する意気込みが感じられます。

トヨタイムズ(トヨタ自動車株式会社)

トヨタイムズ(トヨタ自動車株式会社)

画像引用:トヨタイムズ(トヨタ自動車株式会社)

採用オウンドメディアの構成

  • 社員インタビュー
  • 事業の取り組みの解説
  • スポーツ支援など

採用オウンドメディアの特徴

  • 採用ページは最後のみで企業理解に注力
  • 車、スポーツ、経営など幅広い読み物

トヨタ自動車株式会社が運営する採用オウンドメディアの事例が『トヨタイムズ』です。採用候補者の特化ではなく、一般消費者、株主など、幅広い人たちに向けた読み物になっています。

トヨタイムズ(トヨタ自動車株式会社)

社員インタビューの他にも、車そのものに関する情報、同社が力を入れている都市対抗野球やモータースポーツなど、スポーツ事業への取り組みを解説した記事があります。

自動車メーカーとしての地位は確立していますが、そのほかの取り組みなどを紹介することで幅広い人たちが読むことになり、その中から応募にもつながります。

トヨタイムズ(トヨタ自動車株式会社)

採用に関するリンクはページの最下部にある採用ページへのリンクのみです。

linotice(LINEヤフー株式会社)

linotice(LINEヤフー株式会社)

画像引用:linotice(LINEヤフー株式会社)

採用オウンドメディアの構成

  • 働き方
  • カルチャー
  • 育成
  • 福利厚生
  • オフィス紹介

採用オウンドメディアの特徴

  • 幅広い内容の採用オウンドメディア
  • 部門も多い
  • 記事内に採用ページへのリンクも設置

LINEヤフー株式会社が運営する採用オウンドメディアが『linotice』です。エンジニア、デザイナー、営業、CTOなど幅広い部門の採用記事を届け、人・仕事・働き方を伝えています。

記事の種類も幅広く、働き方、カルチャー、育成、福利厚生、オフィス紹介など企業理解を促進するコンテンツを多く制作しています。

linotice(LINEヤフー株式会社)

記事内の右端には常に採用ページに遷移するリンクが設置され、離脱を防ぐとともに、読者が応募に興味を持った瞬間、詳しい情報を得られるように工夫しています。

日本マクドナルド

日本マクドナルドの採用オウンドメディア

画像引用:日本マクドナルド採用オウンドメディア

採用オウンドメディアの構成

1.応募をするまでに就業をイメージできる
 仕事内容をイメージ:クルーの仕事/職場
 働く人をイメージ:数字で見るクルーに聞いてみた
 キャリアパスをイメージ:トレーニング&キャリアパス

2.応募を決めたら選考をイメージできる
 応募後の流れと面接をイメージ:初めて応募する方へ

3.しっかりしたサポート体制も準備
よくある質問回答で選考までをサポート:よくあるご質問
一人で迷ったら相談できる窓口も:マクドナルド応募コンシェルジュ

誰もが食べたことのあるマクドナルドはオウンドメディアリクルーティングのパイオニアと呼べる企業です。採用オウンドメディアの立ち上げたのが2016年。大きな成果を生んだのは2020年以降と長期的に取り組んできました。

いかに応募の時点で就業をイメージしできるか、安心して応募できるかの2点にこだわって記事コンテンツを作成。仕事内容は複数あるポジションの紹介からし、働いている人の属性や先輩クルーの声として「実際に働いてみての感想」も公開しました。提供できる情報をできる限り公開し、仕事や職場の環境、一緒に働く仲間のことを知ってもらっています。

スタートアップの採用オウンドメディアの参考事例

mercan(株式会社メルカリ)

mercan(株式会社メルカリ)

画像引用:mercan(株式会社メルカリ)

採用オウンドメディアの構成

  • 社員インタビュー
  • 事業の取り組み
  • 技術解説
  • イベントレポート
  • サービスの説明

採用オウンドメディアの特徴

  • 更新頻度が高い
  • 経営陣もコミットしている
  • 経営陣も記事をシェア
  • 記事に関連する求人情報を掲載

株式会社メルカリが運営する採用オウンドメディアの事例が2016年から始まったmercan(メルカン)です。社員インタビュー、事業の取り組み、技術解説、イベントレポート、サービスの説明など、ありとあらゆる社内のことを公開しています。月に10本以上の記事を出す更新度の高さもメルカンの特徴。

mercan(株式会社メルカリ)

すごいのは取締役や経営陣も記事をSNSでシェアしていること。全社でオウンドメディアリクルーティングを盛り上げています。記事の最後には、その記事に関連する求人情報のリンクを設置しているのも参考になります。複数の部門の情報を発信する採用オウンドメディアの好例です。

フルスイング(株式会社ディー・エヌ・エー)

フルスイング(株式会社ディー・エヌ・エー)

画像引用:フルスイング(株式会社ディー・エヌ・エー)

採用オウンドメディアの構成

  • 社員インタビュー
  • 事業の取り組み
  • イベントレポート

採用オウンドメディアの特徴

  • 人にフォーカス
  • 企業の世界観をメディア名に採用

インターネット事業などを手掛ける株式会社ディー・エヌ・エーは『フルスイング』の名前で採用オウンドメディアを運営しています。メディア名は同社がオーナーを務めるプロ野球球団の横浜ベイスターズにかけたもの。背景色も野球のバットやグローブを想起させ、自社の事業をメディア名にすることで採用ブランディングの効果も生んでいます。

イベントレポートなどもありますが、ほとんどが社員インタビュー。人を通して事業を伝えることに徹底した採用オウンドメディアです。常に画面の右上に採用サイトに遷移するリンクを設置しています。

Gunosyテックブログ(株式会社Gunosy)

Gunosyテックブログ(株式会社Gunosy)

画像引用:Gunosyテックブログ(株式会社Gunosy)

採用オウンドメディアの構成

  • テクノロジーのブログが中心

採用オウンドメディアの特徴

  • デザインがシンプル
  • テキスト多く丁寧に説明

株式会社Gunosyはエンジニアに特化した採用オウンドメディア『Gunosyテックブログ』を運営しています。同社は全社向けの採用オウンドメディア『Gunosiru』もあり、完全に分けて独立して運営しています。

専門知識が必要なエンジニアは職人気質であり、社内体制、どんな方針で開発を行なっているのか、どんなシステムを使っているのかなど、専門性が高い情報を欲しているからです。また、エンジニアの気持ちはエンジニアでないと理解しにくい部分が強く、他部署など一緒にしてしまうと、エンジニアが欲しい情報を得られなくなるからです。

そのため内容はテクノロジーに関するものに絞り、デザインはシンプル、テキストを多くしています。はてなブログで作られた採用オウンドメディアです。

関連記事:エンジニア採用広報とは?方法・ポイント・事例を解説
関連記事:エンジニア向け採用ピッチ資料の事例と作り方!メリットも紹介

BtoBの採用オウンドメディア

NYLE ARROWS(ナイル株式会社)

NYLE ARROWS(ナイル株式会社)

画像引用:NYLE ARROWS(ナイル株式会社)

採用オウンドメディアの構成

  • 社員インタビューが中心

採用オウンドメディアの特徴

  • 扱う部署が多い
  • ブランディングを意識した名前やロゴ

NYLE ARROWSはデジタルマーケティングを行うナイル株式会社の採用オウンドメディアです。最初は2018年7月に「ナイルのかだん」の名前でスタートし、2022年12月まで170記事をリリースしてきました。

2022年7月にコーポレートロゴのモチーフの矢を表現した「NYLE ARROWS(ナイル アローズ)」に名前を変更し、ロゴも「変革の矢」という思いが込められたデザインに変更しています。

取り扱う部署が多く、エンジニア、デザイナー/ディレクター、Webコンサルタント、企画/マーケティング、コンテンツ編集者、営業など多岐に渡ります。

ベイジの日報(株式会社ベイジ)

ベイジの日報(株式会社ベイジ)

画像引用:ベイジの日報(株式会社ベイジ)

採用オウンドメディアの構成

  • 社員の日報を公開

採用オウンドメディアの特徴

  • 主にテキストのみ
  • ローコストを実現

ベイジの日報は採用サイトなどのWeb制作を手がける株式会社ベイジの社員が書いている日報を公開するユニークな採用オウンドメディアの事例です。

ワードプレスで作ったサイトに社員の日報を公開しているので主にテキストのみ。もともと同社の業務としている日報を公開するのでローコストで済み、同時に外部からわかりにくいBtoB企業の社員や実態が理解できるので一石二鳥。

ベイジの日報(株式会社ベイジ)

日報の最後に募集要項や面談の申し込みフォームを設置し、採用に上手くつなげた事例です。

プラットフォームを活用した採用オウンドメディア

採用オウンドメディアのプラットフォーム

最後に、自社でオウンドメディアを作らず、すでにあるプラットフォームを利用した採用オウンドメディアを2つ紹介します。

クックパッド公式note(クックパッド株式会社)

クックパッド公式note(クックパッド株式会社)

画像引用:クックパッド公式note(クックパッド株式会社)

クックパッド株式会社は採用オウンドメディアをブログ作成プラットフォームの「note」で運営しています。noteはキリンビールなどの有名企業も採用オウンドメディアとして活用しています。

社員インタビューや事業紹介など取り扱うテーマは様々。note(月額8万円の有料プラン)を採用オウンドメディアに活用する理由としては下記が挙げられます。

  • しっかり読む人がnoteには多い
  • ロゴ・テーマカラーを変更できる
  • オリジナルのメニュー設定ができる

そもそもnoteは広告が表示されず、しっかり文章を読んでくれる人が多いプラットフォーム。無料版でもアクセスが期待できますが、note proの場合は2倍以上、読まれると言われています。

また、有料版は独自のロゴやテーマカラーに変更できるため、独自性も出しやすく、オリジナルのメニューが作れるので0から採用オウンドメディアを構築しなくてもいいのがメリットです。

株式会社マネーフォワード(Wantedly)

株式会社マネーフォワード(Wantedly)

画像引用:株式会社マネーフォワード(Wantedly)

株式会社マネーフォワードは求人情報ウェブサイト「Wantedly(ウォンテッドリー)」で採用オウンドメディアを立ち上げています。Wantedlyで採用オウンドメディアを立ち上げるメリットとしては下記が挙げられます。

  • フォーマットに沿って画像・文章を作成するだけ
  • Wantedly上で直接スカウトできる
  • 成果報酬がいらない

ウォンテッドリーは決められたフォーマットに沿ってテキストや画像を入力するだけで採用ページが作れるので誰でも操作が簡単です。そして、350万人以上のユーザーが登録しているWantedly上で直接メールを送ってスカウトできるのも特徴。採用が決まっても成果報酬が発生しないので、採用コストを抑えられます。

採用オウンドメディアのプラットフォーム

事例からわかる採用オウンドメディアのポイント

  • 最初に目的を明確にする
  • 採用候補者が常に採用ページに飛べるようにする
  • 採用ブランディングも意識する
  • 個人のSNSでもシェアして全社で取り組む

最後に、紹介した採用オウンドメディアの事例から見えてきたポイントをまとめました。全企業に当てはまるわけではありません。良いと思ったものを真似してみてください。

最初に目的を明確にする

UB journal(株式会社ユーザーベース)

画像引用:UB journal(株式会社ユーザーベース)

採用オウンドメディアの目的は様々です。企業の認知を増やすのか、興味関心を醸成するのか、採用オウンドメディアから応募に繋げるのか。まずは、目的を明確に言語化しましょう。オウンドメディアから直接応募が来なくても、間接的に貢献する場合もあります。

例えば株式会社サイバーエージェントの『CyberAgent Way』は企業の理解促進に注力しており、オウンドメディアの役割が明確になった好例です。同様の採用オウンドメディアとして「NewsPicks」を運営する株式会社ユーザーベースも『UB journal』を運営しています。

採用候補者が常に採用ページに飛べるようにする

LINEヤフー株式会社の『linotice』では、記事を読むために下にスクロールしても常に採用ページに遷移するリンクが右端に設置されていました。記事を読んで同社への応募に興味を持った候補者が採用情報を探さなくていいように配慮されており、途中で興味を持った候補者が応募に向かえるようにしています。採用オウンドメディアにおいて重要な観点です。

採用ブランディングも意識する

採用ブランディング

採用オウンドメディアは、採用ブランディングにも大きく関わってきます。採用ブランディングとは自社のファンになってもらうこと。単に認知を獲得したり応募数を増やしたりするだけでなく、入社前からすでにファンになってもらい、自社にマッチする人材を採用し、早期退職を減らす効果があります。

紹介した採用オウンドメディアでは企業理念を反映した名前やロゴに統一する「NYLE ARROWS」の例や、プロ野球球団を運営する株式会社ディー・エヌ・エーの『フルスイング』などが好例です。ベイジの日報も採用ブランディングに貢献しています。

個人のSNSでもシェアして全社で取り組む

どの企業にも推奨したいことですが、オウンドメディアは個人のSNSでもシェアして全社で取り組みましょう。記事を公開したからといって必ずしも読まれるとは限りません。記事の存在を知られなければ投資が水の泡。

株式会社メルカリでは、著名な取締役や経営陣、そのほかの社員も記事をSNSでシェアして協力していました。株式会社ベイジも社員がSNSに取り組んでいます。社員が協力することで大きな元気玉となります。

採用オウンドメディア事例まとめ

最後までご覧いただき、ありがとうございます。採用オウンドメディアの参考事例を紹介しました。採用オウンドメディアを作るときにはいくつかのポイントがあります。

  • 自社をさらけ出す
  • 承認欲求を与える
  • 感情報酬を持たせる

採用オウンドメディアの作り方は下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

採用オウンドメディアについて相談したい、もしくは運用を支援してほしい方はhypexにお問い合わせください。自社に最適なオウンドメディアの提案をいたします。貴社の採用課題や目標などをオンラインでヒアリングし、最適なアドバイスをさせていただきます。相談料は一切かかりませんので、お気軽にお問い合わせください。

関連記事:オウンドメディアリクルーティングとは?注目される背景、メリットや成功事例