SNS採用とは?運用方法、メリット、成功事例、注意点を解説
2024.06.12
- 求人媒体へ出稿しても「いい人」の応募が少ない
- 仕事の魅力/会社の魅力をうまく発信できていない気がする
- なんとか企業の認知度を上げて応募につなげたい
上記の悩みを持つ企業で、採用にSNSを活用すべきか検討している方は多いでしょう。できれば本格的に取り組みたいものの、メリットが分からない、ノウハウがなく成功する自信がないなどが障害になる企業は多いです。本記事では採用担当者の方がSNS採用に取り組むべきか判断できるように、メリットや成功事例、取り組む場合の注意点を解説します。
※現在、SNS採用に取り組むべきか迷っている方は株式会社hypexにご相談ください。SNSから年間3000名以上の応募獲得しています。獲得したい人材や予算などをオンラインでヒアリングし、SNS採用に関するアドバイスをいたします。相談料などは一切かかりません。
SNS採用(ソーシャルリクルーティング)とは?
SNS採用(ソーシャルリクルーティング)とはTwitterやInstagramなどのSNSを活用して採用に活かす施策です。応募はもちろん、認知拡大、ブランディング、応募者とのコミュニケーション応募者とのコミュニケーション、スカウトなど活用方法は多岐にわたります。
SNS採用の活用方法
- 情報発信して応募者との接点を作る
- 応募者とのコミュニケーションをとる
- 顕在層の意向UPを追加
SNS採用の方法は主に3つです。まずは、企業の採用情報(社員紹介や事業の紹介、理念や応募条件など)を発信し、応募者の接点を作ることです。求人媒体や採用サイトなどに加え、SNSを活用することで、より多くの候補者と接点が作れます。また、すでに企業に興味を持っている候補者が会社の本音や社員のことを調べるのにSNSアカウントを見ます。詳しくは後ほど説明しますが、顕在層の意向アップにもSNSは活用できます。
そしてSNSの強みは、採用候補者とコミュニケーションが取れることです。返信やDMなどでメッセージのやり取りができるため、より密にコミュニケーションがはかれます。
SNS採用は主に2種類
一口にSNS採用といっても主に2種類に分かれ、アカウント運用と広告運用があります。上の写真は採用に特化した自社アカウントを作った株式会社サイバーエージェントの例。自社情報や採用に関する情報を投稿して応募を募る「SNS採用アカウント運用」です。一方、下記が同じ会社のSNS採用広告です。
Facebook・Twitter・Instagram・LINEなどのSNSに、求人を目的としたコンテンツを広告配信する方法です。大きな違いは下記です。
項目 | SNS採用アカウント | SNS採用広告 |
費用 | 無料で始められ、投稿も無料 | 広告出稿にお金がかかる |
効果が出るまでの期間 | 成果に時間がかかる | 即効性がある |
KPI | フォロワー/エンゲージメント | サイト流入数 |
本記事ではSNS採用=アカウント運用で解説します。広告料がかかっても即効性が欲しい方はSNS採用広告の出稿を検討してください。下記の記事で詳しくメリットや料金などを説明しています。
関連記事:SNS採用広告とは?効果や向いている企業、費用まで徹底解説!
SNS採用が注目される背景
- SNSやSNSユーザーの増加
- 採用にSNSを活用する新卒や転職者が多い
SNSやSNSユーザーの増加
スマートフォンのユーザー増加とともに、SNSユーザーの数や種類は年々増えています。膨大な数のユーザーにアプローチができ、SNSの種類も年々増え続けています。2023年にはInstagramと連携する新SNS「Threads(スレッズ)」がリリースされました。
今後、SNS採用としての活用が予想されます。音声SNS「clubhouse」など、SNSはどんどん増えていきます。そのため、採用候補者との接点を作るためにも、SNS採用は企業で注目されています。
採用にSNSを活用する新卒や転職者が多い
SNS採用が注目される理由の一つが、SNSを採用に活用する新卒や転職者が多いことです。当サイトhypexの調査では、求職者の85%以上がSNSで会社を検索し、98%がSNSで会社アカウントを見ています。採用候補者はX(Twitter)のアカウント名を見ると24年卒、25年卒などの就職活動アカウントを作って、企業の情報収集をしています。また、エンジニアなど転職希望の人はSNSで自らのポートフォリオを発信し、積極的にスカウトを待っています。このように、SNSと採用活動は親和性が良いと言えます。
※ここまで読んで、SNS採用に取り組むアドバイスが欲しい、もしくはSNS採用を代行して欲しい方はhypexにご相談ください。予算や目的などをオンラインでヒアリングし、最適なアドバイスをさせていただきます。相談料などは一切かかりませんので、お気軽に問い合わせください。
SNS採用に取り組むべき企業
- SNS利用の多い層を採用したい企業
- 既存チャネルでの採用が難しく、新規チャネルへの取り組みに必要がある企業
- 顕在層(媒体に登録している人)からの認知のみでは、競合に勝てない企業
- 準顕在層(6ヶ月以内に転職をするような人)への採用広報を行いたい企業
- 潜在層(1年以内に転職をするような人)を対象に会社のファンづくりをしたい企業
SNS採用のメリット、デメリットは次章で説明しますが、先にSNS採用を始めたほうがいい企業の特徴だけお伝えします。簡単にいうと、求人媒体で思わしい結果が出ていない企業です。採用の予算が確保できない中小企業にもおすすめす。
SNSアカウントは無料で始められるため、基本的に費用がかかりません。無料で認知度がアップできる採用ツールはSNS以外にありません。広告のように、最初から費用が発生する施策が難しい企業におすすめです。また、広告の場合出稿を終了すると効果はゼロになりますが、SNS運用では一度増えたフォロワー数などは減りづらいため、資産になります。ただし、1日2時間ほどSNS採用(投稿や分析)の人件費はかかります。
そして、SNSは拡散性が期待できるため、まだ認知度が低い企業にもおすすめ。また、現在取り組んでいる採用広報の施策で望む人材が応募していない場合は、貴社とのマッチ度が良くないかもしれません。より貴社の情報を知ってもらう場所づくりのSNS採用に取り組んでみるのも一手です。
また、採用候補者にアンケートを取ったところ、79%が「会社のSNSアカウントを見たい」と回答しています。理由としては下記が挙げられます。
- 内の設備やどんな人が働いているのかなどの雰囲気はわかる
- オープンな企業の方が、ブラックの危険性が少なく感じる
- 会社内部の人間関係、仕事内容を見ることで会社選びの判断材料になる
このように、会社の信用性アップの意味でもSNS採用は有効です。特に認知を獲得できていない中小企業にとっては重要な採用ツールとなります。
SNS採用のメリット
ここからSNS採用に取り組むべきか検討している方に向け、5つのメリットを詳しく説明します。
- ユーザー数が多く潜在層にもアプローチできる
- 求人媒体で勝負する前に獲得できる
- ブランディングの効果も期待できる
- DMから人材を獲得できる
- 採用サイトと連携できる
当サイトhypexのInstagramはフォロワー70人ですが、年間200名の応募が来ます。応募者は東大、京大、国公立、早慶上智などが40%。採用単価は10万円を下回っています。バズらず、エンタメでもなく、きちんと設計して届ければ、小さな会社でも採用はできます。
ユーザー数が多く潜在層にもアプローチできる
SNS採用のメリットはユーザー数の多さです。日本でのSNS利用者の数は9,000万人を超え、その市場を利用することで多くの層に届けられます。仕事の募集目的でSNSをやっている人も少なくありません。そして、テレビや雑誌などのメディア離れが加速している中、採用広報のトレンドでもあります。TikTokなど10年前にはなかったSNSもどんどん増えてきているため、これからも施策の選択肢が広がっていくでしょう。
そして、求人媒体は基本的に就職・転職のモチベーションがある求職者(顕在層)が訪れる場所ですが、SNSは、まだ就職や転職の意志がない潜在層(未来の候補者)にリーチできる可能性が高いです。
また、採用サイトや動画は自社への理解を深め、望む人材とのマッチ度を上げるために作るもの。集客が必要なものであり、自社の認知を増やすことには向いていません。SNS採用も簡単に認知を獲得できるわけではありませんが、Twitterのリツイートを代表とする拡散性も高いことが特徴です。
求人媒体で勝負する前に獲得できる
採用担当者にとって多い悩みが、求人媒体に掲載しても、企業の知名度や給与などの条件比較で競合他社に負けてしまうことです。その点、SNSアカウントは競合他社と条件が並ぶわけではなく、企業の情報を発信できるため、興味を持ってもらいやすいです。就活生の行動パターンは下記のようなもの。
- SNSや求人媒体で企業を知る
- 発信された情報を見て興味関心が湧く
- 採用サイトや企業サイトで詳しい情報を調べる
上のように、まだ応募するかどうか決めていない潜在層にもアプローチできるため、そもそも採用市場に出る前の状態から獲得ができるのです。
ブランディングの効果も期待できる
SNS採用に取り組み、フォロワーを増やしてファンになってもらえればブランディング効果も期待できます。ブランディングは近年、採用広報で注目されている取り組み。簡単に言うと、企業のファンになってもらうことです。
企業のSNSアカウントのフォロワーへのアンケートでは、SNSでの発信によって「企業やブランドに愛着がわいた」「より身近に感じられるようになった」などの結果が出ています。SNSは、投稿内容による態度変容が大きいメディアです。
SNSで会社での日常や休日の趣味などを投稿することで、採用候補者が社内の雰囲気や社員の人柄などを知ることができます。実際、入社後に企業のSNSを見たか聞くと「社員同士の仲がいいと感じた」「自分も輪に入ってみたいと思った」などの声を聞きます。
採用ブランディングに注目が集まるようになった理由は、少子高齢化の波が押し寄せ、人材不足の企業が増えたこと。さらに、人材不足に加えて、副業解禁やフリーランスの仕事が増え、仕事ができる人は給与や職場環境などの条件だけで会社に入ってくれなくなっているからです。
また、単純に環境面の良さだけで入社すると早期退職につながる傾向があります。そのため、採用ブランディングによって中長期的に活躍する人材を獲得・育成しようする必要が出てきたのです。
関連記事:採用ブランディングとは?初心者が成功する方法、成功事例を解説
DMから人材を獲得できる
SNS採用では一緒に働きたい人材にDMにメッセージを送り、直接契約することで採用できることもメリットです。個人の趣味アカウント以外にビジネスアカウントを持つ人は増えており、現在はSNSのDM経由で採用につながったケースも珍しくありません。
新卒採用には不向きですが、転職願望のある方やフリーランス、副業目的でSNSアカウントを持っている方は少なくないので、ラブレターを送るような気持ちでアタックしてみるのも有効です。
採用サイトと連携できる
SNSアカウントを作ることで採用サイトと連携し、送客できることも大きなメリットです。採用媒体に掲載するには月額費用で数万円から数十万円かかります。しかし、SNSアカウントは無料です。しかも、他社比較されずに採用サイトへ遷移できるので採用候補者の興味を醸成させられます。
SNS採用のデメリット
SNS採用も良いことばかりではありません。未知の施策に投資するには、デメリットも理解した上でチャレンジすることが大切です。
- 即効性は期待できない
- 貢献度が数値化しにくい
- 応募につなげるには別コンテンツが必要
即効性は期待できない
SNS採用のデメリットは成果を出すのに時間がかかる、つまり即効性が期待できないことです。目安ですが、採用の成果を出すには半年から1年は我慢する覚悟が必要です。すでに知名度がある企業でない場合、初期の頃は投稿をしても無反応だと思っていてください。いいねやリツイート、シェアが無風であることはもちろん、フォローしてもらうにはさらにハードルが上がります。
また、どんな投稿が応募者に刺さるのか、手応えを掴むには、それなりの投稿数を練習して分析する必要があります。一朝一夕では成果が出ないのがSNS採用です。SNSアカウントは子どもがすぐに成長しないのと同じ。子育てと同じく、じっくり時間をかける必要があるのです。
貢献度が数値化しにくい
成果を出すのに時間がかかる上に、貢献度が数値化しにくいのがSNS採用のデメリットです。SNSで気になる企業があってもすぐに応募するとは限らず、公式サイトや評判などをネット検索する方が多いです。そうなると実際はSNSの功績は大きいのに、貢献度を正確に計測できません。
多くの企業はCPA(1件の成果を獲得するための広告費用)で判断しようとするため、CPAのよくないSNS採用は上司から理解されにくい施策。SNS採用の貢献度を測る方法としては、企業のUGC数(口コミ数)の母数が上がっているか、ブランド検索件数が上がっているかのデータをとって、SNSのやり方が合っているかを検証する方法がありますが、正確なデータを取るのは難しいでしょう。
やはりSNS採用に取り組むには企業側の理解が必要です。先ほど解説したメリットをしっかりプレゼンすることが大切です。
応募につなげるには別コンテンツが必要
画像引用:JEM株式会社 採用サイト
SNS採用の目標を応募に設定するのは厳しいです。SNSは基本的には時間が空いたときに見るもの。何かの記事のように入念に読み込むというより、スマートフォンをスクロールしながら、いろんな情報を流し見します。その中で気に入った投稿があると印象に残る感じ。ウインドウショッピングに近い媒体です。
つまり、ブランドの認知獲得、興味関心には向いていますが、応募につなげるにはもっと企業のことを理解してもらうコンテンツを用意したほうがいいのです。例えば、採用サイト、インタビュー記事、採用ピッチ資料など、企業を理解してもらうためのコンテンツです。
先ほど述べたように、SNSは基本的には隙間時間に見るもの。記事や資料レベルに情報量の多いコンテンツを投稿すると、見る側はうんざりします。SNSの投稿は記事や資料の見どころ、さわりの部分を紹介し、ナビゲーターとしての役割に徹するほうが賢明です。
関連記事:プロが解決!SNS広告を採用に使うべき?気になる疑問25に回答!
SNS採用の種類と成功事例
メリット | デメリット | |
拡散力がある | 文字数に制限がある | |
新卒採用に向いている | 拡散力に乏しい | |
LINE | ユーザー数が最も多い | 人数が多いと有料になる |
TikTok | スマホひとつで動画を作れる | エンタメ力が求められる |
YouTube | 企業理解が深まる | YouTubeの分析のノウハウが必要 |
続いては、SNS採用の種類と成功事例をプラットフォーム別に5つ紹介します。
X(Twitter)採用
- リツイートがある
- ハッシュタグがある
- DMが送れる
一般的にSNS採用といえばX(Twitter)を指すことが多いです。その特徴はなんといっても拡散力があり、認知拡大や成果につながりやすいこと。X(Twitter)はリツイートがあるので、良い投稿は拡散されやすいです。そしてハッシュタグがあるので、共通のテーマのツイートを共有できます。また、DMも送れるので特定の採用候補者に個別にアプローチができます。
ただし、投稿には140字という文字数制限があり、写真の大きさもInstagramやFacebookなどに比べて小さいです。Twitterだけで成果に繋げるというより、採用サイトや採用動画などの採用コンテンツを紹介して橋渡しをする活用方法が良いでしょう。一つのメディアというより、食べログなど第三者の口コミや拡散をを利用する「アーンドメディア」と考えるといいです。
Twitter採用の成功事例
画像引用:講談社 採用担当
Twitter採用の参考事例は、少年マガジンや週刊現代などの出版を手がける株式会社講談社。採用専門のTwitterアカウントを設けています。新卒採用や中途採用の応募情報の発信を中心に、インターシップやセミナーなど採用に関するイベントの宣伝をしています。
また、入社式の様子の動画をTwitter上で公開するなど講談社の社内や社風を知るコンテンツも発信し、採用広報者の理解を深めることにも貢献しています。TwitterはSNSの中でもオープンで拡散性があるので、アカウント運用に最も向いていると言えるでしょう。Twitter採用に特化した記事もありますので、一緒にご覧ください。
関連記事:X(Twitter)で採用はできる?向いている企業やメリット、事例を解説!
Instagram採用(Facebook採用)
- 新卒採用に向いている
- ブランディングの効果がある
Instagramも採用に利用されることの多いSNS採用です。特徴は20代の利用者が半分以上のSNSのため、新卒採用もしくは 第2新卒の採用に向いています。他のSNSと違い、文字数や画像の制限が少ないため、しっかり情報を届けられます。拡散性の高いTwitterが「アーンドメディア(第三者によって発信される)」としたら、InstagramやFacebookは、自社でしっかり情報を発信する「オウンドメディア」です。そのため自社のファンになってもらう「ブランディング」の効果も期待できます。
関連記事:オウンドメディアリクルーティングとは?注目される背景、メリットや成功事例を紹介!
関連記事:採用オウンドメディアの参考事例11選
関連記事:採用ブランディングとは?方法やメリット、成功事例、費用相場を解説
Instagram採用の事例
Instagram採用の参考事例は、クレジットカード事業を行う三井住友カード株式会社。新卒採用のアカウントを作っています。社員インタビューのコンテンツで社風や社員の素顔を投稿し、さらには内定者紹介や内定アドバイスを投稿しています。
就活全般や選考に役立つ情報を発信しているため、同社に興味がない人も訪れ、そこから興味・関心を醸成させ応募までつなげることもできることがポイント。Facebookも採用アカウントを設けている企業はありますが、拡散性がTwitterに比べると少なく、Instagramと違って個人間の友達同士でやり取りすることが多いので、広告出稿のほうが向いていると言えるでしょう。
関連記事:Instagram採用とは?向いている企業やメリット、事例を解説!
LINE採用
- ユーザー数がSNSで最も多い
- メッセージの開封率が高い
LINE採用とは、企業の公式アカウントを作り、友達登録してくれた採用候補者に、採用情報を送ったり、1対1でメッセージのやり取りをするSNS採用です。メッセージは、テキストや画像、動画、URLなどの情報をユーザーに送ることができます。特徴はSNSの中でも圧倒的なユーザー数を誇ること。2023年時点で9,300万人を超え、国民の70%以上が利用している計算になります。
友達登録してくれるので、ある程度は関心のあるユーザーであり、開封率は80%と言われ高い数値です。公式アカウントは無料で作れますが、メッセージ数が1,000を超えると料金がかかってきます。
LINE採用の成功事例
LINE採用の成功事例としては日本生命の新卒採用のLINE公式アカウントがあり、アカウント登録数(友達登録)の数は11,930人を超えています。LINE採用に関しては下記の記事で詳しく解説しています。
関連記事:LINEを活用した採用とは?企業が取り組むメリット、始め方を解説
TikTok採用
- スマホひとつで動画が作れる
- エンタメ性で企業に親しみを持ってもらえる
少しずつ企業の採用に活用され始めているSNSがTikTokです。スマートフォン一つでコンテンツを投稿できるので、始めるハードルが低いメリットがあります。
ただし、TikTokは面白い内容にするために、出演者が体を張る必要があることも多く、チャレンジできる企業は多くありません。徹底的にエンタメの方向性に振り切った内容でなければ、TikTok動画を作るメリットは薄いといえます。インタビュー動画や社内風景の動画をSNSで流しても、暇つぶし感覚でスマホを見ている若者から関心を持たれることはないからです。
逆に言えば、成功のハードルが高く、参入に懸念している企業が多いため、インパクトの強いTikTok動画を作成できれば、他社と差別化できる強力な武器になります。
TikTok採用の事例
TikTok採用の成功事例は大京警備保障株式会社のアカウント。なんとフォロワー数は驚異の280万フォロワーです。TikTokアカウント開設から1年で10万近いフォロワーを獲得し、大学生から「新卒採用はやっていますか?」と連絡が来たほど。動画の内容は業務とは一見関係のない投稿。自社の話をするのではなく、ハッシュタグのトレンドを見て、上位に入っているものを取り入れています。編集時間も短く、テロップ入れは10〜30分、動画撮影が15分以内。1日1投稿を継続して続け、採用に成功しました。
関連記事: TikTok採用とは?企業が取り組むメリット、事例、方法を解説
YouTube採用
- 企業理解が進む
- 潜在層にアプローチできる
YouTube採用は企業の採用チャンネルを解説し、動画を投稿していき採用につなげるSNS採用です。TikTokの動画より長い時間になるため、企業の理解が進みます。YouTubeの視聴者数は8,000万人を超えており、まだ就職・転職願望のない潜在層にもアプローチできます。
ただし、長い時間の動画になるためTikTokよりも見てもらうためのハードルが高くなり、途中離脱のリスクがあります。動画の途中で離脱されるとチャンネル登録につながりません。そのため、しっかり動画を分析し、改善する能力が問われます。
YouTube採用の事例
癒やしのラフィネch.
チャンネル登録者数:4.99万人
動画の本数:64本
YouTube採用の成功事例は、全国にリラクゼーションスペースを展開するラフィネグループの採用チャンネルです。
- 職場紹介
- 社員インタビュー
- セラピストの1日
- 採用CM動画
社内の仕事の紹介だけでなく、セラピストが教える膝痛の予防や代謝アップの方法など、健康に関するノウハウの動画を投稿し、役立つコンテンツを届けています。YouTube採用に関しては下記の記事を参照してください。
関連記事:YouTubeを使って採用を行うべき企業とは?チャンネル運営のメリットや注意点を解説!
関連記事:YouTube広告の採用が熱い!メリットや費用、事例を紹介
※どのSNS採用が自社に合うのか、もしくはSNS採用を代行してもらいたい方はhypexにご相談ください。予算や目的をオンラインでヒアリングし、最適な提案をさせていただきます。相談料などはかかりませんので、お気軽にお問い合わせください。
SNS採用の運用方法
- 課題と目的を明確にする
- 採用ターゲット(ペルソナ)を明確にする
- 配信媒体と担当者を決める
- 発信コンテンツの方針を決める
課題と目的を明確にする
最初にやることは「自社の課題」を言語化し、明確にすることです。
- 認知度が少ない
- 応募はあるが望む人材が来ない
- 採用コストがかかりすぎている
上記のように自社の課題によって方針が異なります。抱えている課題によっては、SNS採用より適切な施策があるかもしれません。
種類 | おすすめの企業 | メリット | デメリット |
SNS採用 | 企業の認知度を上げたい | 拡散性があり若年層と親和性が良い | SNSのノウハウが必要 |
SNS採用広告 | 採用コンテンツはあるが集客ができていない | 潜在層にもリーチでき他社比較もされにくい | 広告運用・マーケティングのノウハウが必要 |
採用サイト | 望む人材とのマッチ度を上げたい | 情報をしっかり届けられ望む人材が集まりやすい | 知名度がないと集客が難しい |
オウンドメディア(記事) | 潜在層にもアプローチしたい | 自社の魅力を伝えられミスマッチが減る | コンテンツを作り続けるリソースが必要 |
採用動画 | 入社後のミスマッチを減らしたい | リアルで自分ごと化しやすい | うまく活用しないとそもそも見てもらえない |
リファラル採用 | 望む人材とのマッチ度を上げたい | 採用コストが高い信頼性が高い | 社内の協力が必要情報が可視化しにくい |
SNS採用が向いているのは、認知度を上げたい企業です。SNS採用に即効性は期待できないため、すぐに成果を出さないといけない場合は、広告出稿が向いています。また、課題解決が「応募につなげること」「望む人材に応募してもらうこと」であれば、採用サイトや記事など自社を理解してもらうための別コンテンツが必要になります。
このように、自社の採用課題を明確にした上で、SNS採用に取り組むべきか判断し、運用する場合は「認知獲得」「企業理解」「応募獲得」などの目的を決めます。理想は応募に繋げることですが、必ずしも応募しなくても成功と言えます。SNSで企業のことを知り、採用サイトや企業サイトで詳しく知ってもらえれば間接応募を獲得したことになります。
関連記事:採用課題とは?一覧や解決方法を紹介
採用ターゲット(ペルソナ)を明確にする
採用課題と目的を明確にしたら、次にどんな人を採用したいのかを決めます。年齢や性別、生活スタイルによって、向いているSNSの種類が異なり、仕事に求めていることなどによって発信する投稿の内容も変わってきます。少なくとも下記の項目は明確にしてください。
ペルソナ設定の項目 | 実例 |
必要なスキル | 紙媒体かWebメディアで3年以上の経験がある |
職種 | 編集者 |
年齢 | 30代 |
趣味 | アウトドアが好き |
家族構成 | 独身 |
現在の年収 | 400万円 |
これまでの仕事 (学生時代の活動) | 接客業を経験している |
カルチャーフィットする性格 | 人に教えるのが好き |
今後の仕事のスタンス | 自分から新しいアイデアを提案する |
採用ペルソナの決め方については下記の記事をご覧ください。
関連記事:採用ペルソナとは?採用ターゲットとの違いや作り方を解説
配信媒体と担当者を決める
続いては、どのSNSを運用するのか媒体を決めます。採用担当者のリソースに限りがあるため、すべてのSNSを運用するのは難しいです。自社が求める人物像によって向いている媒体を見極める必要があります。例えばエンジニアであればLINEやInstagramなどよりX(Twitter)が向いています。テキストを中心としたSNSを見る傾向があるからです。
媒体が決まったら誰が運用するのか担当者を決めます。同時に、1日何時間を使うのか運用方法も考えます。SNS運用だけに特化した採用担当者はレアです。ほとんどが他の業務と兼業になるため、しっかり方針を決めないとリソースが圧迫されてしまいます。
発信コンテンツの方針を決める
最後に、どんな採用コンテンツを発信るのか方針を決めます。認知を獲得するためにエンタメ色が強いものにするのか、業務理解を進めるために動画コンテンツを作る、理念や想いを届けたいので社員のインタビューにするなど、採用コンテンツの方針を決めます。「とりあえず何でもやってみる」では、効果測定や改善ができません。最初に目的を決めて、その目標を達成できているのかを見ながら改善を重ねる必要があります。
SNS採用の方法と注意点
- とにかく発信・投稿を続ける(1日2時間)
- できるだけチーム戦でやる
- 投稿が伸びる方法・戦略を分析する
次にSNS採用に取り組む方に向けて注意点を解説します。SNS採用は新しい採用広報であり、まだ成功事例も少ない手法。明確なノウハウが存在しません。本記事では、SNSコンサルタントに取材した方法を公開します。
とにかく発信・投稿を続ける(1日2時間)
SNS採用に取り組むことが決まり、アカウントを作れば投稿していきます。アカウントは企業アカウントでも個人名でも構いません。プロフィールは後から変更できます。それよりも大事なことは発信を継続すること。
目安ですが、1日2時間はすること。最初はまず量です。成果が出始めてきたら、1日30分に減らしても良いでしょう。成果が出るまでは、少なくとも1日2時間はSNS採用に費やしましょう。
企業のSNS採用で失敗する最も多い原因は、発信をやめてしまうこと。たまに思い出したように採用情報の告知をしても、その時には誰からも見てもらえません。
今回、取材をしたSNSコンサルタントは必ず月1,000ツイートをさせます。データをとって検証、改善を行うためです。データを取るにはツイートするしかありません。
最初は勢いよく始めたものの、「いいねが少ない」「フォロワーが伸びない」「有益情報を発信しないといけない」「自社の社風に合わない発信ではないか」など、結果や体裁を気にしすぎててツイートの頻度を落としてしまう企業がほとんどです。
ぶっちゃけて言うと、企業の体裁・世界観なんて一般の方は気にしていません。誰もが知る超有名企業であれば好き勝手な発言はしにくいかもしれませんが、まだ知名度のない企業が気にするフェーズではありません。
極端な話「おはようございます」「こんなランチを食べました」でもいいのです。候補者は、「この企業のオフィスの近くには美味しそうなお店があるんだ。興味が湧いた」と思ってもらえるかもしれません。実際、筆者がWebライターとして就職した会社を選んだ理由は「コーヒーマシンがあり、無料で何杯も飲めるから」でした。何が候補者に刺さるかはわかりません。
とにかくツイートを継続しながら、反応などを見て改善を重ねることが大切。投稿のネタとしては以下のようなものがあります。
- オフィスの様子を写真とともに投稿する
- 社員同士で交わした会話を投稿する
- 会議で決まった方針を発信する
- 週末の飲み会の様子を投稿する
- 休日に社員同士で遊んだことを発信する
社内のネタがなければ、Twitterのトレンドを見て、絡めそうなものを発信するのも一手です。
このようにツイートするネタは無限にあります。社員の人柄を知る意味では、事業に関係ない趣味の話や家族のことなどプライベートな話でもいいのです。
採用候補者は意外なほど、企業のSNSを見ています。筆者の体験談で言うと、趣味である映画のツイートをしていましたが、入社後に採用者から「好きな映画が一緒で、入社したら話したいと思っていました」と言われたことがあります。また、毎週火曜日にオフィスのホワイトボードを磨いていることをツイートしたら、面接の際にホワイトボードを拭くクロスをプレゼントされたこともありました。
とにかく投稿しない限り、検証・改善はできません。発信を恐れず、ツイートをしながら改善していけばいいのです。ネタが無くなったら過去に投稿して反応が良かった内容をもう一度ツイートしてもいいのです。また、企業や製品・サービスについて良い口コミを投稿してくれた場合は、リツイートや御礼の返信をしましょう。繰り返しますが、成果が出るまでは少なくとも1日2時間ほどはSNS採用に費やしてください。
できるだけチーム戦でやる
SNS採用に即効性がないことは散々述べてきましたが、実際に始めると想像以上に無反応です。いくら覚悟していても心が折れそうになります。開始当初はビギナーズラックも起きてバズることがあるかもしれませんが、やがて反応が減ってくるケースがほとんど。せっかくTwitterを始めても6ヶ月以内に半分以上の企業が発信をやめるとも言われています。
途中で心折れないためにも、できるだけTwitterはチームでやりましょう。社員はもちろん、プライベートの友人などにもフォローやいいね、拡散をお願いしましょう。地道な営業活動が継続につながります。成果を出すのに中途半端なプライドは要りません。
たとえ社員であっても1人でも、いいねやコメントなどの反応があると気分が変わります。それに、採用候補者がツイートを見たとき、いいね数やリツイート数などが付いていると好印象です。
また、社員が個人アカウントを持っている場合は、社員同士でコメントしあうことで社員の仲の良さがアピールできます。SNS上で社員同士のコミュニケーションが多い企業は面接のとき「御社は仲がいいですよね」と言われることが多いです。
投稿が伸びる方法・戦略を分析する
まずは量をこなすことが大切ですが、闇雲にツイートを続けていても成果は上がりません。
Twitter アナリティクでツイートのデータを元に検証しましょう。
例えば上のツイートはプロフィールを見た人が700人を超えているにもかかわらず、フォロワーは増えていません。理由は企業の事業に関係ない、テレビドラマに関するツイートだったからです。このように、投稿をすることで発信を分析し、改善につなげられます。どう分析したらいいかは一朝一夕では身につかないので、試行錯誤しましょう。
発信だけじゃなく、他の投稿をチェックすることも大切。競合企業のツイートも参考にし、真似ることも必要です。SNSは地味&地道こそが近道。発信と分析を繰り返しながら、継続していきましょう。
SNS採用の運用におすすめの会社
株式会社hypex
最後に、採用SNSの運用代行におすすめの会社を紹介します。株式会社hypexは東京都渋谷区にある採用SNSの運用代行会社です。会社の代表は月間130万人が訪れるWebサイトを運営していた経験を活かし、採用マーケティングに強いことが特徴です。SNS運用代行では下記の内容を依頼できます。媒体選定などの戦略・設計からクリエイティブ作成、効果分析など一気通貫で支援します。
SNS採用の運用によって3ヶ月で新卒を6名採用した実績や2ヶ月で50応募を獲得した実績など実績豊富。SNSから年間3000名以上の応募を獲得しており、SNS採用に強みを持っています。
株式会社hypexの会社情報・費用・料金
所在地 | 東京都渋谷区渋谷3-26-16 第五叶ビル5F |
設立 | 2019年12月5日 |
資本金 | 7,500,000円(資本準備金含む) |
社員紹介ページ | https://hypex.jp/member |
制作実績ページ | https://hypex.jp/solution/sns |
費用・料金 | 初期費用30万円 コンサルティングのみ:10万円〜 SNS運用やクリエイティブ作成:29万円〜 SNS広告の運用も含む:49万円〜 |
問い合わせ | 問い合わせフォームより |
SNS採用まとめ
最後までご覧いただき、ありがとうござます。SNS採用について解説してきました。SNS採用(ソーシャルリクルーティング)とはTwitterやInstagram、LINE、TikTokなどのSNSを活用して採用に活かす施策です。応募はもちろん、認知拡大、ブランディング、応募者とのコミュニケーション応募者とのコミュニケーション、スカウトなど活用方法は多岐にわたります。
◎SNS採用のメリット
- ユーザー数が多く潜在層にもアプローチできる
- ブランディングの効果も期待できる
- DMから人材を獲得できる
◎SNS採用のデメリット
- 即効性は期待できない
- 貢献度が数値化しにくい
- 応募につなげるには別コンテンツが必要
改めて自社の課題や採用リソースを整理したうえで、SNS採用に取り組むか判断してください。SNS採用に取り組むか判断が難しい企業はhypexにご相談ください。相談料はかかりません。
【SNS広告採用】新しい採用の勝ちパターンの資料プレゼント
SNS広告を使った採用もご検討ください。下記についてポイントをまとめた資料をプレゼントしています。
- 採用SNS広告の種類と特徴
- 課金方式と費用相場について
- SNS広告費用の予算の決め方
- SNS広告配信のポイント
- 採用LP制作の流れ
- SNS広告採用による成果事例
【資料ダウンロード】SNS広告採用の新しい採用の勝ちパターン
成長企業における採用ブランディング・採用マーケティングを専門とし過去2年で50社以上を直接支援。前職では、月間150万利用者数を超える医療・美容のWebサービスの事業責任者、兼経営陣として組織の成長を牽引。成長組織におけるOKRを利用した評価制度の構築や外国人、ジェネレーション、女性、LGBTQ+などのダイバーシティ・マネジメントに尽力。