採用ペルソナとは?採用ターゲットとの違いや作り方を解説
2024.02.19
採用の成否に大きく関わるのが、採用ペルソナの設定です。この記事では下記の項目について解説します。
最後まで読めば、自社で適切な採用ペルソナを設定できるようになります。
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採用ペルソナとは?
採用ペルソナとは、「採用したい理想の人物像」です。どんな人に応募してもらうかの人物像を明確化することであり、例えば下記のように「挑戦心があり、環境に左右されず、思いやりのあるひと」などの人物像が採用ペルソナです。
画像引用:株式会社サンゲツ採用サイト
採用ターゲットとの違い
採用ペルソナと似た用語に「採用ターゲット」があります。採用ターゲットは年齢や必要なスキルなど採用するための「条件」のこと。例えば「エンジニア経験が5年以上ある都内在住の男性」など、条件を絞り込んで定めます。一方の採用ペルソナは、欲しい人物像を膨らませたもの。例えば「インドア派」などの生活スタイルも採用ペルソナであり、インドア派じゃないと採用しないわけではなく、理想の人物像はこんな生活スタイルだろうというイメージです。
採用ペルソナで決める項目・フォーマット
ペルソナ設定の項目 | 実例 |
必要なスキル | 紙媒体かWebメディアで3年以上の経験がある |
職種 | 編集者 |
年齢 | 30代 |
趣味 | アウトドアが好き |
家族構成 | 独身 |
現在の年収 | 400万円 |
これまでの仕事 (学生時代の活動) | 接客業を経験している |
カルチャーフィットする性格 | 人に教えるのが好き |
今後の仕事のスタンス | 自分から新しいアイデアを提案する |
上の表は採用ペルソナで決める項目の一例です。実際に採用ペルソナを設定するときもフォーマットにしてください。Webメディアの編集者の中途採用をする場合に設定した採用ペルソナです。これまでの仕事や今後のスタンス、性格など、採用ターゲット(採用条件)も採用ペルソナに含まれます。
採用ターゲット(条件)にプラスして「趣味」や「家族構成」まで決めるのは、より人物像を明確にするためです。実際に応募する候補者の趣味が違っても構いません。そこまで細かく決めなくていいと思うかもしれませんが、細かい採用ペルソナを設定することで、採用に関わる人の間で人物像がイメージしやすくなり、採用キャッチコピーや採用基準を決めるときに、絞りやすくなります。例えば「アウトドアが好き」という性格であれば、採用キャッチコピーに「挑戦」や「冒険」が刺さりそうなど、アイデアも浮かびます。
関連記事:採用キャッチコピーの事例25選!作り方も解説!
関連記事:採用基準とは?設定方法や決めるときのポイント、注意点を解説
採用ペルソナの効果の事例
画像出典:株式会社ベッセル
採用ペルソナによる効果があった事例を一つ紹介します。全国や海外にホテル・飲食店を展開する株式会社ベッセルは、採用ペルソナを変えたことで内定数が4倍になりました。
元々は地元の私立大学を中心に新卒採用を行っていましたが、職場が全国への派遣になるので「福山から出たくない」と内定辞退が多く発生していました。
そこで採用ペルソナを見直し、「地元の福山にも貢献したい気持ちもありつつ、グローバルに活躍したい学生」をターゲット変更し、採用キャッチコピーを「福山は、世界だ」に変更。その結果、首都圏や関西圏にいる学生からの応募が増え、採用広報前は内定者が6、7名だったところ、25〜28名と約4倍に増えました。
関連記事:採用広報で知っておきたい企業の成功事例15選!SNSの活用方法も紹介
※ここまで読んで採用ペルソナについて相談したい、採用支援を依頼したい方はhypexにご相談ください。貴社の採用課題や目標などをオンラインでヒアリングし、最適なアドバイスをさせていただきます。相談料は一切かかりませんので、お気軽にお問い合わせください。
採用ペルソナを設定するメリット
- 関係者間で共通した認識を持つ
- 本当に効果的なアイデアに絞る
- 応募や入社後のミスマッチを防ぐ
- 時間/コストを削減する
続いて採用ペルソナを設定するメリットを4つに分けて説明します。なんのために採用ペルソナを設定すべきかを把握していれば、作るときに役立ちます。4つも説明できるようにしましょう。
関係者間で共通した認識を持つ
採用ペルソナを設定する重要な理由は、採用に携わる関係者間で共通した認識を持つためです。採用ペルソナを決めたあとに採用コンテンツの制作や採用面接など様々な採用プロセスがありますが、採用したい人物像(採用ペルソナ)が曖昧であれば、各工程で揉めることになります。
採用ターゲットは最低限必要な条件のみ。条件を満たしている人にどんな訴求が刺さるのか、条件を満たしている人の中で誰を絞って選ぶのか決めるときに採用ペルソナが役立ちます。
関連記事:採用プロセス(採用フロー)とは?作り方や重要性、改善方法を解説
本当に効果的なアイデアに絞る
種類 | おすすめの企業 | メリット | デメリット |
採用サイト | 望む人材との マッチ度を上げたい | 情報をしっかり届けられ 望む人材が集まりやすい | 知名度がないと 集客が難しい |
オウンドメディア | 潜在層にも アプローチしたい | 自社の魅力を伝えられ ミスマッチが減る | リソースが必要 |
SNS採用 | 認知度を上げたい | 拡散性があり若年層と 親和性が良い | SNSのノウハウが必要 |
採用動画 | 入社後のミスマッチを 減らしたい | 自分ごと化しやすい | うまく活用しないと 見てもらえない |
リファラル採用 | 望む人材との マッチ度を上げたい | 信頼性が高い | 社内の協力が必要 |
採用LP | とにかく早く安く 採用ページを作りたい | 採用サイトに比べて 早く安く作れる | 集客には広告が 必要 |
採用ピッチ資料 | 業務や社風などが 伝わっていない | 情報量が多く 理解度が高い | ストリー性が必要 |
現在は採用手法が多様化しています。採用ターゲットを設定するだけではSNSを駆使するのか採用広告を使うのか、採用サイトを作るべきなのかなどが定りません。逆に採用ペルソナが明確であれば、この人物像ならSNSと相性が良さそうだ、いや採用動画を作ったほうがいいなど、本当に効果的なアイデアに絞ることができます。
採用手法だけでなく、採用キャッチコピーやデザインを決めるときも自然と最適解が絞れてきます。
応募や入社後のミスマッチを防ぐ
採用ペルソナを細かく設定することで、応募や入社後のミスマッチを防ぐことができます。採用ペルソナが曖昧であれば、経験や能力はクリアしていても他の社員やカルチャーに合わない人を採用してしまうかもしれません。せっかく入社してもスキルを発揮できず、早期退職にもつながってしまいます。
採用ペルソナでは「カルチャーフィットしそうな性格」も決めるので、応募や入社後のミスマッチを防ぐメリットがあります。
関連記事:カルチャーフィットとは?見極める方法や採用の準備を紹介
時間/コストを削減する
採用ペルソナが曖昧であれば採用基準も曖昧になり、選考者や面接官によって欲しい人物がバラバラになります。書類選考や採用面接、または採用コンテンツや採用キャッチコピーなどを話し合う際に無駄な時間の議論が生まれてしまいます。採用ペルソナを明確にすることで、共通認識が生まれるので採用にかかる時間や採用コストを削減できます。
関連記事:採用コスト(採用単価)とは?削減する方法や成功事例を解説
採用ペルソナの作り方・流れ
次に採用ペルソナの設定方法を5つのステップに分けて解説します。
経営者・現場社員にヒアリング
採用ペルソナの作り方の最初のステップは経営者・現場社員にヒアリングすることです。採用活動は全社で行うもの。採用担当者、経営者、現場の社員で欲しい人材が違うことがほとんど。入社してから揉めないように、求める人物像を擦り合わせます。
その際に最も重要なことは誰に決定権があるかです。基本的には経営者の意見が優先されますが、一緒に働くのは現場社員なので、場合によっては現場の声を優先するかもしれません。最終決定権が誰にあるかを最初に明確にした上で話し合いましょう。
採用目的を明確にする
採用ペルソナの作り方の2番目にすることは、なぜその人材が必要なのか採用目的を明確にすることです。採用担当者、経営者、現場の社員で欲しい人物像が出たら、その理由を言語化しましょう。例えば「環境に左右されない人」が欲しいのであれば、なぜ環境に左右されないことが重要なのかを言語化します。言語化することで、不要な人物像を排除し、逆に本当に必要なスキルや性格が見えてくるかもしれません。
イメージする人物像を書き出す
採用ペルソナ設定の3つ目は、イメージする人物像を書き出すことです。最初に紹介したフォーマットをもとに、9つの項目を決めると良いです。
- 必要なスキル
- 職種
- 年齢
- 趣味
- 家族構成
- 現在の年収(中途採用の場合)
- これまでの仕事(学生時代の経験)
- カルチャーフィットする性格
- 今後の仕事のスタンス
その際、各々が厳選した条件を出すのではなく、ざっくばらんに意見を出し合い、その中から絞るようにするスタイルがおすすめ。下記のようなクリップボードを使って、できるだけ多くの意見を出します。
色んなパターンを出したほうが最適なものが見つかりやすく、チーム内での認識のズレもなくなります。
設計したペルソナを現場のイメージとすり合わせる
採用担当者で採用ペルソナを決めたら、経営陣や現場に確認してもらってください。
- 経営陣や現場に確認
- 現場と経営陣の両方の必要条件を満たしているか
- 違う場合は優先順位をつけてペルソナを固める
優先順位が高いものとしては、現場と経営陣の両方が求める人物像、次に最終決定権がある人が求める人物像の順番です。上記の順番で採用ペルソナを決定しましょう。
ペルソナを見直し修正する
現場の社員、経営陣の声を反映してもう一度、ペルソナを見直して修正しましょう。現場の意見や経営陣と何度も壁打ちを重ね、納得するまで最適な採用ペルソナに修正していきます。
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採用ペルソナを設定する際のポイント
- 思い込みや先入観を反映しない
- 必要な情報に絞る
- 全員がイメージしやすいようにする
- 定期的にブラッシュアップする
最後に採用ペルソナを設定する際に失敗しやすい注意点やコツを4つ紹介します。
思い込みや先入観を反映しない
現場や経営陣が忙しい、時間がないからと言って採用部署だけで採用ペルソナを決めてしまうのは危険です。第三者の意見や調査データなしで採用担当者の主観だけで決めてしまうと失敗が起きやすいです。できれば競合他社がどんな採用ペルソナを設けているかなども調査しましょう。
必要な情報に絞る
採用ペルソナは必要な情報に絞ることも重要です。食べ物の好き嫌いは何か、好きな映画や音楽は何か?など、あまり細かく人物像を設定してしまうと、逆に理想の人物像がボヤけます。採用ペルソナは自社が求めている人やフィットする性格などを決めるためのヒント。必要な情報に絞ることで無駄な時間のロスも減らせます。
全員がイメージしやすいようにする
採用ペルソナは全員がイメージできるようにすることが大事。表や図解などで可視化することはもちろん、曖昧な言葉は具体的にしましょう。例えば「考えが柔軟な人」が欲しいとしても、「考えが柔軟かどうか」は人によって判断基準が異なります。「柔軟な人はどんな考えをする人なのか」を踏み込んで具体的に話し合いましょう。
定期的にブラッシュアップする
採用ペルソナは一度決めたものに固辞するのではなく、定期的に見直してブラッシュアップしましょう。応募数や選考通過率などのデータも分析し、現場社員にヒアリングしながら採用ペルソナを再設計してください。
採用ペルソナの作り方まとめ
最後までご覧いただき、ありがとうございます。採用ペルソナで決める項目や作り方を解説しました。下記の流れで行ってください。
- 経営者・現場社員にヒアリング
- 採用目的を明確にする
- イメージする人物像を書き出す
- 設計したペルソナを現場のイメージとすり合わせる
- ペルソナを見直し修正する
自社で作るときは下記のフォーマットを参考にしてください。
ペルソナ設定の項目 | 実例 |
必要なスキル | 紙媒体かWebメディアで3年以上の経験がある |
職種 | 編集者 |
年齢 | 30代 |
趣味 | アウトドアが好き |
家族構成 | 独身 |
現在の年収 | 400万円 |
これまでの仕事 (学生時代の活動) | 接客業を経験している |
カルチャーフィットする性格 | 人に教えるのが好き |
今後の仕事のスタンス | 自分から新しいアイデアを提案する |
採用ペルソナは採用の成否を大きく左右します。難易度が高そうと感じて採用ペルソナについて相談したい、採用支援を依頼したい方はhypexにご相談ください。貴社の採用課題や目標などをオンラインでヒアリングし、最適なアドバイスをさせていただきます。相談料は一切かかりませんので、お気軽にお問い合わせください。
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成長企業における採用ブランディング・採用マーケティングを専門とし過去2年で50社以上を直接支援。前職では、月間150万利用者数を超える医療・美容のWebサービスの事業責任者、兼経営陣として組織の成長を牽引。成長組織におけるOKRを利用した評価制度の構築や外国人、ジェネレーション、女性、LGBTQ+などのダイバーシティ・マネジメントに尽力。