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採用プロセス(採用フロー)とは?作り方や重要性、改善方法を解説

2024.01.28

採用プロセス(採用フロー)とは?作り方や重要性、改善方法を解説

採用において「応募人数は年々減少」、「内定辞退人数の増加」と厳しい採用状況が続いています。その困難を打開するために重要になるのが採用プロセス(採用フロー)の見直しです。応募数を増やし、求める人材を採用し、採用の効率を上げる」ために欠かせないのが「採用プロセス」の最適化、見直しです。この記事では下記について解説します。

最後まで読めば、自社に適切な採用プロセスが作れ、現在の採用プロセスの見直しができます。

※採用プロセス(採用フロー)について採用のプロに相談したい、採用プロセスの見直しを手伝って欲しい方は採用支援のhypexにご相談ください。貴社の採用状況や採用課題をオンラインでヒアリングし、最適な提案をさせていただきます。相談料は一切かかりません。

採用プロセス(採用フロー)とは?

採用ファネル

採用プロセス(採用フロー)とは「採用計画を立てることから入社までの採用過程のこと」です。採用プロセス(採用フロー)の各工程を見直し、改善していくことで、応募数や内定承諾率などを上げ、自社が求める人材が獲得しやすくなります。採用プロセス(採用フロー)を大まかに分解すると下記の7つの工程に分かれます。

  1. 採用計画を立てる
  2. ターゲットを決める
  3. 採用戦略を決める
  4. 母集団形成をする
  5. 書類選考
  6. 採用面接
  7. 内定・内定承諾

「人を集める」「人を選ぶ」「人に入ってもらう」の3つの工程が採用プロセス(採用フロー)です。『就職白書2023』によると、2023年卒の採用プロセスの実施率のデータは下記です。

『就職白書2023』による2023年卒の採用プロセスの実施率のデータ

画像引用:就職白書2023

昨年に比べて「合同企業説明会・セミナー(対面)」「面接(対面)」は増加、 一方でWebの面接は減少でした。

採用フローとの違い

採用プロセスと似た言葉に「採用フロー」があります。採用フローは採用計画から内定出しを行うまでの流れなので基本的に「採用プロセス」と同じです。「採用フロー」の言葉を使う企業や採用支援サービスもあります。

新卒採用と中途採用の採用プロセス(採用フロー)の違い

新卒採用の採用プロセス(フロー)

採用プロセス(採用フロー)は新卒採用と中途採用では異なります。新卒採用は入社時期が春で、学生の応募スケジュールが決まっています。そのため、企業説明会を開くタイミングなど企業ごとの差がありません。また、新卒の場合は、「〇〇会社に就職する」など、まだ部署の配属も決まっていないことが多いため、職種によって採用プロセス(採用フロー)を変えることは少ないです。

中途採用の採用プロセス(フロー)

一方の中途採用は通年採用です。どこに求職者がいるのか探す必要があり(求人媒体やSNSなど)、職種によって採用プロセス(採用フロー)が大きく異なります。給料や将来性など何が刺さるかも各人によって異なり、新卒採用に比べて採用プロセス(採用フロー)を作る難易度は高いです。中途採用のノウハウがない方は、ぜひ一度hypexにご相談ください。

採用プロセス(採用フロー)の重要性

  • 望む人材に応募してもらえない
  • 採用効率が悪くなる
  • 競合他社に負けてしまう

次に採用プロセス(採用フロー)の重要性を3つ解説します。理解しておくと、適切な採用プロセス(採用フロー)が作りやすくなります。「採用業務」とひとまとめにしてしまいますが、実際は様々な業務の「集合体」。せっかく応募を集めても書類選考や面接で落ちればコストが余計にかかり、ましてや内定まで出したのに辞退されれば苦労が水の泡です。

望む人材に応募してもらえない

採用プロセス(採用フロー)を疎かにすると望む人材に応募してもらえません。採用ペルソナ(ターゲット設定)や採用戦略を見誤ると、仮に応募が増えたとしても望む人材に来てもらえなくなります。例えば、給与や職場環境の条件面を魅力的に見せれば応募数は増えるでしょう。しかし、自社に来て欲しい人からの応募とは限りません。逆に、書類選考や面接の手間が増えるなど、企業にとって逆効果になります。

採用効率が悪くなる

企業の採用課題

少子高齢化や採用手法、入社動機の多様化により、採用の難易度は年々増しています。単純に応募を増やす方法に振り切ってしまうと、書類選考の通過率や面談設定率、内定承諾率などが下がり、採用担当者のリソースや予算を圧迫してしまいます。1人当たり採用するのに必要な費用・採用単価も悪くなってしまいます。

採用計画から入社までの道のりは長いです。適切なルートを設けないと目指す目標に到達するのは難しくなってしまいます。採用コスト、採用単価については下記の記事も参考にしてください。

関連記事:採用コスト(採用単価)とは?削減する方法や成功事例を解説

競合他社に負けてしまう

当サイトhypexに頂く声として多いのが「競合企業に負けてしまう」という採用課題です。採用プロセス(採用フロー)におけるターゲット設定や採用戦略が明確でないと曖昧な募集になってしまい、応募者は給料や職場環境などの条件面で応募先を選んでしまいます。そうなると予算が豊富にある大企業が有利になり、せっかく自社に合う人材を獲得できなくなります。仮に応募が来て内定を出しても辞退されてしまいます。カルチャーや自社の魅力を伝え、条件面では敵わない競合企業に勝つ方法を模索することが重要です。

関連記事:採用課題とは?一覧や解決方法を紹介

採用に失敗する企業に多い特徴

採用に失敗している企業に多い特徴が、採用プロセスの一部がブラックボックス(不明確)であることです。例えば、応募の数や割合は分析しているのに、面接の通過率や内定承諾率は見ておらず、「採用数が少ない」と投げているケース。これを「母集団偏重」と言いますが、採用プロセスにおいては、一部の部分だけを見るのではなく、全体を通してどこにボトルネックがあるのかを分析・改善する必要があります。

※ここまで読んで自社の採用プロセス(採用フロー)について採用のプロに相談したい、採用プロセスの見直しを手伝って欲しい方は採用支援のhypexにご相談ください。貴社の採用状況や採用課題をオンラインでヒアリングし、最適な提案をさせていただきます。相談料は一切かかりません。

採用プロセス(採用フロー)の作り方

  1. 採用計画を立てる
  2. 採用ペルソナを決める
  3. 採用戦略を決める
  4. 母集団形成(実務)
  5. 応募選考
  6. 採用面接
  7. 内定承諾を得る

続いては採用プロセス(採用フロー)の作り方を7つの工程に分けて解説します。すでに採用を進めている方も見直してみてください。

採用計画を立てる

採用計画と採用戦略

採用プロセス(採用フロー)の最初は「採用計画を立てること」です。採用計画は定義が曖昧ですが、hyepxでは採用戦略と分けて「いつまでに、どの部署で、何人を採用するのか」を決めることと定義しています。一旦、採用の予算などは考えず、事業目標から逆算して「いつまでに、どの部署で、何人を採用すればいいのか」を明確にしてください。

このときのポイントは、現在不足している人員で考えるのではなく、少し先の未来に必要な人材で考えること。採用を進めるうちに事業も変わり、現在の課題とは変わってしまうかもしれないからです。また、採用チームだけで採用計画を決めてしまうと、経営陣や現場の人間が欲しているものと乖離が生まれる可能性があります。採用計画は会社全体で考えるようにしましょう。

関連記事:採用計画とは?立て方やポイントを解説

採用ペルソナを決める

採用計画が決まったら、次に採用ペルソナ(求める人物像)を明確にしましょう。中途採用であれば下記のような項目で考えます。

求める人物像の項目内容
ターゲット能力、経験が豊富な即戦力のエンジニア
職種土木、建築、電気、環境エンジニアの経験者
年齢シニア層(55〜70歳)
これまでの仕事仕事一筋でやってきたような人
今後の仕事のスタンスこれからの生活を含めた働き方に興味がある

人物像は職種や年齢、これまでの仕事ぶり、今後の仕事のスタンスなどを決めてください。さらに、どんなスキルを持っているか、カルチャー面で会社にフィットしそうな性格なども決めると良いです。上の表は、建設事業者向けの技術コンサルティングを行うエンジニア募集の場合のターゲットです。当社hypexがターゲットを整理したときは下記のようなクリップボードに意見を出し合いました。

採用コンセプト,ターゲット設定,ペルソナ設定

色んなパターンを出したほうが最適なものが見つかりやすく、チーム内での認識のズレもなくなります。

関連記事:採用ペルソナとは?採用ターゲットとの違いや作り方を解説
関連記事:カルチャーフィットとは?見極める方法や採用の準備を紹介

採用戦略を決める

採用戦略、採用コンサルティング

採用戦略とは「企業が欲しい人材を採用するために、会社や事業やメンバーなど何をどう伝えるかを決め、どの求人媒体を使うのか?どのSNSで採用コンテンツを作るのかなど、具体的な採用手法まで決めること」です。

採用戦略は自社の強み・魅力を洗い出すことも必要となり、自社に合う適切な採用手法を決めるのは難易度が高いです。詳しく解説した下記の記事もご覧ください。

関連記事:採用戦略とは?戦略の立て方、成功事例、フレームワークを紹介

母集団形成(実務)

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採用戦略まで決めたあと、いよいよ企業認知や応募者を増やすための「母集団形成」に入ります。求人広告掲載、人材紹介の活用、説明会実施など実務の採用プロセス(採用フロー)です。効果の出る求人広告の作成方法や作成ポイント、ターゲットに合わせたアピールポイントやキーワードの選定方法など採用マーケターとしての知見・ノウハウが必要となります。母集団形成では主に応募数や応募率の改善などが重要になってきます。

関連記事:採用マーケティングとは?メリットや戦略、成功事例を解説!

応募選考

書類選考,応募選考

応募者の中から面接に進む候補者などの選考をする採用プロセスです。採用が軌道に乗ってくると想像以上に数が多くなり大変な作業の一つ。書類選考の基準を決めることも重要でなので、意外とリソースを取られる作業です。どんな人材を募集するのか、採用するかの採用基準を明確にしておくことが重要です。

この採用プロセス(採用フロー)では書類選考通過率が一つのKPI(重要指標)になります。書類選考通過率が悪いということは、望む人材からの募集が来ていないということ。書類選考の時間がリソースを圧迫してしまうため改善する必要があります。

関連記事:採用基準とは?設定方法や決めるときのポイント、注意点を解説

採用面接

採用面接

応募選考を通過した候補者に対して採用面接を行います。採用基準を事前に決めたとしても、合否の判定は採用担当者によって異なります。採用の「あるある」が、実際の面接で候補者が言っていたことと、面接官から報告を受けた内容が食い違っていること。伝言ゲームのようになるからです。

採用面接の採用プロセス(採用フロー)で重要なKPIが「面接設定率」と「面接通過率」。この2つが悪ければ、せっかく書類選考を通過しても意味がありません。改善方法については次章で説明します。

関連記事:採用面接の質問事例やNG行動、成功チェックリストを紹介

内定承諾を得る

内定承諾,採用内定

採用プロセス(採用フロー)の最後が内定者への連絡、入社までの流れや手続きなどの内定フォローです。ここで重要なのが内定承諾率。せっかく多くのステップを経て内定が決まったのに内定辞退が発生すると苦労が水の泡。いかに内定承諾率を高めるかが重要になります。

※ここまで読んで自社の採用プロセス(採用フロー)について採用のプロに相談したい、採用プロセスの見直しを手伝って欲しい方は採用支援のhypexにご相談ください。貴社の採用状況や採用課題をオンラインでヒアリングし、最適な提案をさせていただきます。相談料は一切かかりません。

採用プロセス(採用フロー)の改善方法

  • 応募率(数)
  • 書類選考通過率
  • 面談設定率
  • 面談通過率
  • 内定承諾率

最後に、採用プロセス(採用フロー)における各工程の重要なKPIの改善方法を紹介します。

応募率

求人広告の書き方

応募数に目が行きがちですが、「応募率」も重要になります。応募率とは、応募数を求人媒体などの採用コンテンツを閲覧した人数で割った数字。閲覧数が100で応募が5なら、応募率は5%になります。一般的には求人媒体の応募率の平均は0.5%程度。あくまで目安ですが、応募率が0.5%を下回る場合は改善が必要になります。

応募率の改善をするためには、求人原稿の見直しが必要です。募集要項や自社の魅力が伝わっていないため応募数が少ないと考えられます。採用コンテンツは閲覧してもらっているので、タイトルやアイキャッチ画像などは良いと言うこと。求人原稿が悪いと応募単価も膨らんでしますので、求人原稿を見直しましょう。

書類選考通過率

応募があっても書類選考通過率が悪いということは望む人材からの応募が来ていない証。つまり、自社が求める人物像が候補者に伝わっていないのです。

考え方としては2つ。「自社が求めていない人からの応募を減らす」「自社が求めている人物像をはっきりと打ち出す。この両方の面で考える必要があります。

どんな人と働きたいかを強調し、目立つようにしましょう。

関連記事:求人原稿リライトの費用相場は?事例や料金が変わる条件を解説

面接設定率

書類選考を通過した応募者に面接設定の連絡をしたのに返事がない、断られる、当日ドタキャンなどで面接設定率が悪くなっては意味がありません

面談設定率を上げるために意識することは、応募があったあとのレスポンスの速さ、回数、方法の種類などです。土日に応募があった場合でも可能なら当日、難しい場合でも月曜日の午前中に連絡をする、また連絡の回数も1回ではなく2回、3回と送る、メールだけで連絡するのではなくLINEやSNSのDMを使うなどです。

面接通過率

採用面接を行ったのに、ほとんどが不合格になり面接通過率が悪い場合も改善が必要です。もちろん採用基準が厳しく、本当に自社に必要な人材しか採用しないことは重要であり、面接通過率が悪い=採用が失敗、ではありません。

まずは、面接不合格の理由を探りましょう。面接を設定しているということは、応募(履歴書)では良い印象を持っている証。応募書類で見抜けない部分が実際に話をきくと出てしまっているのでしょう。どういった理由で不採用になっているのか原因を探り、企業が求める人に応募してもらうよう、採用コンテンツの中身を改善することが重要です。

関連記事:採用面接の質問事例やNG行動、成功チェックリストを紹介
関連記事:コンピテンシー面接とは?メリットや質問例を解説

内定承諾率

内定承諾率が低いと、これまでの採用プロセス(採用フロー)の苦労が水の泡。内定を出した採用候補者には何としても受諾してもらいたいです。

内定辞退は年収や休日の日数など条件で断られるケースが多いです。他社に条件で負けている可能性が高いと考えていいでしょう。言い換えると「入社する動機づけに失敗している」ということ。そうなると、条件面じゃない部分で選んでもらわなければいけません。成長性や仕事のやりがい、カルチャー面、社風の良さなど、自社の魅力が伝わるように採用コンテンツの改善をしましょう。内定を出すスピードを上げる、内定者に対して懇親会を開くなど、地道な営業努力も重要です。採用マーケティング会社の調査によると、内定辞退した採用候補者が企業に望む内定後のフォロー上位5つは下記です。

  1. 社員との交流:71.5%
  2. 他の内定者との交流:48%
  3. 人事担当者との面談:46.9%
  4. 社内や関連施設の見学:33.7%
  5. 電話やメールなどの定期連絡:23.4%

また、内定辞退者に理由を聞くと「面接のときの印象が良くなかった」という回答が多いです。面接官の態度や質問内容を見直すことも、内定承諾率を上げる鍵になります。

関連記事:面接代行とは?料金やおすすめの会社を紹介

※ここまで読んで自社の採用プロセス(採用フロー)について採用のプロに相談したい、採用プロセスの見直しを手伝って欲しい方は採用支援のhypexにご相談ください。貴社の採用状況や採用課題をオンラインでヒアリングし、最適な提案をさせていただきます。相談料は一切かかりません。

採用プロセス(採用フロー)まとめ

最後までご覧いただき、ありがとうございます。採用の成否を左右する採用プロセス(採用フロー)について駆け足で説明しました。ポイントを整理すると下記になります。

◎採用プロセス(採用フロー)の作り方

  • 採用計画を立てる
  • 採用ペルソナを決める
  • 採用戦略を決める
  • 母集団形成(実務)
  • 応募選考
  • 採用面接
  • 内定承諾をもらう

◎採用プロセス(採用フロー)の改善方法

  • 応募率
  • 書類選考通過率
  • 面談設定率
  • 面談通過率
  • 内定承諾率

本記事では全体像を説明しましたが、各工程で注意すべきポイントは沢山あります。紹介した関連記事を参考に、適切な採用プロセス(採用フロー)を設定してください。自社の採用プロセス(採用フロー)について相談したい方は採用支援のhypexにご相談ください。採用目標や採用課題などをオンラインでヒアリングし、最適な提案をさせていただきます。相談料は一切かかりません。