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採用戦略とは?戦略の立て方、成功事例、フレームワークを紹介

2024.01.20

採用戦略とは?戦略の立て方、成功事例、フレームワークを紹介

就職みらい研究所『就職白書2023』の調べでは、採用に対して「充足」している企業は4割程度。少子高齢化や採用の難易度が上がっていることで「採用戦略」の重要性が高まっています。この記事では採用戦略について下記の項目を解説します。

最後まで読めば、採用戦略の全容が理解できます。

※採用戦略についてプロに相談したい方は採用支援のhypexにご相談ください。貴社の採用状況や採用課題をオンラインでヒアリングし、最適な提案をさせていただきます。相談料は一切かかりません。

採用戦略とは

欲しい人材を獲得するための方向性

採用戦略とは

採用戦略とは「企業が欲しい人材を採用するために、会社や事業やメンバーなどをどう伝えるかを決めること」です。戦略は方向性、戦術は具体策。つまり、採用戦略は求人広告の最適化や採用プロセスの決定・改善、候補者の評価方法を変えるなどの方向性を決め、次に具体的にどうするかの採用戦術を考えます。以前までの「直感採用」が通用しなくなっている昨今では、綿密な採用戦略の重要性は増すばかり。

採用戦略と採用戦術を一緒にする場合も多く、具体的な採用方法まで考えることを「採用戦略」とする場合もあります。採用戦略は、採用目標を達成できるか占う軸となるため、非常に重要です。

関連記事:採用プロセスとは?作り方や重要性、改善方法を解説

採用計画との違い

採用戦略と採用計画との違い

採用戦略と似た言葉に「採用計画」があります。採用計画とは「いつまでに、どの部署で、何人を採用するのか」を決めること。例えば「今年までに営業部門で50人を採用する」などが採用計画です。その目標(採用計画)を達成するために、どのように採用すればいいのかを考えるのが「採用戦略」。まずは採用計画を決め、それを達成するための採用戦略を決める順番になります。

関連記事:採用計画とは?立て方やポイントを解説

採用戦略の失敗は「年間数千万円の損失」

採用戦略の重要性・メリットについては次章で詳しく分解して説明しますが、大前提として採用戦略の失敗は「年間数千万円の損失である」と覚えておいてください。

仮に採用目標が3人で無事に成功したとします。その3人が企業に合わず、成果を残せないまま1年後に辞めた場合、どうなるでしょうか。1人当たり採用するのにかかる費用(採用単価)の平均は80万円ほど。3人採用するために240万円かかり、3人の月給が30万円として年間で1080万円(30万円×12ヶ月×3人)もかかり、単純計算で1320万円の損失です。そのため、採用戦略が非常に重要となります。

関連記事採用コスト(採用単価)とは?削減する方法や成功事例を解説

採用戦略が重要な理由・メリット

  • 望む人材に出会える
  • 採用効率が良くなる
  • 競合他社に勝つため

続いて採用戦略が重要である理由、採用戦略を徹底するメリットを3つ紹介します。

望む人材に出会うため

予算が豊富にあり、求人媒体や人材紹介、採用広告などを打ちまくれば応募は増えます。しかし、企業側が望んでいる人材からの応募があるとは限りません。単に応募数を増やせばいいわけではないのが採用の難しいところ。

採用戦略を徹底する重要性・メリットは単に応募を増やす方法を考えることではなく、望む人材が応募してくれることにあります。自社に合う人が入社すると早期退職の確率も減るため、採用にとって大きなメリットがあります。

関連記事:採用広告とは?種類とメリット、費用や事例を解説

採用効率が良くなる

採用市場

採用市場の変化により採用の難易度が上がっているなか、自社に合う採用手法を選ばないと採用コストが膨らんでしまいます。逆に、採用戦略を徹底して適切な採用手法を選択し、望む人材からの応募が増えれば面接の回数や内定受諾率なども増えるため、採用の効率が良くなります。

一方で単純に応募を増やす方法に振り切ってしまうと、余計な面接の手間や応募対応の採用コストなどが増え、逆にリソースや予算を圧迫してしまいます。

関連記事採用ブランディングとは?方法やメリット、成功事例、費用相場を解説
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競合他社に勝つため

企業の採用課題

当サイトhypexに頂く声として多いのが「競合企業に負けてしまう」という採用課題。採用戦略が明確でないと曖昧な募集になってしまい、応募者は給料や職場環境などの条件面で応募先を選んでしまいます。採用戦略は組織のイメージや企業文化を反映するものです。しっかりと練り上げることで、カルチャーや自社の魅力を伝えられ、条件面では敵わない競合企業に勝つこともできます。

関連記事:採用課題とは?一覧や解決方法を紹介

※ここまで読んで、採用戦略についてプロに相談したい方は採用支援のhypexにご相談ください。貴社の採用状況や採用課題をオンラインでヒアリングし、最適な提案をさせていただきます。相談料は一切かかりません。

採用戦略の立て方5ステップ

  1. 採用課題を洗い出す
  2. 採用計画を立てる
  3. 採用ペルソナを決める
  4. 自社の強み・魅力を洗い出す
  5. 採用手法を決める

続いては、実際に採用戦略を決めるのにどうすれば良いのか?採用戦略の立て方を5つのステップで解説します。

採用課題を洗い出す

採用課題

最初にやることは、採用の現在の採用課題を洗い出すことです。これから初めて採用に取り組む企業は、採用の課題になりそうなことを挙げてみましょう。

  • 認知が足りていない
  • 企業の理念が伝わっていない
  • 応募数は足りているが望む人材が来ない

採用目標を達成するボトルネックになっている部分を洗い出し、それを解決するには何が必要かを考えます。まだ自社の採用課題がわからない場合は、採用のプロに支援を依頼するのも一手です。第三者でないと見えない自社の強みや弱みがあります。

関連記事採用支援とは?サービスの種類やメリットを解説

採用計画を立てる

採用戦略を立てるために、事業目標から逆算して「いつまでに、どの部署で、何人を採用するのか」の採用計画を決めてください。すでに採用計画がある企業も、一度見直しをしましょう。

採用計画を軸に採用広報は進行していくため非常に重要な工程です。採用担当者はもちろん、会社の経営陣、部署の現場で働いている人も集めた上で決めてください。

採用チームだけで採用計画を決めてしまうと、経営陣や現場の人間が欲しているものと乖離が生まれる可能性があります。

採用ペルソナを決める

採用コンセプト,ターゲット設定,ペルソナ設定

採用ペルソナ(人物像)は採用したい人物像のことです。年齢、性別、資格、これまでの仕事ぶり(中途採用の場合)、今後の仕事のスタンスなどを見える化したもの。カルチャー面で会社にフィットする性格も決めると良いです。

採用ペルソナは望む人材を採用するため、入社後のミスマッチをなくすために、採用戦略において最も重要な一つです。当社hypexが採用ペルソナを決めたときは上のようなクリップボードに意見を出し合いました。細かすぎるくらいでいいので、徹底的に話し合ってください。

関連記事:採用ペルソナとは?採用ターゲットとの違いや作り方を解説
関連記事:カルチャーフィットとは?見極める方法や採用の準備を紹介

自社の強み・魅力を洗い出す

自社の強み・魅力を洗い出す

採用ペルソナまで固まったら、今度は自社の強み・魅力を洗い出しましょう。当サイトhypexでは上記のようにGoogleスプレッドシートやExcelなどにまとめています。下記のように自社のポジションを整理しましょう。

(1)会社沿革

■どういう成り立ちでできたのか

■なぜそのビジョン・ミッションなのか

(2)経営陣、メンバー

■年齢や職種、社風など

(3)事業

■事業計画(KGI、KPIなど)

(4)働き方

■待遇

■職場環境

■給与や昇給、評価制度

続いて、自社の強み・魅力を洗い出します。

自社の強みを整理するポイント
  • 自己実現的価値(入社することで、どのような人物になれるか)
  • 社会的価値(社会にとってどのような価値がある企業・事業か)
  • 独自性(市場または候補者にとってのオンリーワンなポイント)

自社の強み・魅力は採用候補者へ何をどう伝えるべきかの採用戦略に直結します。もし、自社の強みを整理した結果、欲しい人材と乖離が生まれた場合でもターゲットは変えないでください。欲しい人材がブレると入社後の活躍が期待できなくなります。もう一度、自社の魅力の中でどの部分が最もターゲットに刺さりそうかを考え直しましょう。

採用手法を決める

採用戦略の最後のステップが、採用計画を達成するために必要な採用手法を考えることです。現在の採用手法は多様化しており、主なものを挙げると以下があります。

種類メリットデメリット
採用サイト情報をしっかり届けられ望む
人材が集まりやすい
知名度がないと集客が難しい
オウンドメディア(記事)自社の魅力を伝えられ
ミスマッチが減る
コンテンツを作り続けるリソースが必要
SNS採用拡散性があり若年層と親和性が良いSNSのノウハウが必要
採用動画リアルで自分ごと化しやすいうまく活用しないとそもそも見てもらえない
リファラル採用採用コストが高い信頼性が高い社内の協力が必要​​情報が可視化しにくい
採用LP採用サイトに比べて早く安く作れる集客には広告が必要
採用ピッチ資料情報量が多く理解度が高いストリー性を持たせる必要がある

どの採用手法から取り組むべきか、どの採用手法が自社に合うかを見極める必要があります。自社で判断が難しい方は採用支援のhypexにご相談ください。貴社の採用状況や採用課題をオンラインでヒアリングし、最適な提案をさせていただきます。相談料は一切かかりません。

採用戦略のためのフレームワーク

  • 4P
  • 3C分析

続いては採用戦略を立てるときに役立つフレームワークを2つ紹介します。フレームワークとは、何かの課題を解消するための意思決定に使う「型」「枠組」のことです。

4P

4P,企業の4P,採用の4P

採用戦略においては、候補者に企業の魅力を伝える必要があります。その際、役立つのが「企業の4P」です。

4P概要具体例
Philosophy理念・目的行動指針やミッション・ビジョン
Profession仕事・事業企業が提供しているサービス・価値や得られるスキル
People人材・風土一緒に働くメンバーや社内の雰囲気・文化
Privilege特権・待遇福利厚生や働く条件

「4P(自社の強みや魅力)」を伝えることで、採用候補者は「この企業で働いたときに期待に応えられるか」「この企業で自分は輝くことができるのか」を判断できます。

関連記事:企業の魅力を高める「4P」が求職者を惹きつける採用のカギ!

3C分析

3C分析

3C分析は、市場(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の3つの調査のことです。採用においては下記のようになります。

◎市場(Customer)

・候補者が応募するうえで重要視していること
・有効求人倍率・採用市場の候補者の数
・就職や転職を検討するタイミング

◎競合(Competitor)

・採用の競合となる企業
・競合が取り組んでいる採用方法
・競合企業の給与や職場環境などの条件面

◎自社(Company)

・自社の強みや弱み(課題)
・自社の知名度や採用状況
・給与や賞与、福利厚生などの職場環境

3C分析を行うことで、欲しい人材に向けて発信すること、競合との差別化がはかれます。

採用戦略に成功した事例

最後に採用戦略に成功した企業の事例を4つ紹介します。採用の成果、どんな採用手法を取り入れたのかなど紹介しますので、自社で採用戦略を立てる際の参考にしてください。

ナイル株式会社(オウンドメディア)

採用戦略の成功事例、ナイル株式会社(オウンドメディア)

画像出典:ナイルのかだん

最初に紹介する事例は、デジタルマーケティングを行うナイル株式会社です。同社は2018年に『ナイルのかだん』という採用のオウンドメディアを立ち上げました。

当初、ナイルの採用課題が「SEOコンサルティングだけの会社」と候補者から誤ったイメージを持たれていたこと。そこで、様々なバックグラウンドをもった社員、デジタルマーケティング全般の事業を紹介できるオウンドメディアリクルーティングを選択。

ナイルが育っていく過程を発信する場でありたいという意味から「ナイルのかだん(花壇)」としてリリースし、社員インタビューや会社のカルチャー、最近の取り組みなどを紹介しています。

結果、エージェントや転職媒体よりも自社サイト経由のほうが、内定承諾率が高くなり、採用数アップにつながりました。ナイルでは企業理解を深めるために、応募者の面接の前に「この記事を読んでください」と、「ナイルのかだん」を活用しています。

関連記事オウンドメディアリクルーティングとは?注目される背景、メリットや成功事例を紹介!
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株式会社グローバル・リンク・マネジメント(採用サイト)

採用戦略の成功事例,株式会社グローバル・リンク・マネジメント(採用サイト)

画像出典:株式会社グローバル・リンク・マネジメント

2つ目の成功事例は渋谷に本社を構える不動産企業「株式会社グローバル・リンク・マネジメント」

不動産投資はブラックなイメージがあり、説明会には応募者が来ない、無断キャンセルも多い現状で、同社も毎年5名採用するだけでも大変な苦労でした。

そこで、応募のターゲットを「経営に興味がある人」「成長意欲の高い人」に設定し、採用のキャッチフレーズを「人生は投資だ」に変更。さらに、会社の強みである、上司や先輩、経営陣などの「人」が魅力で、社内の雰囲気が良いことをアピールする方針に転換。

そのコンセプトをもとに採用サイトや採用パンフレットもコンセプトに連動したデザインにしました。結果、2016〜2018年までの3年間で内定者が急増し、2018年は内定者17名、内定承諾者13名と成果がアップ。5名の採用がやっとだった例年に比べ、3倍以上の実績を上げています。

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株式会社ベッセル(採用コンセプト)

採用戦略の成功事例,株式会社ベッセル(採用コンセプト)

3つ目の成功事例は広島県福山市に本社を構え、全国や海外にホテル・飲食店を展開する株式会社ベッセル。元々は地元の私立大学を中心に採用を行っていましたが、全国に事業を展開しているため「福山から出たくない」と内定辞退社が多いことが採用課題。

そこでターゲットを地元出身の全国の大学に変更。具体的には「地元の福山にも貢献したい気持ちもありつつ、グローバルに活躍したい学生」をターゲットに、採用スローガンを「福山は、世界だ」に設定しました。

結果、首都圏や関西圏に出ていった学生からの応募が増え、採用広報前は内定者が6、7名だったところ、25〜28名と約4倍に増えました。成功要因は自社の強みを整理し、コンセプトに沿った採用活動を行ったこと。2017年の入社式では、内定者が「福山は、世界だ」のスローガンを自ら発表するなど、コンセプトが根付いていたエピソードが残っています。

関連記事:採用コンセプトとは?事例や作り方を解説!

株式会社SUPER STUDIO(リファラル採用)

採用戦略の成功事例,株式会社SUPER STUDIO(リファラル採用)

画像出典:株式会社SUPER STUDIO

最後の事例は、ECサイトの基幹システム「ecforce」を開発・提供している株式会社SUPER STUDIO。

同社は会社のバリューに共感し、カルチャーマッチする人材を採用することが採用課題。その対策として、リファラル採用を積極的に取り入れています。

求人一覧をスプレッドシートで管理し、社員全員に共有。実際に社員紹介があった際には社内チャットツールのSlack上で紹介してくれた人を称賛します。インセンティブなしでも社員が「紹介してよかった」という流れを作っていることが特徴。現在は月に10名ほどのペースで採用をしていますが、従業員の約6割がリファラル経由で入社しています。

関連記事:リファラル採用とは?メリットや注意点、成功事例を解説!
関連記事:採用広報で知っておきたい企業の成功事例!SNSの活用方法も紹介

採用戦略まとめ

最後までご覧いただき、ありがとうございます。採用戦略について解説しました。要点をまとめると下記になります。

◎採用戦略が重要な理由・メリット

  • 望む人材に出会うため
  • 採用効率が良くなる
  • 競合他社に勝つため

◎採用戦略の立て方5ステップ

  1. 採用課題を洗い出す
  2. 採用計画を立てる
  3. 採用ペルソナを決める
  4. 自社の強み・魅力を洗い出す
  5. 採用手法を決める

採用戦略を決めたあとは、採用基準を決めるステップに進みます。採用は長い道のり。本記事を参考に、適切な採用戦略を練ってください。自社だけでは難しいので相談したい、採用を支援して欲しいと考えている方はhypexにご相談ください。オンラインでヒアリングし、最適なアドバイスをさせていただきます。相談料などは一切かかりません。