採用コスト(採用単価)とは?削減する方法や成功事例を解説
2024.01.05
企業が採用に取り組むにあたって常に費用対効果を気にします。その指標となるのが採用コスト(採用単価)です。本記事では採用コスト(採用単価)について下記の項目を説明します。
※採用コストについて相談したい方、採用コストを抑える方法を提案して欲しい方は採用支援のhypexにご相談ください。予算や目的などをオンラインでヒアリングし、最適な提案をさせていただきます。相談料は一切かかりません。
採用コスト(採用単価)とは
採用活動全体の費用
採用コストとは、企業の採用活動全体で発生した費用の総額です。採用担当者への人件費や採用媒体への掲載費、採用候補者との会食などの接待交際費など、あらゆる費用の合算です。採用コストは採用できた、できなかったに関わらず採用にかかった費用すべてが含まれます。
採用コストの計算方法
採用コストの算出方法は、内部コスト+外部コストの合算で出します。
内部コストは社内の人間に支払った金額のこと。
- 採用担当者の給与や交通費、出張の宿泊費など
- リファラル採用で獲得した場合のインセンティブ
- 面接者の交通費や食事代などの接待交際費
外部コストは社外に支払った金額のことです。
- 求人媒体の掲載費
- 人材紹介のエージェント代
- 採用関連のツールなどの使用料
- 説明会などの費用
例えば内部コストが300万円かかり、外部コストが200万円かかった場合は、300万+200万で採用コストは500万円です。
採用単価との違い
採用コスト | 採用単価 |
採用にかかった費用の総額 | 1人あたり採用するのにかかった費用の平均 |
内部コスト+外部コストの総計 | 採用コスト÷採用人数 |
採用単価とは1人あたり採用するのにかかった採用コストです。採用単価は採用コストの合計÷採用人数で計算します。例えば年間の採用コストが500万円で5人採用できた場合、採用単価は100万円になります。
500万円(採用コスト)÷5人=100万円(採用単価)
採用コストは採用できなかった費用も含まれますが、採用単価は採用に成功した人数で計算するので大きく異なります。
関連記事:採用人数の決め方を解説。従業員の規模別データや重要性も紹介
採用コストが増えている背景
採用コストが年々増えている背景としては、少子高齢化による応募者の減少、内定辞退数の増加など「学生優位の就職活動」の傾向になっていることが大きいです。また、採用手法の多様化(SNSの活用など)により採用担当者の業務時間が増加しており、人件費が膨らんでいることが挙げられます。また、人材不足や即戦力の必要性が高まることで良い人を採用するために給与は高くなるため、今後も採用コスト(単価)は膨らむと予想されます。
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採用コスト(採用単価)の平均相場
当サイトhypexは様々な企業の採用を支援しています。企業の採用コストは採用する職種によってかなり変わります。特に中途採用は未経験者を採用するか、熟練者を採用するのかなどによって変わるため、一概に採用コスト(採用単価)は〇〇円とは言えません。
日本の企業の採用コストを調べたデータとしては就職みらい研究所の『就職白書2020』がありますが2019年のデータなので古く、現在とは異なっています。また、採用コスト(総額)において大企業が1500万円以上かかっているのに対し、中小企業は500万円未満が多く、企業の規模によって差が大きいことが特徴です。
新卒採用の場合
『就職白書2020』によると、2019年度の新卒採用1人当たりの採用単価(平均採用コスト)が93万6,000円。2018年度の新卒採用単価が71万5,000円なので31%増加しています。ただし、新卒採用は部署の配属を決める前に採用することが多いので今後、上昇は少なくなると思われます。採用コスト(採用単価)が高くなっていくのは中途採用です。また、業種別の新卒の採用単価は下記です。
- 建設業:69.4万円
- 製造業:69.7万円
- 流通業:67.7万円
- 金融業:84.8万円
- サービス、情報業:78.1万円
中途採用の場合
2019年度の中途採用の採用単価は103万3000円となっており、新卒採用より10万円ほど高くなります。中途採用のほうが費用が大きくなる理由としては熟練者の採用など、最初から給与が高い場合が多いからです。アルバイト・パートの採用単価は5万円ほどです。
求人媒体の採用単価の相場
成果報酬型
- 新卒:50~100万円/人(採用)
- 中途:30~120万円/人(採用)
- アルバイト:0.6円~5万円/人(応募)、4~20万円/人(採用)
中途媒体
- type(掲載課金型:35~100万円/4週間)
- エン転職(掲載課金型:20~120万円/4週間)
- マイナビ転職(掲載課金型:20~120万円/4週間)
- 女の転職(掲載課金型:20~80万円/4週間)
- Wontedly(掲載課金型:5~20万円/月)
新卒媒体:(1シーズン区切り)
- マイナビ(掲載課金型:80万円~/1シーズン)
- キャリタス就活(掲載課金型:50~150万円/1シーズン)
- dodaキャンパス(定額制:60万〜、成果報酬:30万/人)
- ONE CAREER(掲載課金型:40~60万円/月)
- チアキャリア(掲載課金型(10掲載まで):36~108万円/年)
継続的にかかる費用
- 新卒:80〜300万円/1シーズン
- 中途:20〜100万円/月
- アルバイト:2〜40万円/月
ダイレクトリクルーティングの採用コスト
成功報酬型
新卒:一人当たり30~40万円
中途:採用決定者の年収の15%
定額型
新卒:年間60~150万円
中途:年間300~400万円
初期費用
新卒:30万程度
中途:10万程度
継続的にかかる費用
データベース利用料:月額5万円程度
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採用コスト(採用単価)を抑える方法7選
採用コスト(採用単価)において、多くの企業でネックになっているのは外部コストです。できるだけ自社で内製化することがポイントとして挙げられます。また、せっかく内定しても辞退者が出たり、入社後に早期退職が発生すると新たな補充が必要となり採用コストが膨らみます。外部コストの軽減、ミスマッチの防止の2つが鍵となります。
- SNS広告の採用を利用する
- 採用サイトからの応募を強化する
- リファラル採用を強化する
- ダイレクトリクルーティングを活用する
- 採用代行(RPO)を活用する
- 内定承諾率を上げる
- 面談実施率を上げる
SNS広告の採用を利用する
採用媒体の掲載費や人材紹介のエージェント費などは高額になり採用コストの予算を圧迫します。当サイトhypexが推奨している採用手法がSNS広告の活用です。X(Twitter)やInstagram、TikTok、LINEなどのSNSに有料で採用情報を出稿する方法。同じ有料ですが、求人媒体がすでに仕事を探していて条件で企業を比較するのに対し、SNS広告の採用はまだ転職願望のない人や、企業のことを知らない新卒の候補者に有効です。
・まだ企業の存在や事業内容を知ってもらえていない
・求人媒体を出しているけど他社と比較されて成果が薄い
このような企業におすすめです。詳しくは下記の記事をご覧ください。
関連記事:SNS採用広告とは?効果や向いている企業、費用まで徹底解説!
関連記事:プロが解決!SNS広告を採用に使うべき?気になる疑問25に回答!
採用サイトからの応募を強化する
画像引用:手島精管株式会社採用サイト
採用コスト(採用単価)を抑える方法としては採用サイトの強化も有効です。採用サイトは自社のことを理解してもらうための重要コンテンツ。求人媒体を経由した応募などは給与や職場環境などの条件面に惹かれる人が多いため、いざ入社してからミスマッチが起きやすいです。採用サイトを強化することで他社と差別化でき、応募率をアップできます。そして望む人材とのマッチ度を上げ、有効な応募も増えるため採用コスト(採用単価)を抑えることができます。
関連記事:採用サイトの効果とは?メリットや必要性、運用方法を解説
関連記事:採用サイトの作り方をプロが解説!作成手順、作り方のポイントも紹介
関連記事:採用サイトの新規制作の費用相場、見積もり事例、料金を抑えるコツを解説
関連記事:採用サイト制作におすすめの制作会社を厳選!選び方や作り方、費用も紹介
関連記事:採用サイトをリニューアルするポイント、タイミングや費用を解説
関連記事:かっこいい採用サイトの事例!デザインのトレンドも紹介
リファラル採用を強化する
リファラル採用とは社員が採用担当に知人や友人を紹介・推薦する採用手法です。紹介してくれた人が入社した場合に社員にインセンティブ(報酬)を支払うケースがほとんど。会社によってインセンティブの金額は異なりますが、20万円だとしても採用単価の相場からは安くなり、採用コストを抑えるのに有効です。
また、リファラル採用は企業に属している社員が推薦する人材を獲得できるため、求人媒体など新規の応募と違って早期の戦力化や企業とのマッチ度が期待できます。早期退職を防ぐ意味でも有効な採用施策です。
関連記事:リファラル採用とは?メリットや注意点、成功事例を解説!
ダイレクトリクルーティングを活用する
ダイレクトリクルーティングは応募を待つのではなく、企業側が直接求職者へアプローチをする採用手法です。一般的には、求人媒体や人材紹介に登録している求職者に対して「スカウトメール」を送ることを指します。メールのやり取りをする人件費、人材データベースの利用料や成功報酬費が発生しますが、自社からアプローチをかけられるため、望む人材とのマッチ度を上げられ、余計な選考や面接の時間を省けるので採用コスト(採用単価)を抑えられます。
関連記事:ダイレクトリクルーティングとは?メリットや費用、サービスを比較
採用代行(RPO)を活用する
外部コストは増えることになりますが、全体を通して採用コスト(採用単価)を抑える方法としては採用代行(RPO)を依頼する方法もあります。採用代行(RPO)とは、リソースが必要な問い合わせ対応や返信など「ノンコア業務」に当たる部分を代行してもらうこと。
採用のプロが作業を代行してくれるので、意思決定や作業スピードなど自社だけでやるより速い場合がほとんど。内定までのスピードが1/3に短縮されたという声もあります。外注費はかかりますが、採用につながるスピードも早く、トータルで考えた場合、採用コストを削減できるケースが多いです。
関連記事:採用代行(RPO)とは?人材紹介との違い、メリット、相場を解説
関連記事:採用代行(RPO)の費用相場は?作業内容や依頼するメリットも解説
関連記事:採用代行(RPO)サービス比較35選!選び方や料金も比較
内定承諾率を上げる
具体的な方法は企業によって異なりますが、余計な採用コスト(単価)が膨らむことを防ぐ上で意識すると良いのが「内定承諾率を上げる」「面談実施率を上げる」の2つです。採用活動の中で比較的、改善しやすい2つだからです。
内定承諾率を上げる方法としては、オファーレターを送る。内定者とのアプローチを増やす。接待交際を増やすなどです。
面談実施率を上げる
面談実施率を上げると良いのは、すでに応募まではしてくれている候補者なので改善しやすいです。面談実施率を上げる方法としては返信の速度を上げる、レスポンスを上げる。メールや電話、LINEを送る回数を増やすなどです。
※ここまで読んで自社の採用コストについて相談したい、採用コストを抑える方法を提案して欲しい方は採用支援のhypexにご相談ください。予算や目的などをオンラインでヒアリングし、最適な提案をさせていただきます。相談料は一切かかりません。
採用コスト(採用単価)削減を実現した企業の事例
株式会社ユーティル(採用サイト強化)
採用サイトを強化することで採用コストを1/10以下に削減できた事例です。企業のDX化を支援する株式会社ユーティルは採用サイトのコンテンツを強化。メンバーが企業のミッション・バリューををどう感じているのかといった候補者が「働きたい要件」を満たせるような臨場感のある記事コンテンツを制作しました。その結果、インサイドセールスの職種で公開後1週間で応募があり、入社が決定。採用コストも10分の1以下になりました。
インターン採用の強化も有効
上記の株式会社ユーティルは新卒採用は実施していませんが、その代わりにインターンから正社員採用をすることで採用コスト(採用単価)を削減しています。モチベーションの高いインターンと積極的にコミュニケーションをとり、在学中に即戦力まで上がったインターン生を採用することで大きな戦力となっています。
関連記事:インターン採用とは?やり方やメリット、効果を上げるポイントを解説
採用コスト(採用単価)まとめ
最後までご覧いただき、ありがとうございます。採用コスト(採用単価)は今後も増えることが予想され、いかに抑えるかが採用活動で重要になります。企業によって課題は異なりますが、以下の7つを意識してみてください。
- SNS広告の採用を利用する
- 採用サイトからの応募を強化する
- リファラル採用を強化する
- ダイレクトリクルーティングを活用する
- 採用代行(RPO)を活用する
- 内定承諾率を上げる
- 面談実施率を上げる
採用コスト(採用単価)を抑えるためにはどう取り組めば良いのかわからない方、取り組みたいがノウハウやリソースが不足している方は、採用支援のhypexにご相談ください。オンラインでヒアリングし、最適なアドバイスをさせていただきます。相談料などは一切かかりません。
成長企業における採用ブランディング・採用マーケティングを専門とし過去2年で50社以上を直接支援。前職では、月間150万利用者数を超える医療・美容のWebサービスの事業責任者、兼経営陣として組織の成長を牽引。成長組織におけるOKRを利用した評価制度の構築や外国人、ジェネレーション、女性、LGBTQ+などのダイバーシティ・マネジメントに尽力。