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リファラル採用とは?メリットや注意点、成功事例を解説!

2024.01.10

リファラル採用とは?メリットや注意点、成功事例を解説!

近年、企業で増えている採用手法が「リファラル採用」です。株式会社メルカリなど採用の6割がリファラル採用という企業も増えており、就職みらい研究所の『就職白書2023』によると、スカウト・オファー型の採用、インターンシップから正社員への採用に次いで3番目の増加率。リファラル採用が増えているのには様々な理由があります。この記事ではリファラル採用について以下の項目を解説します。

  1. リファラル採用とは
    1. 縁故採用との違い
    2. リファラル採用がおすすめの企業
  2. リファラル採用のメリット
    1. 望む人材とのマッチ度が上がる
    2. 採用コストを削減できる
    3. 企業の認知度に左右されない
    4. カルチャーで勝負できる
    5. 社員の離職を減らせる
  3. リファラル採用の注意点
    1. 報酬(インセンティブ)の扱い
    2. 大量採用は難しい
    3. 社員の協力が必要
  4. リファラル採用を成功させるポイント
    1. 採用基準を明確にする
    2. 会社情報の採用コンテンツを充実させる
  5. リファラル採用の成功事例
    1. 株式会社SUPER STUDIO
    2. LINE株式会社
    3. 富士通株式会社

    最後まで読めば、自社でリファラル採用を取り入れるべきか、リファラル採用を行う際に何を意識すれば良いかがわかります。

    ※リファラル採用について相談したい方は採用支援のhypexにご相談ください。貴社の採用状況や採用課題をオンラインでヒアリングし、最適な提案をさせていただきます。相談料は一切かかりません。

    リファラル採用とは

    リファラル採用とは

    リファラル採用とは自社の社員から採用担当に知人や友人を紹介・推薦してもらう採用手法です。リファラル(referral)は英語で「紹介、推薦」の意味。基本的には新卒ではなく中途採用を目的としています。採用コストの削減や人材の定着、早期戦力化などが期待できるため、取り入れる企業が年々増えてきている採用広報です。

    縁故採用との違い

    リファラル採用を「縁故採用」と混同する方もいますが大きく異なります。縁故採用は社員の親族などが能力に関係なく採用されること。リファラル採用は会社との接点を作る紹介のみで、あとは他の応募者と同じように採用試験や採用面接を行います。不合格になることも多々あるので縁故採用とは大きく異なります。

    関連記事:採用面接の質問事例やNG行動、成功チェックリストを紹介

    リファラル採用がおすすめの企業

    • 社員の人数が多い企業
    • 同部署で紹介できる企業
    • 社員の協力が得られそうな企業

    リファラル採用はメリットが多いうえに採用コストが0円、もしくは他の採用手法に比べて格段に採用コストを抑えられる手法です。理想を言えば全企業が取り組むべき採用手法です。ただし、他の業務との兼ね合いもあるので、リファラル採用がおすすめの企業を定義すると上の3つになります。

    まず言えることは、社員の人数が多い企業ほどリファラル採用は効果を発揮します。社員が数人であれば1人を紹介する影響力は小さいですが、100名規模の企業であれば雲泥の差が生まれます。

    また、同部署で紹介できる場合にリファラル採用はおすすめです。例えばマーケターが営業マンを紹介する場合もあり、それが奏功するケースは多々あります。ただし、いくら人間的に素晴らしく能力が優秀であっても会社とマッチするかは、その部署で働いている人でないと判断しにくいです。そのため、同部署の人間を推薦できる場合であればリファラル採用は効果が大きくなります。

    また、リファラル採用は既存の社員の紹介に依存する採用手法のため、社内の雰囲気が良くなく、協力してくれないようでは効果がありません。その場合は先にチームビルディングを優先しないといけません。すでに社員が採用チームに協力してくれそうな会社はリファラル採用がおすすめです。

    ※ここまで読んでリファラル採用について相談したい方は採用支援のhypexにご相談ください。貴社の採用状況や採用課題をオンラインでヒアリングし、最適な提案をさせていただきます。相談料は一切かかりません。

    リファラル採用のメリット

    リファラル採用のメリット

    次にリファラル採用のメリットについて詳しく解説していきます。主に挙げるだけでもリファラル採用のメリットは次の5つです。

    • 望む人材とのマッチ度が上がる
    • 採用コストを削減できる
    • 企業の認知度に左右されない
    • カルチャーで勝負できる
    • 社員の離職を減らせる

    望む人材とのマッチ度が上がる

    リファラル採用のメリット

    リファラル採用のメリットは、応募に比べて望む人材とのマッチ度が上がることです。自社の事業や業務を知っている社員が推薦する人なので、実力や相性が未知数な一般からの応募に比べて自社が望む人材が期待できます。採用に至る確率が高いことがリファラル採用のメリットです。

    採用サイトや採用動画などで説明する以上に、リアルに伝えることでミスマッチが減ります。例えば「ハイブリッド採用を導入しています」とアピールしても、その実態や社員への効果などはわかりにくいもの。その点、リファラル採用であれば「ハイブリッド採用でいい影響は出てる?」など旧知の仲だからこそ本音で話しあえ、ミスマッチが減ります。業務内容や実績などは外部からでも理解しやすいですが、特にカルチャー面においてはリファラル採用が最も理解が深まります。

    採用コストを削減できる

    求人媒体人材紹介リファラル採用ダイレクトリクルーティング
    企業とのマッチ度低いエージェント次第高い高い
    採用までの時間短い短い短い長い
    採用単価70万円前後給料の35%無料 or 20万円前後50万円〜
    採用人数多い多い少ない少ない

    リファラル採用の2つ目のメリットは、採用コストを削減できることです。リファラル採用の場合、社員からの紹介なので採用コストが基本的に0円です。紹介料の報酬(インセンティブ)をつけた場合でも20万〜30万円前後が相場。また、採用期間が短いため、人件費などの採用コストも減らせます。

    求人媒体や人材紹介などを使って採用した場合、1人あたりの採用単価は80万円を超えてくるので、リファラル採用の報酬を支払っても1/4程度で採用が可能です。1人当たりの採用単価がどれくらいかかるのかは下記の記事をご覧ください。リファラル採用以外にも採用コストを削減する方法を紹介しています。

    関連記事採用コスト(採用単価)とは?削減する方法や成功事例を解説

    企業の認知度に左右されない

    リファラル採用の3つ目のメリットは、企業の認知度に左右されないこと。採用で最初に苦労するのが自社を知ってもらうことです。求人媒体やSNSなどで発信しても、企業の名前や事業を知ってもらうのは至難。しかし、リファラル採用は社員からの紹介なので、広報の必要がありません。広告費もかかりまっせん。リファラル採用は認知度が高くない企業であるほどメリットの大きい採用手法です。

    カルチャーで勝負できる

    リファラル採用のメリット

    リファラル採用の4つ目のメリットは、カルチャーで勝負しやすいこと。求人媒体や人材紹介の場合、応募者が最も気にするのは給与や職場環境などの条件です。そうなると大手企業が有利になり、せっかく良い会社であっても負けてしまいます。しかし、リファラル採用は知人(社員)の紹介なので、「給料は最低いくら欲しい」など相談しやすいです。あらかじめ条件や会社の様子などが伝わった上で選考を行うため、条件面で競合と比較されることが少ない採用手法です。

    給与や職場環境の条件は負けていても、知人がいることで「〇〇さんがいるから入社する」と内定を承諾する後押しがあるのもリファラル採用の強みです。

    関連記事:カルチャーフィットとは?見極める方法や採用の準備を紹介

    社員の離職を減らせる

    リファラル採用の5つ目のメリットは、既存社員の離職を減らせることです。これはリファラル採用の副次的な効果になります。優秀な人材を紹介して採用されれば、紹介した側のモチベーションアップになります。報酬(インセンティブ)があるなら尚更です。また、誰かを紹介した手前、自分が辞めにくくなるので、結果的に既存社員の離職を防ぐ効果もあるのです。

    リファラル採用の注意点

    • 報酬(インセンティブ)の扱い
    • 大量採用は難しい
    • 社員の協力が必要

    メリットの多いリファラル採用にもデメリットや注意点があります。上の3つを把握した上で取り組みましょう。

    報酬(インセンティブ)の扱い

    リファラル採用を社内制度にする場合、報酬(インセンティブ)を設ける会社が多いです。紹介する側もモチベーションになるため有効ですが、キャッシュポイントを狙って「採用されそうな人だけを紹介する」ようになってしまうケースも少なくありません。ここの見極めが重要です。そのためインセンティブなしでリファラル採用に取り組む企業もあります。

    インセンティブを設けるべきか否かの判断としては、リファラル採用を「制度」にするなら有り、リファラル採用を企業の「文化」にするなら無しと区分できます。後ほど事例で紹介しますが、採用の60%以上がリファラル採用であり、「リファラル採用がウチの文化です」と言い切る企業であれば、インセンティブは無しのほうがいいでしょう。

    もしくは個人に報酬を支払うのではなく、リファラル採用で社員が入ってき部署には、歓迎会の費用を会社が負担するなどの工夫もあります。

    大量採用は難しい

    年間の採用計画が50人や100人などの場合、リファラル採用だけで達成するのは難しいです。一本足打法ではなく、他の採用手法と並行した上で取り組むことが大事です。大量採用には向いていないのがリファラル採用の注意点です。

    関連記事:採用計画とは?立て方やポイントを解説

    社員の協力が必要

    リファラル採用は社員の紹介に依存するため、既存社員のモチベーションが鍵になります。そもそも社員の働くモチベーションが低い会社や社風の悪い会社では、知人を紹介する気にならないでしょう。その場合は、リファラル採用の制度を設けるよりも、先に会社の雰囲気を改善する必要があります。リファラル制度を設けた場合に社員の協力が得られそうかの見極めが大事です。

    ※ここまで読んでリファラル採用について相談したい方は採用支援のhypexにご相談ください。貴社の採用状況や採用課題をオンラインでヒアリングし、最適な提案をさせていただきます。相談料は一切かかりません。

    リファラル採用を成功させるポイント

    リファラル採用は他の採用手法に比べればリスクの少ないことが特徴ですが、成功させるには重要なポイントがあります。

    採用基準を明確にする

    リファラル採用において重要なことは、採用基準を明確にして社内に浸透させることです。採用基準とは、書類選考や面接などで応募者の合否を判断する評価基準のこと。

    項目質問項目基準合否
    信頼できる人か納期が遅れたとき、どう対応しますか?言い訳をしないか
    愚直な人かあなたは自分を愚直だと思いますか?根拠が明確か×
    チャレンジできるかこれまでどんな挑戦をしてきましたか?困難に挑んでいるか

    上のように誰が見てもわかるように、どんな人材が欲しいのかを表や評価シートを作成して可視化したものであり、リファラル採用で紹介・推薦してもらう前に、その基準を満たしているかどうかを確認してもらってください。社内の人が採用基準を理解できていないと余計な選考の時間がかかるうえに、せっかく紹介した側も気分が悪くなり働くモチベーションが下がってしまいます。

    逆に採用基準が明確で、社員が理解したうえでリファラル採用に取り組むと採用の確率はグッと上がるため、採用に至る確率が大幅にアップします。

    会社情報の採用コンテンツを充実させる

    採用ピッチ資料

    リファラル採用を成功させるには、採用候補者が会社のことを理解してくれているかが重要です。既存社員の口コミに加えて事業や理念などの理解促進になる採用サイト、採用ピッチ資料、採用動画などが充実しているとリファラル採用の成功率がグッと上がります。

    関連記事:採用サイトの効果とは?メリットや必要性、運用方法を解説
    関連記事:採用動画の効果とは?注目される理由、メリット、トレンドを紹介
    関連記事:採用ピッチ資料とは?参考事例150選や資料の作り方を解説

    リファラル採用の成功事例

    最後にリファラル採用に成功した企業の事例を3つ紹介します。自社で取り組む際の参考にしてください。

    株式会社SUPER STUDIO

    EC基幹システム「ecforce」の開発・提供を手がける株式会社SUPER STUDIOは、月に10名ほどのペースで採用をしていますが、従業員の約6割がリファラル経由で入社しています。しかもインセンティブなしで実施しているため、ほとんど採用コストがかかっていません。

    まずは、求人一覧をスプレッドシートで管理し、社員全員に共有。実際に社員紹介があった際には社内チャットツールのSlack上でボットが知らせてくれるので、そのSlackチャネルで紹介してくれた人をめちゃくちゃ称賛します。社員が「紹介してよかった」という流れを作っています。さらに、役割と目標設定、そして評価の3つを明確にし、適切にすることで会社の雰囲気を良くし、インセンティブなしでも社員が人材を紹介したくなるよう工夫してます。株式会社SUPER STUDIOのリファラル採用に関しては下記の記事もご覧ください。

    関連記事【60%はリファラル採用経由】SUPER STUDIOはインセンティブに頼らない採用戦略

    LINE株式会社

    リファラル採用の成功事例

    画像出典:LINE株式会社

    LINE株式会社は2019年7月から全社でリファラル採用を強化しています。エントリーから入社までの割合が人材紹介経由のケースと比べて10倍以上という成果を上げました。

    成功要因は、累計500名以上の社員が参加したこと。社内で「採用にコミットしていく」と大々的に宣言し、採用部署だけでなく、全社を巻き込んで採用広報を行いました。

    毎週の定例会で募集中のポジションを発表して社内にアピールし、紹介した社員へのリファラル手当や、紹介で入社した社員に対して30万円の入社祝い金を支給する制度も導入。1カ月未満で社員からの紹介が3倍に増えたという実績を上げました。

    関連記事採用広報で知っておきたい企業の成功事例15選!SNSの活用方法も紹介

    富士通株式会社

    リファラル採用の成功事例

    画像出典:富士通株式会社

    富士通株式会社は、わざわざリファラル採用のページもあるほどの注力ぶり。富士通は選考プロセスに紹介者は関与しないことや、紹介対象に関する考え方についてガイドラインを設定するなど、ルール化を徹底し、紹介してくれた社員へのインセンティブも設けています。結果、他部署からの紹介が想像以上に多く、全社を巻き込んでの採用に成功しました。

    関連記事:採用広報とは?メリットや進め方、成功事例、7つの施策を解説!

    成功するためのリファラル採用まとめ

    最後までご覧いただき、ありがとうございます。リファラル採用におけるポイントを解説しました。要点を整理すると以下になります。

    ◎リファラル採用のメリット

    • 望む人材とのマッチ度が上がる
    • 採用コストを削減できる
    • 企業の認知度に左右されない
    • カルチャーで勝負できる
    • 社員の離職を減らせる

    ◎リファラル採用の注意点(デメリット)

    • 報酬(インセンティブ)のデメリット
    • 大量採用は難しい
    • 社員の協力が必要

    ◎リファラル採用を成功するためのポイント

    • 採用基準を明確にし、社内に浸透させる
    • 会社情報の採用コンテンツを充実させる

    以上のポイントを意識し、リファラル採用に取り組むべきか判断してください。リファラル採用やその他の採用手法についてお困りの方は、採用支援のhypexにご相談ください。採用目標や採用課題などをオンラインでヒアリングし、最適な提案をさせていただきます。相談料は一切かかりません。