応募数5倍も実現!採用ピッチ資料とは?作り方・事例・費用まで徹底解説!
2026.07.28
採用ピッチ資料は、いまでは多くの企業が採用活動で活用するようになりました。採用サイトや求人票だけでは伝えきれない会社の魅力、事業内容、働く人、カルチャー、制度などをまとめて伝えられるため、候補者に会社理解を深めてもらう資料として定着しつつあります。
一方で、いざ自社で作ろうとすると、「何をどこまで載せるべきか」「採用サイトとどう使い分けるべきか」「他社はどのような資料を作っているのか」と迷うことも多いのでしょう。
この記事では、採用ピッチ資料の役割やメリット、参考事例、記載すべき項目、作り方、活用方法まで解説します。採用ピッチ資料を作るべきか検討している方も、これから実際に作成を進めたい方も、ぜひ参考にしてください。
※採用ピッチ資料を自社に合わせて最適化したい方へ。hypexでは、企業ごとの課題に応じた「採用ピッチ資料」や「採用広報の進め方」をご提案します。実際に月間300名以上の応募獲得を実現した企業の支援実績があります。資料作成に迷ったら、まずは無料でご相談ください。
採用ピッチ資料とは?

採用ピッチ資料とは、応募者に向けた「会社説明資料」のことです。「ピッチ」とは短いプレゼンテーションを意味し、応募者が働くうえで気になる情報(事業内容、社風、社員、職場環境など)を、ストーリー性を持って体系的に伝える採用手法です。
企業サイトにも会社紹介は掲載されていますが、大きな違いは“誰に向けた資料か”という点です。
・企業サイト:株主・投資家・顧客など、幅広いステークホルダー向け
・採用ピッチ資料:応募者に特化し、「この会社で働きたい」と思ってもらうための情報に絞って構成されている

採用ピッチ資料は、応募者が「自分がここで働く姿」をイメージできるように、会社の文化や福利厚生、働くメンバーの紹介など、よりリアルで具体的な情報を盛り込むのが特徴です。
採用サイトとの違い

「うちには採用サイトがあるから、ピッチ資料は必要ない」と思う方もいるかもしれません。採用サイトはアニメーションや動画の実装が可能で、ページ同士の遷移設計も含めて自由度が高く、他社と差別化しやすいツールです。
その一方で、サイト構成やコンテンツ設計には、家の設計図を描くような専門的なノウハウや時間、費用が必要になります。
採用ピッチ資料は、PowerPointなどで社内資料をつくるような感覚で制作できるため、プログラミングや専門知識は不要です。伝えたい情報を整理しやすいのが魅力です。
情報が一つの流れに整理されているため、応募者にとっても、ページを順に読み進めるだけで企業理解が深まりやすく、短時間で会社の全体像を把握しやすくなります。
「採用サイトをつくる予算や時間はないけれど、会社の魅力をしっかり伝えたい」
そんな企業には、採用ピッチ資料の活用が特におすすめです。
採用ピッチ資料の参考事例25選
1.株式会社SmartHR
株式会社SmartHRは採用ピッチ資料ブームの先駆けとなった会社で、図や表が多い他、数字が多く使われており、分かりやすい資料の代表例です。会社の置かれている環境や状況がイメージしやすく、サービスの業績も開示しており、魅力的な会社であることをアピールできています。
資料は全57ページ。会社概要に19ページ、今後の挑戦に11ページ、評価・給与制度に9ページを割いています。企業の基本情報だけでなく、入社後に挑戦できることや、評価・報酬の仕組みまで具体的に開示している点が特徴です。
2.Kanmu会社紹介資料
企業の資金調達を支援するサービスを手がける「株式会社カンム」の採用ピッチ資料です。豊富な情報量でも見やすく、理解しやすく整理されています。できるだけ情報を詰め込みたい場合に参考になります。
資料は全55ページ。事業・プロダクトの説明に24ページ、全体の約44%を割いている。さらに、組織や社員に関する会社情報を6ページ、勤務環境や人事制度を8ページ掲載。事業の将来性を詳しく伝えながら、入社後の働き方や評価、給与まで具体的に確認できる構成となっています。
3.atama plus株式会社
AI(人工知能)を活用した教育プロダクトの開発を手がけるAtamaplus社の事例です。「3分でわかる」のタイトル通り、画像や図解を多用して、応募者の理解を早める工夫がされています。
最後にQRコードを設置して、求人一覧やエンジニアの詳しい説明が見られるようにしている点も参考になります。
資料は全42ページ。事業内容に14ページ、全体の約33%を使い、AI教材の仕組みから塾・大学・企業向けの事業展開まで詳しく説明。また、開発原則とカルチャーに7ページ、メンバー紹介にも7ページを割いており、事業だけでなく、プロダクトづくりの思想や働く人の姿まで理解できる構成となっています。
4.STORES株式会社
ネットショップを作るプラットフォーム「STORES.jp」を手がけるSTORES株式会社の事例です。写真が多く、文字数の多さが気にならないデザインが秀逸です。
資料は全46ページ。事業の市場性やビジネスモデル、成長実績を説明する「これまでとこれから」と、カルチャーや勤務制度、人事制度を紹介する「STORESで働く」に、それぞれ13ページを使用しています。顧客事例、AI活用、給与レンジまで掲載されており、事業の強さと入社後の働き方を同程度の情報量で理解できる構成となっています。
5.カラビナテクノロジー株式会社
システム開発・アプリ開発・Webサイト制作を手がける福岡のカラビナテクノロジー株式会社の事例です。通常、採用ピッチ資料は事業の説明をしてから社員の紹介をしますが、カラビナ社の場合は先に社風や文化を紹介。その後、「で、何やってる会社?」とサービスの説明に行くとことが珍しいスタイルです。
自社の強みを理解し、他社との差別化ができている好例です。副業OKの会社は多数ありますが、「起業OK」と明記しているところがユニークでクスッと笑えます。
資料は全27ページ。そのうち14ページ、全体の約52%を社風や働き方の説明に使っています。リモートワークや有給休暇といった制度だけでなく、社員が経営方針や人事制度を決める仕組み、独自の評価制度、社内コミュニケーションまで具体的に公開し、事業内容よりも、組織文化への理解と共感を重視した構成が特徴です。
6.アジアクエスト株式会社
アジアクエスト株式会社は東京都千代田区に本社を置き、Webシステムやアプリ開発を手がける会社です。採用ピッチ資料は青や緑など落ち着いたカラーが多い中、同社は赤を基調とし、インパクトの強い採用ピッチ資料になっています。文字数が多い中でも整理されて見やすく、視認性に配慮している部分も参考になります。
資料は全59ページ。カルチャーに15ページ、事業概要に11ページを使い、技術領域だけでなく、社員の個性や価値観、挑戦・学習機会まで詳しく伝えています。働く環境、オンボーディング、求める人材を含めると、候補者向けの組織・採用情報が全体の半数以上を占める構成となっています。
7.株式会社チカク
実家のテレビに子どもや家族の日常動画をつなげる「まごチャンネル」を提供する株式会社チカクの採用ピッチ資料です。明るいオレンジを基調とし、サービスを立ち上げるきっかけとなったエピソードなどを丁寧に説明し、ストーリー性を持って事業を理解できることが特徴。
どんな想いで商品を届けているのか、顧客にどのような影響を与えているのかイメージしやすいので、理念に共感してもらいたい企業に参考になります。
資料は全53ページ。ユーザーファーストの説明に12ページ、全体の約23%を使い、創業者の原体験から高齢者へのユーザー調査、具体的な製品改善、利用者の声まで紹介しています。さらに、チーム、開発環境、働き方に19ページを割き、サービスへの思いと入社後の仕事の実態を、具体的なエピソードで伝える構成が特徴です。
8.株式会社できるくん
AIや最新ツールを活用して低価格なホームページ制作やWeb業務支援(BPaaS・AI BPO)する株式会社できるくんの採用ピッチ資料です。
資料は全46ページ。IT受託産業の課題やMission・Visionを説明する「存在意義・思い」に10ページ、事業内容と成長戦略に15ページを使っています。AIによるWeb制作工程の削減効果や市場拡大、M&A戦略まで数値を交えて公開しており、現在の事業だけでなく、第二創業期における成長ストーリーまで理解できる構成となっています。
9.株式会社カオナビ
社員の個性・才能を発掘し、戦略人事を加速させるタレントマネジメントシステム「カオナビ」を提供している株式会社カオナビの採用ピッチ資料です。
資料は全50ページ。市場・事業説明に12ページ、開発組織に8ページ、働き方や人事制度に11ページを使っています。技術スタックだけでなく、組織体制、エンジニアのロール、自己研鑽制度、評価・キャリア制度まで公開。現在の開発環境と、AI・人材データを軸とする今後の技術的な挑戦を同時に理解できる構成となっています。
10.スマートキャンプ
BtoB領域における比較・マッチングに関連したBOXILやBALESなどを手がけるスマートキャンプの採用ピッチ資料です。「Small Company, Big Business.」というVisionに共感し、少人数のチームでも社会を動かせる内容について説明しています。
資料は全44ページ。事業説明に15ページ、全体の約34%を使い、SaaS比較メディア、展示会、セールス支援、デジタルマーケティングなど、複数の事業を個別に紹介しています。さらに、Missionや社会課題に9ページ、カルチャー・働く環境に7ページを割き、事業の全体像から入社後の働き方、給与・評価制度まで確認できる構成となっています。
11.株式会社マクアケ
画像出典:マクアケ会社紹介資料
サイバーエージェントの子会社が運営し、ソニーやシャープなどの利用しているクラウドファンディングを手がける株式会社マクアケの採用ピッチ資料です。
資料は全54ページ。事業説明に25ページ、全体の約46%を使い、応援購入の仕組みから市場規模、競争優位性、顧客事例、海外展開まで詳しく紹介しています。さらに、働く環境や組織情報に19ページを割き、行動指針、評価制度、社員データ、社内コミュニケーションまで公開。事業の社会的意義と、入社後に求められる価値観の両方を深く理解できる構成となっています。
12.株式会社CAMPFIRE
個人やクリエイター、企業、地方自治体などが利用する国内最大級のクラウドファンディングのサービスを提供する株式会社CAMPFIREの採用ピッチ資料です。事業概要や大切にしていること、働く環境などを説明しています。
資料は全22ページ。会社、事業、Values、働く環境、採用という5項目を、それぞれ3~5ページで簡潔に説明しています。事業実績では支援資金総額やプロジェクト数を数値で示し、採用面では5つのValues、職種構成、福利厚生、求める人物像、オンボーディングまで掲載。短いページ数で候補者に必要な情報を一通り確認できる構成となっています。
13.freee株式会社
無料から使えるクラウド会計ソフト「freee」を手がけるfreee株式会社のエンジニア向け採用ピッチ資料です。「10分でわかる」をコンセプトに同社にサービスや求める人物像を説明しています。
f資料は全45ページ。エンジニアリングに13ページ、事業やMission・Visionに12ページを使っています。開発文化、組織体制、技術スタック、AI活用、社内異動、学習支援まで具体的に公開しており、技術環境だけでなく、事業の目的やエンジニアに求める行動まで理解できる構成となっています。
14.BASE株式会社
誰でも簡単に無料でネットショップを立ち上げられるサービス「BASE」を手がけるBASE株式会社の採用ピッチ資料です。事業やサービスのご紹介、事業の特長、組織やカルチャーについて説明しています。
資料は全45ページ。サービス紹介に17ページ、全体の約38%を使い、ネットショップ作成、金融、ID決済、オンライン決済というグループの事業全体を説明しています。さらに、働く環境に8ページ、目標・評価制度と選考に6ページを割き、事業内容から入社後の働き方、キャリア、選考プロセスまで確認できる構成となっています。
15.ユアマイスター株式会社
クリーニングや修理の職人を紹介する「ユアマイスター」を提供するユアマイスター株式会社の採用ピッチ資料です。「はたらくことが楽しい!ユアマイスターのありのままを伝えたい」という思いを伝えています。
資料は全61ページ。冒頭の16ページを、社員アンケートから抽出した「はたらくことを楽しくする7つの言葉」の紹介に使用しています。さらに、経営陣や仕事内容に10ページ、Valuesやカルチャー、社員の声に11ページを割いており、事業内容よりも、仕事に対する考え方や組織の熱量を強く伝える構成が特徴です。
16株式会社kubell
ビジネスチャットツール「chatwork」を手がける株式会社kubell(旧・Chatwork株式会社)の採用ピッチ資料です。戦略、中長期ビジョン、組織(カルチャー)、制度など紹介しています。
資料は全60ページ。「未来と挑戦」に15ページ、「事業と戦略」に19ページを使い、両者で全体の約57%を占めます。人口減少や中小企業の生産性、DX人材不足といった社会課題から、Chatworkの顧客基盤、BPaaS、AIエージェント、M&Aによる成長戦略までを段階的に説明し、現在の事業だけでなく、同社がビジネスチャット企業から中小企業の業務全体を支える企業へ転換する過程を理解できる構成となっています。
17.株式会社ベイジ
東京都の下北沢にあるWeb制作会社「株式会社ベイジ」のコンサルタント向け採用ピッチ資料です。会社の全体像が無駄なく網羅されており、「ベイジで働くメリット」では、「下請け案件がゼロなので、経営者やマーケティング責任者と直接話ができる」など、具体的に書かれています。
資料は全35ページ。会社概要、事業、組織、仕事内容、働く環境、評価制度、募集要項を各4~5ページでほぼ均等に説明しています。コンサルタントの役割を、戦略立案、調査、制作ディレクション、自社マーケティングまで具体化し、100以上の工程から成る制作フローや評価指標、キャリアパスも公開。入社後の業務と成長の道筋を詳細に把握できる構成となっています。
18.株式会社ココナラ
個人の知識・スキル・経験を可視化し、個人をエンパワーメントするスキルマーケット「ココナラ」を中心とした事業を運営する株式会社ココナラの採用ピッチ資料です。
資料は全47ページ。事業・サービスに13ページを使い、サービスを通じて人生や事業が変化したユーザーの事例から、事業ポートフォリオ、中長期戦略まで説明しています。また、カルチャー、組織、人事ポリシー・評価制度に各7ページを割き、社員の属性、入社理由、グレード、成果とスタンスを50対50で扱う評価制度まで公開。事業の社会的意義と、個人をエンパワーメントする組織づくりを一貫して伝える構成となっています。
19.株式会社ベーシック
BtoB向けの運営支援サービスを手がける株式会社ベーシックの採用ピッチ資料です。
資料は全57ページ。事業紹介と働く環境・文化に各14ページ、開発チームの紹介に12ページを使用しており、この3項目だけで全体の約70%を占めます。AIワークフローやBtoBマーケティング事業の説明に加え、成長支援、ミッショングレード制度、リモートワーク、社員の成果、エンジニア文化まで具体的に公開。事業の変革と、そこで働く人の成長環境を同時に理解できる構成となっています。
20.メリービズ株式会社
メリービズ株式会社のカルチャーデック(採用ピッチ資料)の事例です。表紙に写真の社員が使われインパクトがあります。また、写真だけで仲の良さそうな社風が伝わってきます。
メリービズの採用説明資料は全38ページ。サービス説明に8ページ、歴史・チームに13ページを使用しています。なかでも、5つのValuesを6ページにわたって紹介し、社会への価値提供、顧客やパートナーとの協働、個人の原動力、専門性の掛け合わせ、継続的な挑戦を具体的に説明。経理代行サービスの仕組みだけでなく、地方の就業機会や女性のキャリアといった社会課題への向き合い方まで理解できる構成となっています。
21.株式会社ログラス
株式会社ログラスのカルチャーデック(採用ピッチ資料)の事例です。「未来の仲間となる皆様へ」と題した代表挨拶が好印象です。
資料は全41ページ。Mission・事業・AIに18ページ、全体の約44%を使い、日本経済の課題から経営管理プラットフォーム、AIエージェント構想までを段階的に説明しています。また、カルチャーには6ページを割き、6つのValuesを具体的な行動や人物要件、社内制度まで落とし込んでいます。事業の将来性と、急成長組織で求められる価値観の両方を理解しやすい構成となっています。
22.株式会社ミラティブ
画像引用:株式会社ミラティブの採用ピッチ資料
株式会社ミラティブのカルチャーデック(採用ピッチ資料)の事例です。「採用候補者さまへの手紙」、「わかりあう願いをつなごう」と理念が書かれています。
資料は全76ページ。既存のMirrativ事業と新規のストリーマープラットフォーム事業に35ページ、全体の約46%を使っています。ゲーム配信市場やクリエイターエコノミーの成長性から、広告・ギフティング・ライブゲーミングの収益構造、M&Aによる事業拡張まで詳しく説明し、組織・企業文化にも14ページを割き、Missionの「わかりあう願いをつなごう」を、ユーザー理解、社員間の情報共有、評価制度まで一貫して反映しています。
23.株式会社うるる
DX、電子化、BPR、SaaSの裏側など、人力を活用しソリューションを提供するBPOサービスを手がける株式会社うるるのカルチャーデック(採用ピッチ資料)の事例です。
資料は全64ページ。サービス紹介に30ページ、今後の展望に6ページを使用し、両者で全体の約56%を占めます。NJSS、fondesk、えんフォト、BPO、シュフティなどについて、サービスの概要だけでなく、市場課題、競争優位性、目指す未来まで詳しく説明。独自の価値観「うるるスピリット」や「シナプス組織」、社員の挑戦事例、評価制度、給与レンジも公開し、労働力不足という社会課題に対し、人とIT・AIを掛け合わせて複数の事業を生み出す仕組みと、社員が新しい事業へ挑戦できる環境を理解しやすい構成となっています。
24.株式会社プレックス
人材紹介やSaaS、M&A仲介事業などを展開する株式会社プレックスのカルチャーデック(採用ピッチ資料)の事例です。
資料は全62ページ。組織に15ページ、メンバー紹介に8ページ、採用情報に12ページを使用し、3項目で全体の約56%を占めます。3つのValuesについて、理念だけでなく好ましくない行動例や社内表彰の実例まで紹介。さらに、主要6職種の仕事内容、裁量、仕事の魅力、現場責任者のメッセージも1ページずつ掲載し、事業内容だけでなく、社員が成果を出す仕組みと、入社後の具体的なキャリアを理解しやすい構成となっています。
25.スピリッツ株式会社
鳥取県でグループ子会社の経営管理・監督を行う寿スピリッツの採用ピッチ資料です。
こちらはスライド資料ではなく、「採用ピッチ動画」になります。
会社のビジョン⇨沿革⇨事業の強み⇨今後の展望の順に、3分24秒でコンパクトに会社概要をまとめています。ナレーションで詳しく丁寧に説明しているので、音声だけでも理解できることがポイント。
採用ピッチ資料は情報量が多く、応募者が途中で読まなくなるリスクもあるため、ポイントを絞ったダイジェスト版の動画を活用するのも有効です。
その他の採用ピッチ資料の事例は下記の記事をご覧ください。
採用ピッチ資料の事例 分析レポート
採用ピッチ資料は、何ページ程度にまとめ、どの情報を、どの順番で掲載すればよいのでしょうか。
本記事で紹介した採用ピッチ資料を対象に、総ページ数、掲載項目、章の順番を調査しました。各社で章名が異なるため、「会社について」「私たちについて」は会社概要、「存在意義」「目指す世界」はMission・Vision、「大切にしていること」「行動指針」はカルチャー・Valuesとして、共通する項目へ分類して集計しています。
採用ピッチ資料の平均は49.4ページ
| 指標 | ページ数 |
|---|---|
| 平均 | 49.4ページ |
| 最多 | 76ページ |
| 最少 | 22ページ |
| 最多と最少の差 | 54ページ |
24の事例の1資料あたりの平均は49.4ページでした。最もページ数が多かったのはミラティブの76ページ、最も少なかったのはCAMPFIREの22ページでした。今回調査した事例では、50ページ前後が採用ピッチ資料の標準的なボリュームといえます。ページ数ごとの分布は、次のとおりです。
| ページ数 | 事例数 | 割合 |
|---|---|---|
| 20~29ページ | 2社 | 8.3% |
| 30~39ページ | 2社 | 8.3% |
| 40~49ページ | 8社 | 33.3% |
| 50~59ページ | 7社 | 29.2% |
| 60~69ページ | 4社 | 16.7% |
| 70ページ以上 | 1社 | 4.2% |
40~59ページの資料は15社で、全体の62.5%を占めました。60ページまで含めると、24社のうち約3分の2が40~60ページ前後に収まっています。
会社概要、事業、組織、カルチャー、評価制度、採用情報まで一通り伝える場合は、40~60ページ程度をひとつの目安にするとよいでしょう。
ただし、ページ数が多いほど優れた資料になるわけではありません。CAMPFIREは22ページで会社の全体像を簡潔に伝え、カラビナテクノロジーは27ページのうち半分以上を社風や働き方の紹介に使っています。
重要なのは、情報を網羅することではなく、採用課題や候補者が知りたい情報に合わせて、掲載内容の優先順位を決めることです。
ほぼすべての企業が掲載している7項目
続いて、24社が採用ピッチ資料に掲載している項目を調査しました。独立した章が設けられていない場合でも、その内容を1ページ以上使って説明していれば「掲載」として集計しています。
| 掲載項目 | 掲載社数 | 掲載率 |
|---|---|---|
| 会社概要・基本情報 | 24社 | 100% |
| Mission・Vision・Purpose・存在意義 | 24社 | 100% |
| 事業・サービス・プロダクト | 24社 | 100% |
| カルチャー・Values・行動指針 | 24社 | 100% |
| 働き方・勤務制度・福利厚生 | 24社 | 100% |
| 市場・社会課題・成長戦略・将来像 | 23社 | 95.8% |
| 組織構成・社員データ | 23社 | 95.8% |
| 経営陣・メンバー紹介 | 19社 | 79.2% |
| 採用情報・人物像・募集職種・選考 | 18社 | 75.0% |
| 沿革・事業の成長実績 | 18社 | 75.0% |
| オンボーディング・学習・成長支援 | 18社 | 75.0% |
| 評価・等級・給与・キャリア制度 | 15社 | 62.5% |
| 仕事内容・職種紹介・技術環境 | 13社 | 54.2% |
| 顧客・ユーザー・導入事例 | 11社 | 45.8% |
会社概要、Mission・Vision、事業、カルチャー、働き方は、24社すべてが掲載していました。市場・社会課題・成長戦略と、組織構成・社員データも23社が掲載しています。
したがって、採用ピッチ資料を作る際は、次の7項目を基本構成として考えるとよいでしょう。
- 会社概要
- Mission・Vision・存在意義
- 市場・社会課題・成長戦略
- 事業・サービス
- 組織構成・社員データ
- カルチャー・Values
- 働き方・福利厚生
良い採用ピッチ資料は、「どのような事業を行っている会社か」だけを説明する資料ではありません。多くの企業が、次の3つを一連のストーリーとして伝えています。
- Why:なぜ、この会社や事業が必要なのか
- What:どのような事業で課題を解決するのか
- How・Who:どのような組織、文化、環境で実現するのか
事業内容だけでなく、その事業に取り組む理由や、実現する組織の特徴まで伝えることで、候補者は仕事内容と会社の価値観を結びつけて理解できます。
評価制度や給与情報を掲載すると透明性が高まる
評価・等級・給与・キャリア制度を掲載していた企業は15社で、掲載率は62.5%でした。
すべての企業が公開している項目ではありませんが、候補者の入社判断に直結する情報です。公開できる範囲で掲載すれば、採用に対する透明性を高められます。実際の資料では、次のような情報が公開されています。
- 評価対象となる成果と行動
- 評価を行う頻度
- 等級・グレードの仕組み
- 昇格・昇給の条件
- マネジメントと専門職のキャリアパス
- 職種別・等級別の給与レンジ
- 平均年収や昇給実績
一方、仕事内容、職種紹介、技術環境の掲載率は54.2%でした。会社紹介資料では省略されることもありますが、エンジニアやコンサルタントなどの職種別資料では、重要度が高くなります。
職種特化型の資料では、具体的な業務、プロジェクトの進め方、使用技術、キャリアパスまで紹介すると、候補者が入社後の仕事をイメージしやすくなります。
最も多い構成は「会社・事業から始まり、採用情報で終わる」
24事例の章の順番を比較すると、最も多かったのは、次の構成です。
会社・理念
↓
市場・社会課題
↓
事業・サービス・成長戦略
↓
組織・メンバー・カルチャー
↓
働き方・評価・福利厚生
↓
採用情報・選考・応募導線
章名や区切り方には違いがありますが、17社、全体の70.8%が、おおむねこの順番を採用していました。
| 段階 | 候補者へ伝える内容 |
|---|---|
| 1.会社・理念 | 何を目指す会社なのか |
| 2.市場・社会課題 | なぜ、その事業が必要なのか |
| 3.事業・成長戦略 | どのように課題を解決するのか |
| 4.組織・カルチャー | 誰と、どのような価値観で働くのか |
| 5.働き方・評価 | 入社後、どのように働き、評価されるのか |
| 6.採用情報 | どのような人を募集し、どう応募するのか |
22社、91.7%が、カルチャーや福利厚生を詳しく説明する前に、事業・サービスや市場について説明していました。
福利厚生や働きやすさを先に訴求するのではなく、まずは「何のために存在し、どのような事業を行う会社なのか」を理解してもらう構成が主流です。
組織やカルチャーのあとに、働き方や評価制度を配置していた企業は21社、87.5%でした。これは、制度を単独で紹介するのではなく、会社が大切にする考え方を示したうえで、その価値観が勤務制度や評価制度へどのように反映されているかを説明するためです。
採用情報は資料の終盤に配置する
募集職種、求める人物像、選考フローなどの採用情報を掲載している18社は、すべて資料の終盤に配置していました。多くの採用ピッチ資料は、次のような候補者の心理の流れに沿って作られています。
会社を理解する
↓
事業に共感する
↓
働く姿を想像する
↓
応募を検討する
最初から募集要項や福利厚生を並べるのではなく、会社や事業への理解と共感をつくったうえで、働き方や採用情報を提示する構成です。
採用ピッチ資料は、情報を並べた会社案内ではありません。候補者が会社への理解を深め、応募を判断するまでの順序を設計した資料と考える必要があります。
カルチャーを先に伝える構成もある
少数ではあるものの、事業説明よりも前に、カルチャーや仕事観を強く打ち出す資料もありました。
代表的な事例が、カラビナテクノロジーとユアマイスターです。
カラビナテクノロジーは、全27ページのうち14ページ、約52%を働き方や社内文化の説明に使用しています。ユアマイスターは、会社紹介を始める前の16ページを使い、「はたらくことを楽しくする言葉」を紹介しています。
次のような企業では、カルチャー先行型の構成も有効です。
- 事業内容だけでは他社との差が伝わりにくい
- 独自の働き方や組織制度がある
- カルチャーフィットを特に重視している
- 社員の仕事観や価値観が採用上の強みになっている
ただし、カルチャーを先に伝える場合でも、後半では事業内容や会社の将来性を十分に説明する必要があります。
職種特化型は仕事内容や専門環境を厚くする
freeeやカオナビのエンジニア向け資料、ベイジのコンサルタント向け資料など、職種特化型の採用ピッチ資料では、次の順番が多く見られました。
会社・Mission
↓
事業・プロダクト
↓
仕事内容・組織・技術環境
↓
カルチャー・働き方
↓
評価・採用情報
職種特化型では、会社全体の説明に加えて、候補者が配属後の仕事を判断できる情報が必要です。たとえば、次の内容が挙げられます。
- 具体的な仕事内容
- 担当するプロジェクト
- チーム構成
- 業務の進め方
- 開発プロセス
- 使用技術・ツール
- 評価基準
- キャリアパス
- 現場社員や責任者のメッセージ
全社共通の採用ピッチ資料だけでは専門職の情報が不足する場合は、職種別の資料を分けて作る方法もあります。
事例から考える推奨構成
| セクション | ページ数の目安 | 主な掲載内容 |
|---|---|---|
| 表紙・目次・メッセージ | 2~4ページ | 表紙、目次、代表・採用担当者からのメッセージ |
| 会社概要・Mission・Vision | 5~8ページ | 会社情報、理念、創業背景、存在意義 |
| 市場・社会課題・事業・成長戦略 | 15~20ページ | 市場規模、顧客課題、サービス、実績、将来構想 |
| 組織・メンバー・カルチャー | 8~12ページ | 組織図、社員データ、経営陣、Values、社員紹介 |
| 働き方・評価・福利厚生 | 7~10ページ | 勤務制度、休暇、評価、等級、給与、成長支援 |
| 採用情報・選考・応募導線 | 3~5ページ | 募集職種、人物像、選考フロー、採用サイト |
| 合計 | 40~59ページ程度 | - |
今回の調査結果をもとに、50ページ前後の採用ピッチ資料を作る場合の構成例を整理しました。ただし、すべての企業に当てはまる正解ではありません。事業への理解が採用課題であれば、事業や市場のページを増やすのが良いでしょう。カルチャーミスマッチが多い企業であれば、Valuesや社員の声を厚くすることをお勧めします。専門職採用であれば、仕事内容や技術環境を詳しく説明する必要があります。
まずは採用上の課題を明確にし、候補者が入社を判断するために必要な情報から優先的に掲載しましょう。
事例分析レポートのまとめ
良い採用ピッチ資料24事例の平均ページ数は49.4ページで、最多は76ページ、最少は22ページでした。全体の約3分の2が40~60ページ前後に収まっています。
会社概要、Mission・Vision、事業、カルチャー、働く環境は全24社が掲載し、市場・成長戦略と組織データも23社、95.8%が掲載していました。
構成は、「会社・理念→市場・事業→組織・カルチャー→働き方・評価→採用情報」の順番が最も多く、約7割の資料がこの基本形を採用しています。
これから採用ピッチ資料を作る場合は、単に会社情報を網羅するのではなく、候補者が「なぜこの会社が存在するのか」「どのような事業に取り組むのか」「誰とどのように働くのか」を順番に理解できるストーリーを設計することが重要です。
採用ピッチ資料に記載すべき項目(テンプレート)

続いて採用ピッチ資料に記載すべき項目を3つに分けて詳しく説明します。この資料をテンプレートとして活用いただいても構いません。大きく分類すると、「会社」「人(社員)」「応募」の3つに分かれます。
なお、記載する順番に決まりはありませんので、自社の特徴を出しつつ、応募したくなるようにストーリーを設計して作りましょう。作り方のポイントは次章で説明します。
今回は新規のECサイト制作、運営代行を手がけるコマースメディア株式会社の採用ピッチ資料から引用しています。こちらの採用ピッチ資料は弊社hypexが制作しました。まさに伝えたいことはこれ!業界と自社の立ち位置などがストーリーとしてわかりやすく伝えることできました。
会社概要

- 事業内容
- 沿革
- MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)
まずは、「何の事業をやっている会社なのか?」「これまでどんな事をしてきたのか?」など、会社の情報を伝える「会社概要」です。
事業内容

自社がどんなサービスを提供しているのか、事業内容を記載します。

複数の事業に取り組んでいる場合は、一覧でパッと見てわかる資料を用意し、次のページから各事業ごとの説明資料を入れると良いです。
沿革

創業から現在に至るまで、会社の歩みである「沿革」を簡潔に見える化します。こちらも最初に一覧できる資料を用意し、特に大きな出来事をピックアップして、何があったか詳しく説明すると良いでしょう。
MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)

事業のミッション・ビジョン・バリューも採用ピッチ資料に入れます。採用する側としては、能力の高さはもちろん、理念に共感してくれる人に応募して欲しいので、簡潔かつ、しっかりと説明するようにしましょう。

また、上の画像のように今後、会社がどう成長していきたいのかの将来像も入れると、さらに企業理解が深まります。理念は、採用ピッチ資料を作る目的である「自社に合う人材に応募してもらうこと」に大きく関わってきます。「想い」は見える化しにくい部分でもあるので、採用ピッチ資料の腕が問われます。
組織概要
会社紹介に続いては、「どんな人がどんな働き方をしているのか」など、「組織概要」を記載します。
- メンバー紹介(年齢や担当部署など)
- 社風・文化
- 勤務形態・福利厚生
- 評価制度や賞与
メンバー紹介

メンバー紹介では、どんな部門でどれくらいの人が働いているのか?また、上の画像のように平均年齢などを記載します。円グラフにするとわかりやすいです。
採用ピッチ資料では個別の社員を紹介するのではなく、会社全体でどんな人がいるのかをザックリと説明します。社員紹介はnoteやブログ、採用サイト、SNSなどで詳しく取り上げると、さらに会社への興味を醸成できます。すでに詳しい社員紹介があるなら、ピッチ資料にURLやQRコードを貼ると良いです。
社風・文化

会社の社風や文化は応募者が入社後の自分をイメージするためにも重要なポイント。上のように一覧にすると応募者が理解しやすいです。逆に「やらないこと」も提示することで、より社風や文化の理解が深まります。

また、社風や文化を伝えるには、実際の社員に語ってもらうことが重要です。現場で働いているメンバーの声を届けることで、より理解が深まります。

社員インタビューも採用ピッチ資料に掲載しましょう。
勤務形態

勤務形態や福利厚生も、応募する側にとっては気になる情報。魅力的な企業であることをアピールするのはもちろん、入社後のミスマッチを起こさないためにも、詳しく記載したい情報です。下図のように入社後の数ヶ月間のイメージを見える化することもポイントです。

また、良いことばかりアピールするのではなく、入社後に大変だったことも正直に開示することで、企業への信頼感が高まります。

福利厚生

福利厚生に関しては上のように、箇条書きでまとめるだけでも見やすくなります。
評価制度や賞与

応募者が気になる情報といえば、やはり給与や評価制度。どうすれば評価につながり、給与アップになどに結びつくのか説明しましょう。応募者が知りたいニーズが強い部分なので分かりやすく記載してください。
採用情報

「会社」「人(組織)」を紹介したあとは、応募者に向けて「採用情報」を記載してください。
- 欲しい人材
- 選考フロー
- 自社の魅力や課題
- メッセージなど
関連記事:採用基準とは?設定方法や決めるときのポイント、注意点を解説
関連記事:採用キャッチコピーの事例!作り方も解説!
選考フロー

選考フローがあることで、採用候補者が応募するかどうかの判断ができ、事前に心積りや準備ができるので応募のハードルを下げることができます。
代表メッセージ

代表者がどんな人か、何を目指しているか、どんなことを考えているかは採用候補者が気になる項目。写真付きで入れましょう。
以上のような情報があると、応募者も入社までのフローが明瞭になり、求めている人材が応募しやすくなります。また、面接での質問も減るため、採用コストの削減になります。
効果の出る採用ピッチ資料の作り方7つのコツ
採用ピッチ資料に記載する項目を理解したところで、実際に作成するときに意識したい7つのポイントを紹介します。
- 自社の魅力や欲しい人材像を明確にする
- 会社の特徴に合わせて訴求内容を変える
- インパクトとコンパクトさを両立する
- ストーリー性を持たせる
- 応募者が求める情報を入れる
- 閲覧環境を考えてデザインする
- 定期的に更新してブラッシュアップする
資料を作成するツールは、PowerPoint、Googleスライド、Canvaなど、使いやすいもので問題ありません。
ただし、採用ピッチ資料は事業内容や社員数、制度などの変更に合わせて更新していく必要があります。デザイン性だけでなく、社内で修正しやすいツールを選ぶことが大切です。
自社の魅力や欲しい人材像を明確にする

採用ピッチ資料を作る際に最も重要なのは、自社の強みや、どんな人を採用したいのかを明確にすることです。当サイト(hypex)では、GoogleスプレッドシートやExcelを使って、項目ごとに整理しながら設計する方法をおすすめしています。単に会社の情報を網羅的に並べるだけでは、伝えたいことがぼやけてしまいます。大切なのは、曖昧な表現を避け、具体的な言葉で伝えることです。
× 悪い例:会社のメンバーがみんな明るい
○ 良い例:年齢や入社時期に関係なく意見を言い合い、建設的なディスカッションができる
× 悪い例:誠実な人を求めています
○ 良い例:指示に違和感があるときに、鵜呑みにせず自分の意見を伝えられる人
「明るい」「誠実」などの抽象的な言葉は、人によって解釈が異なります。
そのまま使うと、選考する担当者ごとに評価がバラつき、採用の軸がぶれてしまう原因になります。
たとえば、採用担当のAさんが「この人は誠実だ」と感じても、Bさんは「そうは思わない」と判断するかもしれません。こうしたズレは社内での議論を生み、最終的に“本当に欲しい人材”を逃してしまうリスクにつながります。だからこそ、採用ピッチ資料では、誰が読んでも同じイメージを持てるように「言葉の具体化」が不可欠なのです。
関連記事:採用基準とは?設定方法や決めるときのポイント、注意点を解説
会社の特徴に合った構成にする
採用ピッチ資料で何を強く訴求するべきかは、会社の事業内容や採用上の強みによって異なります。大きく分けると、3つのパターンがあります。
1.事業や仕事内容がユニークな会社
独自のプロダクトやサービスを持ち、他社では経験しにくい仕事ができる企業は、事業内容や仕事内容を中心に構成します。たとえば、自社プロダクトを展開するSmartHRやメルカリのような企業では、候補者が次の情報に関心を持ちます。
- どのような社会課題や顧客課題を解決するのか
- プロダクトの競争優位性は何か
- 市場にどの程度の成長余地があるのか
- 入社後にどのような機能や事業を担当できるのか
- 今後、どのようなプロダクトへ成長させるのか
事業そのものに独自性がある場合は、無理に福利厚生や社内イベントを前面に出す必要はありません。サービスの仕組み、ユーザー、導入実績、事業の将来性、開発上の課題などを詳しく説明し、「この会社でなければ経験できない仕事」を伝えましょう。
2.事業や仕事内容だけでは差別化しにくい会社
代理店、制作会社、開発会社、コンサルティング会社など、同じようなサービスを提供する企業が多い業界では、事業内容や職種名だけでは他社との違いが伝わりにくいことがあります。同じ「Web制作」や「システム開発」であっても、会社によって顧客への向き合い方や仕事の進め方は異なります。このような企業では、Whatだけでなく、WhyとWhoを強く伝えることが重要です。
- Why:なぜ、その事業を行っているのか
- Who:誰と、どのような価値観で働くのか
- How:どのような方法で顧客に価値を提供するのか
具体的には、次のような情報が差別化につながります。
- Mission・Vision
- 創業の背景
- 顧客に対する考え方
- 案件を選ぶ基準
- 仕事の進め方
- 社員の価値観
- チームのコミュニケーション
- 評価する行動
- 顧客事例や社員のエピソード
たとえば、「Webサイトを制作しています」だけではなく、「顧客の要望をそのまま形にするのではなく、事業課題を整理してから制作する」と説明すれば、同じ制作会社でも仕事の違いが伝わります。
事業内容が他社と似ている企業ほど、事業の目的やプロセス、働く人の価値観まで言語化しましょう。
3.事業の社会的意義が伝わりにくい会社
社会に必要な事業であっても、候補者から見て、その価値がすぐに理解できるとは限りません。ホテルの清掃や介護支援のように、社会的な役割が比較的想像しやすい事業もあれば、電柱の芯や産業用の細かな部品を製造する企業のように、製品だけを見ても社会とのつながりが分かりにくい事業もあります。
このような場合は、製品の機能から説明するのではなく、その製品が社会のどこで使われ、何を支えているのかから伝えます。たとえば、次の2つでは、候補者が受ける印象が異なります。
× 機能だけの説明:電柱に使われる部品を製造しています
⚪︎ 社会的意義を含めた説明:地震や災害が発生したときも電力供給を維持できる、強度の高い部品を開発しています
後者であれば、自分の仕事が社会にどのような影響を与えるのかを理解できます。社会的意義が伝わりにくい事業では、次の順番が効果的です。
- 社会で起きている問題
- その問題によって困っている人や企業
- 自社の技術やサービスが果たす役割
- 自社がなければ何が起こるのか
- 入社する人が担う仕事
候補者は必ずしも、有名な商品や華やかな業界だけを求めているわけではありません。自分の仕事が誰の役に立ち、社会をどのように支えるのかが分かれば、知られていない事業でも十分に魅力を伝えられます。
インパクト×コンパクトを意識する
採用ピッチ資料は掲載する情報が多いため、文章を詰め込みすぎると、読む側の負担が大きくなります。そこで意識したいのが、「インパクト×コンパクト」です。
短い文章と視覚的な表現を組み合わせ、内容を一目で理解できるようにします。特に効果的なのが、図解やグラフの活用です。
たとえば、売上や社員数の成長を文章で長く説明するより、時系列のグラフで示した方が、変化の大きさを直感的に理解できます。事業の仕組み、組織構成、選考フローなども、文章だけで説明するのではなく、次のような方法で整理できます。
- フロー図
- 相関図
- 棒グラフ・折れ線グラフ
- アイコンを使った一覧
- 写真と短いコメント
- 数字を大きく見せるデータスライド
ただし、図解を増やせばよいわけではありません。一つのページに複数の主張を詰め込まず、原則として1ページにつき1メッセージにすると、読み手が内容を理解しやすくなります。
資料が完成したら、内容を短くまとめた採用ピッチ動画を作る方法もあります。動画化すれば、会社説明会、採用サイト、SNS、スカウト後の案内などにも活用できます。
採用ピッチ資料をすべて読み込む時間がない候補者にも、事業やカルチャーの要点を伝えられるでしょう。
ストーリー性を持たせる

採用ピッチ資料の最大の見せ場は、情報を単に並べるのではなく、ストーリーとして構成することです。会社概要、事業、組織、福利厚生を順番なく並べても、候補者の理解や共感は深まりません。
ポイントは、「候補者が次に知りたいことは何か」を想像しながら、章の順番を考えることです。
採用ピッチ資料24事例の分析では、次の順番が最も多く見られました。
会社・理念
↓
市場・社会課題
↓
事業・サービス・成長戦略
↓
組織・メンバー・カルチャー
↓
働き方・評価・福利厚生
↓
採用情報・選考・応募導線
最初に「何を目指す会社なのか」を伝え、その後に「なぜその事業が必要なのか」「どのように実現するのか」「誰と働くのか」へ進む流れです。
たとえば、理念やビジョンを説明した直後には、オフィス写真よりも、事業を始めた背景や社員の思いを紹介する方が自然です。反対に、ビジョンの説明から突然、給与や福利厚生へ移ると、話が分断された印象を与えます。
候補者は基本的に、資料を最初から順番に読み進めます。次のように、理解から応募判断へ段階的に進む構成を意識しましょう。
- 会社の目的を理解する
- 事業の必要性に納得する
- 仕事の面白さを知る
- 社員やカルチャーに共感する
- 働く環境を確認する
- 自分との相性を判断する
- 応募を検討する
資料の途中で疑問が生まれ、その答えが次のページにある構成にすると、最後まで読み進めてもらいやすくなります。
応募者が求める情報を入れる
採用ピッチ資料を作成するうえで大切なのは、応募者が何を知りたいのかを理解し、その情報をしっかり盛り込むことで採用ピッチ資料を作成するうえで大切なのは、企業が伝えたいことだけでなく、候補者が知りたい情報を掲載することです。
企業側はMissionや事業の成長性を伝えたくても、候補者は入社後の仕事、評価、給与、人間関係などに不安を感じています。たとえば、候補者が気にするのは次のような情報です。
- 具体的にどのような仕事をするのか
- 自分が成長できる環境か
- どのような人と働くのか
- 社内の人間関係や雰囲気
- 評価は何を基準に決まるのか
- どのようなキャリアを選べるのか
- 給与はどのように決まるのか
- リモートワークや勤務時間
- 福利厚生や休暇
- 入社後のオンボーディング
- 会社が現在抱えている課題
こうした項目を具体的に説明すれば、候補者の不安を解消し、会社への理解と関心を高められます。
「風通しがよい」「成長できる」「裁量が大きい」といった言葉だけではなく、事実や数字で裏づけることも重要です。たとえば、「成長できる環境」と伝える場合は、次のような情報を添えます。
- 1on1を月1回実施している
- 年間の研修費用を一人○万円まで補助する
- 入社3年以内の昇格率
- 未経験入社者のキャリア事例
- マネジメントと専門職のキャリアパス
また、資料の完成後は、応募者や内定者、現場社員へ感想を聞きましょう。「分かりにくかった部分」「面談前に知りたかった情報」「入社前後で印象が違った部分」を確認すれば、企業側だけでは気づけない改善点を発見できます。
採用ピッチ資料のデザインの考え方を意識する
採用ピッチ資料のデザインでは、華やかさよりも、読みやすさと会社らしさを優先します。特に意識したいのは、文字の大きさ、写真の選び方、配色の3点です。
フォントサイズは24px相当以上を目安にする
本文のフォントサイズは、24px相当以上を基本的な目安にします。作成画面で読みやすくても、採用サイトへ埋め込んだときや、スマートフォンで表示したときには、スライド全体が縮小されます。
たとえば、資料を採用サイトの横幅いっぱいではなく、ページ幅の80%程度で埋め込む場合、元のスライドよりも文字が小さく表示されます。そのため、作成画面だけを見てフォントサイズを決めるのではなく、実際に使用する環境から逆算する必要があります。
- 採用サイトへ埋め込む
- Speaker Deckで公開する
- スマートフォンで閲覧する
- オンライン面談で画面共有する
- 会場のスクリーンに投影する
これらの環境でテストし、無理なく読めるサイズになっているか確認しましょう。補足説明や注釈を小さくしすぎると、候補者に読まれないだけでなく、情報を隠しているような印象を与えることもあります。
一つのページに文章が入りきらない場合は、フォントを小さくするのではなく、ページを分けることをおすすめします。
写真は枚数よりも役割を考える
1ページに必ず写真を入れる必要はありません。装飾のためだけに写真を増やすと、伝えたい情報が分かりにくくなります。一方で、資料全体が図と文章だけでは、社員や会社の雰囲気が伝わりません。
40~60ページ程度の採用ピッチ資料であれば、資料全体で10~20枚程度をひとつの目安として、社員やカルチャーが分かる写真を掲載するとよいでしょう。特に有効なのは、次のような写真です。
- 実際に働く社員
- チームで話し合っている様子
- 顧客やユーザーと接している場面
- オフィスや店舗、工場
- 社内イベント
- 研修や勉強会
- プロダクトを開発している様子
- 社員の日常が伝わる場面
写真は、フリー素材よりも実際の社員や職場を撮影したものが適しています。採用ピッチ資料の目的は、きれいな会社を演出することではなく、入社後の姿を候補者に想像してもらうことです。
ただし、似たような集合写真や会議風景を何枚も載せる必要はありません。各写真に「社員」「仕事」「文化」「場所」など、明確な役割を持たせましょう。
色はブランドカラーを基本にする
採用ピッチ資料の色は、自社のブランドカラーやコーポレートカラーを基本にします。採用サイト、コーポレートサイト、ロゴ、会社案内などと色を統一すれば、「この色といえば、この会社」という印象をつくれます。配色は、次の3種類程度に絞るとまとまりやすくなります。
- ベースカラー:背景など、最も広い面積で使う色
- メインカラー:会社らしさを表すブランドカラー
- アクセントカラー:数字や重要な言葉を強調する色
ブランドカラーを多用しすぎると、画面全体が強くなり、重要な部分が分からなくなります。強調したい数字やメッセージに限定して使用しましょう。
また、企業らしい色であっても、背景色と文字色の差が小さいと読みにくくなります。白い背景に薄いグレーの文字を置いたり、ブランドカラーの上に近い色の文字を配置したりすると、視認性が低下します。
配色を決める際は、Adobe Colorのコントラストチェッカーなどを使い、背景色と文字色のコントラストを確認しましょう。
デザインの独自性は重要ですが、読みやすさを犠牲にしてはいけません。会社らしさと、候補者がストレスなく読める視認性を両立させることが大切です。
更新してブラッシュアップしていく

採用ピッチ資料は、一度作って終わりではありません。事業内容、社員数、組織体制、制度、募集職種などは変化します。古い情報が残ったままでは、候補者へ誤った情報を伝えることになります。
たとえば、2026年に公開している採用資料に、2010年時点の社員数や市場データが最新情報のように掲載されていれば、候補者は「採用活動に力を入れていないのではないか」と不信感を抱くかもしれません。
採用ピッチ資料は、1年に1回の更新を基本的な目安とし、半年に1回程度は内容を確認しましょう。特に、次の項目は定期的な見直しが必要です。
- 社員数
- 売上や利益
- 顧客数・導入実績
- 市場データ
- 経営陣
- 組織図
- 募集職種
- 勤務制度
- 福利厚生
- 評価・給与制度
- 選考フロー
- 使用している写真
- 採用サイトや応募ページへのリンク
数字を掲載するときは、「2026年7月時点」のように基準日を明記します。すべてのページを毎回作り直す必要はありません。変更のあった数字や制度だけを部分的に修正する運用でも問題ありません。
また、情報の新しさだけでなく、候補者が求める内容も変化します。応募者、内定者、現場社員、面接官へヒアリングし、次のような情報を集めましょう。
- 面談前に知りたかったこと
- 資料を読んでも分からなかったこと
- 入社を決めるうえで役立った情報
- 実際に働いてから印象が変わったこと
- 資料と実態に差があったこと
その声を反映しながら改善を続けることで、採用ピッチ資料は、会社が伝えたい情報を並べた資料から、候補者の意思決定を支える資料へと成長していきます。
※「ここまでのポイントを見て、自社でつくるのは少しハードルが高そう」と感じた方は、採用ピッチ支援のプロであるhypexにご相談ください。貴社の採用課題や目的に合わせて、最適な構成・内容のピッチ資料をご提案します。
【参考】採用ピッチ資料の活用方法

参考までに、採用ピッチ資料を作ったあとの活用方法を紹介します。
- Speaker Deckに公開する
- スカウトメールに添付する
- 面接前のメールに添付する
- リファラル採用で候補者に渡す
- SNSで公開する
採用ピッチ資料は、作って終わりではなく「どう届けるか」までが重要です。WebサイトやSNSで広く公開することで認知を高めるだけでなく、スカウトメールや面接前の連絡に添付すれば、候補者が事前に会社理解を深められます。また、リファラル採用の際に社員から候補者へ共有することで、紹介のハードルも下がります。
複数のタッチポイントで活用し、候補者に一貫したメッセージを伝えることがポイントです。効果的な活用方法に迷った場合は、ぜひhypexまでご相談ください。
採用ピッチ資料を作る際の注意点
メリットがあれば当然デメリットもあります。採用ピッチ資料で注意して欲しいのは下記の2点です。
- 作成に時間や費用がかかる
- ストリー性を持たせるノウハウが必要
作成に時間や費用がかかる
採用ピッチ資料は、会社の魅力や情報を丁寧に盛り込む必要があるため、コンテンツのボリュームが多くなりがちです。平均で30ページ以上になることも珍しくなく、社員インタビューや写真撮影などが必要になるケースもあります。
そのため、1つの資料を完成させるまでに、およそ2ヶ月程度かかるのが一般的です。作成には、人件費をはじめとした制作コストも発生するため、事前にスケジュールと予算をしっかり検討しておくことが重要です。
ストリー性を持たせるノウハウが必要
採用ピッチ資料は情報量が多くなりがちなため、ただ情報を詰め込むだけでは、雑然とした見づらい資料になってしまいます。応募者に伝わりやすくするには、内容にストーリー性を持たせ、自然な流れで構成することが重要です。
そのためには、資料設計やコンテンツ構成に関するノウハウも求められます。誰が読んでも理解しやすく、企業の魅力が伝わるような資料づくりには、一定の経験や工夫が必要です。
AIを活用して採用ピッチ資料をつくる検証動画も参考にしてください。
採用ピッチ資料の作成を依頼した場合の費用・相場
| 0からすべて作成 | リニューアル | デザインのみ作成 | |
| 料金 | 70万円 | 45万円 | 5,000円/ページ |
| 依頼内容 | 構成〜デザインまで | 構成〜デザインまで | デザインのみ |
| 備考 | 最大50ページ | 最大50ページ | 最低20ページから |
採用ピッチ資料を制作会社に依頼する場合の参考として、当社hypexの費用目安をご紹介します。
①ゼロから新規作成する場合
- 費用:一律 70万円(50ページまで)
- 制作期間:約2〜3.5ヶ月
- 打ち合わせ回数:8〜16回
- 備考:写真やテキスト情報はご提供いただきます。デザイン納品後、2回まで修正可能です。
②既存資料のリニューアル
- 費用:45万円
- 対象:すでにある採用ピッチ資料の内容を活かしつつ、構成・デザインを刷新したい方向け
③デザインのみ依頼したい場合
- 費用:1ページあたり 5,000円
- 対象:資料内容は自社で用意し、デザイン作業だけを外注したい場合
予算や状況に応じて柔軟に対応可能です。「まずは相談してみたい」という方は、下記の無料相談からお気軽にお問い合わせください!
採用ピッチ資料の制作代行におすすめの会社
株式会社hypex

おすすめポイント
- 1ページ単位で依頼ができる
- 資料作成後の採用支援も強い
株式会社hypexは企業の採用広報を支援する制作会社です。候補者体験の現状と理想との差分を整理し、しっかりとブランディング設計を行います。ゼロから作る場合の制作期間は約2ヶ月で、通常6回ほどのMTGを行います。制作プランも3つの中から選べます。
| ストーリー設計から 完全オリジナル作成 | 原稿のあるものを 資料の形に作成 | すでにある資料の デザインをアレンジ | |
| 料金 | 29,500円/P | 14,500円/P | 9,500円/P |
| 作業内容 | 構成からデザイン | 編集からデザイン | デザイン |
| 最低枚数 | 5ページから | 10ページから | 10ページから |
| 用意して頂くもの | なし | Excel/Word原稿 | PowerPoint資料 |
1ページ単位で依頼できるのは嬉しいメリット。また、株式会社hypexは過去に月間130万人が訪れる情報サイトを運営していた経験を活かし、採用ピッチ資料を作ったあとの集客や、採用広報全般を依頼できるため、さまざまな相談が可能です。
採用ピッチ資料の制作実績
どのような業種の採用ピッチ資料でも代行でき、写真撮影からオリジナルのイラストやグラフィック制作まで制作できます。詳しい実績については直接お問い合わせください。
株式会社hypexの会社概要
| 所在地 | 東京都渋谷区渋谷3-26-16 第五叶ビル5F |
| 設立 | 2019年12月5日 |
| 資本金 | 7,500,000円(資本準備金含む) |
| 社員紹介ページ | https://hypex.jp/member |
| 制作実績ページ | 直接お問い合わせください |
| 費用・料金 | 3つのプランを用意ゼロから作成:29,500円/P 原稿だけあるものを完成:14,500円/P デザインのみブラッシュアップ:9,500円/P |
| 問い合わせ | 問い合わせフォームより |
採用ピッチ資料のよくある質問(FAQ)
Q1.採用ピッチ資料とは何ですか?
採用ピッチ資料とは、企業が採用候補者に向けて、自社の情報や魅力を伝えるために作成するスライド形式の会社説明資料です。
会社概要や事業内容だけでなく、Mission・Vision、今後の成長戦略、組織、カルチャー、働き方、評価制度、福利厚生などをまとめます。採用サイトや求人票だけでは伝えきれない情報を補い、候補者が会社の全体像を理解するために使われます。
主な活用場面は、カジュアル面談、会社説明会、面接、スカウト送信後の情報提供などです。
Q2.採用ピッチ資料には何を載せるべきですか?
採用ピッチ資料には、候補者が「なぜこの会社が存在するのか」「どのような事業に取り組んでいるのか」「入社後にどのような環境で働くのか」を理解できる情報を掲載します。代表的な掲載項目は、次のとおりです。
- 会社概要
- Mission・Vision・Purpose
- 創業の背景
- 市場や社会が抱える課題
- 事業内容・サービス
- 事業の実績・成長戦略
- 組織構成・社員データ
- 経営陣・メンバー紹介
- 仕事内容・募集職種
- カルチャー・Values
- 働き方・福利厚生
- 評価・等級・給与制度
- 求める人物像
- 選考フロー
すべてを均等に掲載する必要はありません。事業理解が採用課題であれば事業説明を増やし、カルチャーミスマッチが課題であれば、社員の声やValuesを厚くするなど、採用したい人物に合わせて情報の優先順位を決めましょう。
Q3.採用ピッチ資料を作成するメリットは何ですか?
採用ピッチ資料を作るメリットは、会社の情報や魅力を、候補者に対して一貫した内容で伝えられることです。
採用担当者や面接官によって会社説明の内容が変わることを防ぎ、採用活動全体の情報品質をそろえられます。面談前に資料を共有しておけば、候補者が基本情報を理解した状態で面談に参加できるため、当日は志望動機や価値観、具体的な仕事内容など、より深い対話に時間を使えます。
採用ピッチ資料を見た求職者を対象とした調査では、全回答者が「企業理解が進んだ」と答え、99.1%が志望度にポジティブな変化があったと回答しています。企業理解の促進、志望度の向上、入社後のミスマッチ軽減に役立つ資料といえます。
Q4.採用ピッチ資料は何ページが適切ですか?
適切なページ数は、企業の事業数、採用職種、候補者に伝えたい情報によって異なります。本記事で紹介した良い採用ピッチ資料24事例を調査したところ、平均は49.4ページでした。最も多い資料は76ページ、最も少ない資料は22ページです。また、約3分の2の資料が40~60ページ前後に収まっていました。
そのため、会社概要、事業、組織、カルチャー、制度、採用情報まで一通り掲載する場合は、40~60ページ程度がひとつの目安になります。
ただし、ページ数を増やすこと自体が目的ではありません。短時間で会社の全体像を伝える資料なら20~30ページ、複数事業や職種別の仕事内容まで詳しく説明する資料なら60ページ以上になることもあります。
Q5.採用ピッチ資料のテンプレートはありますか?
無料または有料のテンプレートが公開されており、PowerPoint、Googleスライド、Canvaなどで編集できるものがあります。
テンプレートを使えば、ページ構成やレイアウトを一から考える必要がなくなり、制作時間を短縮できます。ただし、テンプレートの項目をそのまま埋めるだけでは、他社と似た資料になりやすいため注意が必要です。
資料としては良くなっても、採用ブランディングの観点で支障が出ます。
最初に採用課題と採用したい人物を整理し、その候補者が入社を判断するために必要な情報を決めたうえで、テンプレートを利用しましょう。構成の土台として活用し、自社の事業、文化、働く人が伝わる内容へ調整することが大切です。
Q6.採用ピッチ資料はいつ使うのが効果的ですか?
採用ピッチ資料は、候補者が会社に興味を持ってから、応募や入社を判断するまでのさまざまな場面で活用できます。特に効果的なのは、次のタイミングです。
- スカウトメールへの返信後
- カジュアル面談の前
- 会社説明会
- 面接の前後
- オファー面談
- リファラル採用で会社を紹介するとき
- 採用サイトや求人ページを閲覧するとき
面談前に共有すれば、候補者は会社の基本情報を理解した状態で参加できます。面談中は会社説明用のスライドとして使い、面談後には候補者が内容を振り返る資料として活用できます。
採用サイトへの掲載やSNSでの発信によって、まだ応募していない人に会社を知ってもらうことも可能です。
Q7.Speaker DeckとSlideShareのどちらを使うべきですか?
採用ピッチ資料の公開・埋め込みには、Speaker Deckをおすすめします。
Speaker Deckは画面構成がシンプルで、PCとスマートフォンのどちらでもスライドを閲覧しやすく、採用サイトへ埋め込んだ際にも周囲のデザインを邪魔しにくいことが特徴です。埋め込み用のiframeコードやJavaScriptコードも、公開ページから取得できます。
一方、SlideShareの無料閲覧ページは広告表示を前提としており、他の資料のレコメンドも表示されます。採用サイトへ掲載した場合、候補者の注意が広告や他社の資料へ移る可能性があります。
検索エンジンからの流入も狙う場合は、国産のスライド共有サービス「Docswell」を併用する方法もあります。Docswellはスライド内の文字を書き起こして詳細ページへ掲載し、検索エンジンにインデックスされる仕組みを提供しています。
Q8.給与や評価制度は載せるべきですか?
公開できる範囲で、できるだけ掲載することをおすすめします。
給与、昇給、評価制度は、候補者にとって重要でありながら、面接では質問しにくい情報です。dodaの調査では、「給与が低い・昇給が見込めない」が2021年から2025年まで5年連続で転職理由の1位となっています。2025年には「個人の成果で評価されない」も転職理由の3位に入りました。
候補者が聞きにくい情報だからこそ、企業側から先に開示することで、採用に対する透明性と信頼感を高められます。具体的には、次の内容を掲載するとよいでしょう。
- 評価する項目
- 成果と行動の評価比率
- 評価を行う頻度
- 目標設定からフィードバックまでの流れ
- 等級・グレード制度
- 昇格・昇給の仕組み
- マネジメントと専門職のキャリアパス
- 職種別・等級別の給与レンジ
- 賞与やインセンティブの考え方
給与額を詳しく公開できない場合でも、「何を評価し、どのように給与を決めているのか」という考え方は示せます。評価制度をブラックボックスにしないことが重要です。
Q9.会社の課題はどこまで書くべきですか?
会社の課題をどこまで掲載するかは、どのような人を採用したいかによって変わります。
現在の事業や組織の仕組みを安定的に運用し、既存のやり方を前向きに継続してくれる人を採用したい場合は、課題を大きく打ち出す必要はありません。現在の強み、確立された業務フロー、働きやすさなどを中心に伝える方が、候補者との相性を判断しやすくなります。
一方、会社や事業を大きく変えたい場合や、新規事業、組織改革、業務改善を担う人を採用したい場合は、現在の課題を積極的に掲載した方がよいでしょう。
会社にとっての課題は、候補者にとってのデメリットとは限りません。変革志向やチャレンジ志向の候補者にとっては、入社後に取り組める仕事や、成果を出せる余地になります。課題を掲載するときは、問題点だけを提示するのではなく、次の4点をセットで説明します。
- なぜ、その課題が生じているのか
- 現在、どこまで対応できているのか
- 今後、どのような状態を目指すのか
- 入社する人に、どのような役割を期待するのか
課題を「会社の弱点」ではなく、候補者と一緒に解決したい採用テーマとして伝えることが大切です。
ただし、労働条件や業務上の重大なリスクなど、候補者の入社判断に影響する事実を意図的に隠してはいけません。表現を工夫することと、事実を伏せることは分けて考える必要があります。
Q10.採用ピッチ資料は、どれくらいの頻度で、いつ更新すべきですか?
採用ピッチ資料は、1年に1回の更新を基本的な目安とし、半年に1回程度は情報が古くなっていないか確認しましょう。すべてのページを毎回作り直す必要はありません。数字や人員、制度など、変更があった部分だけを修正する方法で問題ありません。特に、次の変化があったときは更新が必要です。
- Mission・Vision・Valuesを変更した
- 新規事業や新しいサービスを開始した
- 事業戦略や中期目標が変わった
- 売上、顧客数、導入実績が更新された
- 経営陣や組織体制が変わった
- 従業員数や職種構成が変わった
- 出社・リモートワークの方針が変わった
- 評価制度や給与制度を改定した
- 福利厚生や休暇制度を変更した
- 募集職種や選考フローが変わった
社員数、売上、顧客数、育児休業取得率などの数字には、「○年○月時点」と基準日を記載しましょう。資料全体に更新年月を入れておけば、候補者も情報の新しさを判断できます。
採用ピッチ資料は一度作って終わるものではなく、事業や組織の変化を反映しながら育てていく資料です。
Q11.採用サイトがある場合でも、採用ピッチ資料は必要ですか?
採用サイトと採用ピッチ資料は、両方用意することが望ましいです。採用サイトと採用ピッチ資料は、役割と見られるタイミングが異なります。
| 採用サイト | 採用ピッチ資料 |
|---|---|
| 検索や求人媒体から訪問される | 面談前後や説明会で共有される |
| 候補者が必要なページを選んで読む | 企業が意図した順番で説明できる |
| 公開情報を幅広く掲載する | 会社の全体像を短時間で把握できる |
| 継続的な採用広報の拠点になる | 面談や説明会のプレゼン資料になる |
| 情報を探しながら読む | パンフレットをめくるように読み進める |
採用サイトは、候補者が興味のある情報を自由に探すための場所です。一方、採用ピッチ資料は、Mission、事業、組織、カルチャー、制度、採用情報を順番に伝えられます。
また、採用サイトは面談中の会社説明には使いにくいのに対し、採用ピッチ資料は画面共有しながら説明できます。面談前に送付し、面談後に候補者が見返すことも可能です。
公開できない情報がある場合は、次のように資料を分ける方法もあります。
- 採用サイトやSpeaker Deckに掲載する公開版
- 面談参加者だけに共有する限定版
- 特定職種の仕事内容や課題を加えた職種別資料
採用サイトと採用ピッチ資料は、どちらか一方で代用するものではありません。採用サイトで会社を知ってもらい、採用ピッチ資料で理解を深めるというように、役割を分けて活用しましょう。
採用ピッチ資料の作り方まとめ
最後までご覧いただき、ありがとうございます。採用ピッチ資料の概要を解説してきました。採用ピッチ資料とは、応募者が働く際に気になる情報やメッセージを、体系的かつストーリーをもってまとめた応募者に向けた会社説明資料です。
とにかく網羅的に会社情報を入れれば良いわけではなく、訴求ポイントを絞り、ターゲットが求めているものを理解することが大切です。読み進めていく上で、徐々に応募したくなるストーリー性を持たさないと効果が出ないため、考えて作り込むことがポイントです。
採用ピッチ資料についての作り方のホワイトペーパーもありますので合わせてご覧ください。
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- 候補者を態度変容させるストーリー設計に強い
- 採用難易度の高い職種に強い
- 構成からテキスト、デザインまで可能
採用ピッチ資料制作マップ資料

レポート構成
- よくある課題
- 採用ピッチ資料制作マップの重要性
- 使用用途
- 主な制作の流れ
- 制作する上でのヒント
- コンテンツのヒント
- ピッチ資料マップのテンプレート

成長企業における採用ブランディング・採用マーケティングを専門とし過去2年で50社以上を直接支援。前職では、月間150万利用者数を超える医療・美容のWebサービスの事業責任者、兼経営陣として組織の成長を牽引。成長組織におけるOKRを利用した評価制度の構築や外国人、ジェネレーション、女性、LGBTQ+などのダイバーシティ・マネジメントに尽力。