採用基準とは?設定方法や決めるときのポイント、注意点を解説
2024.01.07
「誰かいい人いませんか?」。誰もが聞いたことある言葉であり、つい採用担当者が言ってしまうワードです。果たして「いい人」とはどんな人なのか。企業や事業によって異なります。そこで採用広報における最重要の仕事の一つが「採用基準」を決めることです。採用基準によって良い人材を採用できるか大きく左右されます。この記事では採用基準について網羅的に解説します。
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採用基準とは?
項目 | 質問項目 | 基準 | 合否 |
信頼できる人か | 納期が遅れたとき、どう対応しますか? | 非を認めているか | ○ |
愚直な人か | あなたは自分を愚直だと思いますか? | 根拠が明確か | × |
チャレンジできるか | これまでどんな挑戦をしてきましたか? | 困難に挑んでいるか | △ |
採用基準とは、書類選考や面接などで応募者の合否を判断する評価基準です。「信頼できる人か」などの項目、それを確かめるための質問、合格の基準の3つが採用基準です。上のように誰が見てもわかるように表や評価シートを作成して可視化します。社内で採用の基準が統一されていること、誰が評価しても同じ評価になることが重要です。
例えば経営者のコンサルティング事業を手がけるマッキンゼーの最も重要な採用基準が「リーダーシップのある人」。個人で成果を出すのではなく、チームで成果を出せる人を求めています。
- 志の高い目標を掲げる人か
- 先頭に立って行動するか
- 自分自身の決定力があるか
- 言語化能力、言葉で伝える能力があるか
リーダーシップのある人かどうかの採用基準は上の4つになります。
採用条件との違い
採用基準は採用候補者が自社に合うか、事業を推進してくれるのかの「本質」や「資質」を見抜くためのもの。どんなスキル、資格を持っているかの「採用条件」を見極めるものではありません。スキルや能力は入社後でも身に付きます。しかし、企業のカルチャーや社風にフィットするかは人間性によるものなので、あとから鍛えるものではありません。自社とのマッチ度が低ければ早期退職につながります。離職率を減らすためにも採用基準は重要です。
採用基準を決めるタイミング
採用基準を決めるタイミングは企業によって異なりますが、基本的には採用計画を立てる初期の段階で決めておきます。何人採用するか、どんな人を欲しいか決めたあと、応募者が求める人材であるかを判断するための採用基準を決めます。
ただし、決めた採用基準は状況に応じて変えていきます。「実際に面接をしたけど面接官によって評価がバラバラだった」などの場合はブラッシュアップを行います。一度決めたら、それが絶対的な憲法のようになるわけではありません。どんどん改善を行うものであると覚えておいてください。
関連記事:採用計画とは?立て方やポイントを解説
採用基準を活用する場面
- 採用コンテンツの制作
- 採用面接
- 書類選考
設定した採用基準を活用するのは主に上の3つの場面です。採用面接や書類選考は当然ですが、重要なのは採用サイトや採用動画などの採用コンテンツを作る場合。採用基準が定まっていないうちに採用サイトを作ると、いざ応募があったときに自社が求める人材と乖離した人から応募が来てしまいます。採用コンテンツは採用基準をもとに考える必要があります。募集をかける場合も採用基準が軸になるのです。
採用基準の重要性
- 選考プロセスの効率が悪くなる
- 求める人材を採用できない
- 早期離脱者を生み出してしまう
もう少し採用基準の重要性を具体的にすると主に上の3つが挙げられます。採用基準を明確に決めないと、採用担当者と現場で認識の齟齬が起きます。現場は「愚直な人を採用してほしい」と言ったのに、採用担当者が考える「愚直」と現場が考える「愚直」の基準が異なれば、入社後に「全然、愚直な人じゃない」と問題に発展します。採用基準の重要性をしっかり理解しておいてください。
選考プロセスの効率が悪くなる
採用基準が社内で統一されておらず、個人によってバラバラだと採用の合否を決めるときに揉めることになります。YouTubeチャンネルの『THE ROLAND SHOW【公式】』ではホストの採用で社長のローランドさんと店長との喧喧諤諤が楽しめます。エンターテイメントとして秀逸ですが、実際の企業では議論の時間を減らしたいところ。採用基準が明確で可視化できていれば選考がスムーズになります。
また、採用基準が明確でないと採用サイトなどの採用コンテンツの募集も曖昧になります。どんな人と働きたいか明確にしておけば、応募条件も具体的になり、候補者も応募するか否かの判断がしやすいため、選考の効率化もはかれます。
求める人材を採用できない
採用基準が明確でないと、合否の基準がバラバラになり、本当はすごい戦力だったのに不合格になってしまう可能性もあります。1次面接の担当者は好印象だったのに、2次面接の担当者は真逆の印象になってしまうことも少なくありません。候補者の問題というより、採用基準が属人化することで起きてしまう問題です。採用面接の回数や選考のプロセスが多い企業ほど、採用基準の重要性は増してきます。
関連記事:採用面接の質問事例やNG行動、成功チェックリストを紹介
早期離脱者を生み出してしまう
採用基準は採用だけでなく、入社後にも影響を及ぼします。採用基準が曖昧で決めてしまうと自社に合わない人を採用してしまい、入社前とイメージが違った、この会社とは合わないなどの問題が生じ、全員が不幸になってしまいます。採用だけでなく入社後の離職率の面でも採用基準は重要なのです。
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新卒採用と中途採用の採用基準の違い
採用基準を決める際、新卒採用と中途採用と分けることが重要です。基本的に新卒は将来を期待してのポテンシャル採用、中途は即戦力採用になるため、基準を分けましょう。
新卒採用の採用基準
新卒採用は即戦力ではなく将来性を期待するポテンシャル採用です。そのため何年も長く会社で働いてくれるかが重要になり、継続力やカルチャーフィットなどを見極める必要があります。採用基準としては「仕事以外の経験(学生時代の経験)から仕事ができるか」を見極める採用基準が重要になります。
- 熱意
- 積極性
- 主体性
- 協調性
- 誠実性
中途採用の採用基準
中途採用は即戦力の人材を採用するため、これまでの仕事の経験・スキルを見極める採用基準を考える必要があります。もちろん、能力だけでなく既存社員とのコミュニケーションやカルチャーフィットも重要になるため、事業への理解度、人間性を見極める採用基準も設けることが大事です。
- スキル
- 経験値
- 事業理解
- 言語化能力
- コンピテンシー(会社との適性)
関連記事:カルチャーフィットとは?見極める方法や採用の準備を紹介
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採用基準の設定方法とステップ
- 求める人物像を明確にする
- 評価項目を定める
- 評価基準を定める
- 不採用の基準も決める
- 採用候補者に公開する
初めて採用基準を決める方は上の5つの順番で設定してみてください。順番が重要です。
求める人物像を明確にする
何より重要なことは「求める人物像を明確にする」ことです。ここを曖昧にしてしまうと、採用基準の項目や評価基準も曖昧になってしまいます。
求める人物像の項目 | 内容 |
ターゲット | 能力、経験が豊富な即戦力のエンジニア |
職種 | 土木、建築、電気、環境エンジニアの経験者 |
年齢 | シニア層(55〜70歳) |
これまでの仕事 | 仕事一筋でやってきたような人 |
今後の仕事のスタンス | これからの生活を含めた働き方に興味がある |
人物像は職種や年齢、これまでの仕事ぶり、今後の仕事のスタンスなどを決めてください。さらに、どんなスキルを持っているか、カルチャー面で会社にフィットしそうな性格なども決めると良いです。上の表は、建設事業者向けの技術コンサルティングを行うエンジニア募集の場合のターゲットです。当社hypexがターゲットを整理したときは下記のようなクリップボードに意見を出し合いました。
こんなに細かく決めるのと思ったかもしれませんが、色んなパターンを出したほうが最適なものが見つかりやすく、チーム内での認識のズレもなくなります。
関連記事:採用ペルソナとは?採用ターゲットとの違いや作り方を解説
評価項目を定める
求める人物像が完全に固まったら、求める人物像かどうかを判断するための評価項目を決めます。当サイトhypexが自社の人材採用で確認する採用基準の項目は下記です。
- 人として信頼できるか
- 誠実さ、真面目な人か
- 愚直な人か
- 言語化力はあるか
- チャレンジができる人か
- 運のいい人か(未来志向か?)
- hypexに興味を持っている理由があるか
人生の価値観、会社が進むべき方向が同じかを重視しています。会社は新しい事業にチャレンジしていきたいのに、安定的な仕事や生活を求めている応募者であればカルチャーフィットしません。事業と並走できる人かを見極めるために、チャレンジできる人か?運の良いひとか(未来志向か?)を判断するための採用基準を設けています。
評価基準を定める
項目 | 質問項目 | 基準 | 合否 |
スキル | 最も困難だったこと、乗り越えた方法 | 根拠が明確か | ○ |
経験値 | これまで達成した実績・成功体験 | 数字で共有できるか | × |
事業理解 | 自社の事業のどこに惹かれますか? | 会社の方針と合っているか | △ |
求める人物像かどうかの評価項目を決めたあと、評価基準を決めます。採用基準で最も難しい部分です。ポイントとしては主観情報と客観情報を分けること。例えば「誠実な人が欲しい」となった場合、誠実さの定義が人によって異なります。どんな質問項目、どんな回答であれば合否が属人化しないかを考えましょう。
不採用の基準も決める
ここからはマストではありませんが、不採用になる採用基準も決めると良いです。例えば、「服装がスーツではない」「採用面接で自分の意見を主張するばかりで話を聞かない」など。不採用の採用基準も言語化して共有することで、採用担当者の認識の齟齬や属人化を防ぐことができます。
採用候補者に公開する
公開できる範囲でいいので採用基準は採用候補者に公開しましょう。どんな人を求めているかを具体的に示すことで自社が望む人物だけ応募してくれるようになるからです。
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採用基準を定める際の注意点
- 現場の意見を聞く
- 未来の組織を考える
- 理想を高くしすぎない
採用基準を決めるときは上の3つを意識してみてください。
現場の意見を聞く
採用基準は採用担当者だけで決めず、セールスマンであれば営業部署の、エンジニアであれば開発部など、現場の部署の意見を取り入れましょう。採用したあと一緒に働くのは現場の人間です。会社(採用担当)として欲しい人材であっても現場の人間と不協和音が生まれては事業は推進しません。
例えば、会社としてはマネジメント能力に長けた人材が欲しくても、現場は作業をこなす即戦力に困っているかもしれません。採用基準を決める際に現場の人間と話し合う、もしくは採用基準を設定したあと現場の人間に確認してもらいましょう。
未来の組織を考える
採用基準で多い失敗は、即戦力を求めて今の会社に必要な人材の基準を決めてしまうことです。多くの企業は人材不足に悩んでおり、今すぐ人手が欲しいので、現在の会社に必要な基準を満たしている人を採用します。しかし変化の激しい現代では、数ヶ月先、1年先に事業や方針が変わることは珍しくありません。採用した人が数ヶ月後に別の部署に異動するケースもあります。その際、今の基準だけで採用してしまうと不具合が発生します。会社の将来も考慮に入れた上で採用基準を決めましょう。
理想を高くしすぎない
就職みらい研究所の『就職白書2023』によると、採用基準は年々厳しくなると思われます。会社に必要な人材を採用するため、採用基準を厳格化することは大事ですが、あまりに理想が高すぎるために書類選考の通過率、面接通過率が悪くなり、会社に必要な人材を採り逃してしまうケースも多々あります。会社に合うか、必要な存在になるかは実際に働いてみないとわからないもの。採用基準を決める場合は「must(最低限必要な基準)」と「want(できれば欲しい基準)」の2つに分けることがおすすめです。wantの採用基準を満たしていなくても、mustの採用基準をクリアしていれば採用したほうが良いケースもあります。
採用基準まとめ
最後までご覧いただき、ありがとうございます。自社で採用基準を決めるポイントを解説しました。要点を整理すると以下になります。
◎採用基準を活用する場面
- 採用コンテンツの制作
- 採用面接
- 書類選考
◎採用基準の重要性
- 選考プロセスの効率が悪くなる
- 求める人材を採用できない
- 早期離脱者を生み出してしまう
◎採用基準を定める際の注意点
- 現場の意見を聞く
- 未来の組織を考える
- 理想を高くしすぎない
以上のポイントを意識してみてください。採用基準は、その後の採用の成果を決める土台であり軸。企業にとって最重要です。採用基準について相談したい方、自社に良い採用基準を提案して欲しい方は採用支援のhypexにご相談ください。採用目標や採用課題などをオンラインでヒアリングし、最適な提案をさせていただきます。相談料は一切かかりません。
成長企業における採用ブランディング・採用マーケティングを専門とし過去2年で50社以上を直接支援。前職では、月間150万利用者数を超える医療・美容のWebサービスの事業責任者、兼経営陣として組織の成長を牽引。成長組織におけるOKRを利用した評価制度の構築や外国人、ジェネレーション、女性、LGBTQ+などのダイバーシティ・マネジメントに尽力。