カジュアル面談は何分・どのタイミングが適切?参加者316名調査でわかった運用の基準
2026.09.25
カジュアル面談を導入したものの、実際のところ何分でやるべきか、選考のどの段階で設定すべきか、明確な基準がないまま運用している企業は多いと思います。
hypexでは、直近3年以内にカジュアル面談やそれに近い面談を経験、または案内を受けた415名に調査を実施しました。本記事では、このうち実際に面談に参加した316名の回答から、実施タイミング、候補者の準備実態、負担感、望ましい所要時間と形式を整理します。
前提として、同じ調査をもとにした別記事で、参加者の半数以上が面談中に「評価されている」と感じていることをお伝えしました。本記事はその続きにあたります。なぜ候補者は評価されていると感じるのか。その答えは、面談の中身ではなく運用の設計にありました。
この調査について
本調査は雇用形態を問わず、直近3年以内に求職・応募活動を行った方を対象としています。新卒採用に限定した調査でも、正社員採用に限定した調査でもありません。
有効回答415名のうち、実際にカジュアル面談やそれに近い面談に参加した方が316名、案内を受けたが参加しなかった方が99名でした。以降の集計は、特に断りがない限りこの316名を母数とします。
316名の内訳は次のとおりです。
| 直近3年以内に行った活動 | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
| 中途転職 | 137名 | 43.4% |
| アルバイト・パート応募 | 116名 | 36.7% |
| 派遣・契約社員応募 | 44名 | 13.9% |
| 新卒就活 | 11名 | 3.5% |
| その他 | 7名 | 2.2% |
| 応募を検討したが実際には応募していない | 1名 | 0.3% |
| 合計 | 316名 | 100% |
| 年代 | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
| 30代 | 109名 | 34.5% |
| 40代 | 85名 | 26.9% |
| 20代 | 75名 | 23.7% |
| 50代 | 37名 | 11.7% |
| 60代以上 | 9名 | 2.8% |
| 10代 | 1名 | 0.3% |
| 合計 | 316名 | 100% |
なお、参加回数は「1回」が139名(44.0%)、「2回」が99名(31.3%)で、この2つで238名・75.3%を占めます。多くの回答者にとって、カジュアル面談は何度も経験するものではありません。
1. カジュアル面談の59.8%は、応募後に行われている
まず、面談がどの段階で設定されているかを確認します。
参加者316名に「カジュアル面談やそれに近い面談を受けた、または案内されたタイミングとして最も近いものを選んでください」と聞きました。単一回答なので、各グループの人数を足すと316名になります。

表1:カジュアル面談が実施されたタイミング(単一回答/母数316名)
| 実施タイミング | 人数 | 316名に対する割合 |
|---|---|---|
| 応募後、書類選考前 | 102名 | 32.3% |
| 書類選考後、一次面接前 | 87名 | 27.5% |
| 応募前 | 54名 | 17.1% |
| スカウトを受けた直後 | 19名 | 6.0% |
| 一次面接後 | 19名 | 6.0% |
| 内定後 | 12名 | 3.8% |
| 内定前 | 10名 | 3.2% |
| 案内を受けただけで、実際には参加していない | 7名 | 2.2% |
| 覚えていない | 6名 | 1.9% |
「応募後、書類選考前」の102名(32.3%)と「書類選考後、一次面接前」の87名(27.5%)を合わせると189名、59.8%です。つまり、カジュアル面談のおよそ6割は、候補者がすでに応募した後、選考プロセスの内側で行われています。
一方、「応募前」は54名で17.1%にとどまりました。応募を迷っている人に会う場としてのカジュアル面談は、実際には少数派です。
さらに「一次面接後」19名(6.0%)、「内定前」10名(3.2%)、「内定後」12名(3.8%)を合わせた41名(13.0%)は、選考がかなり進んだ段階で面談を受けています。
カジュアル面談という言葉から想像される「応募前の気軽な接点」は、実態としては全体の2割弱でした。残りの大半は、選考の途中に挟まれた面談です。この構造が、後述する候補者の受け止め方に影響しています。
2. 参加者の77.2%が、事前に何らかの準備をしている
次に、候補者が面談前に何をしているかを見ます。
参加者316名に「カジュアル面談やそれに近い面談の前に、どの程度準備しましたか」と聞きました。単一回答です。
表2:面談前の準備の程度(単一回答/母数316名)
| 準備の程度 | 人数 | 316名に対する割合 |
|---|---|---|
| かなり準備した | 19名 | 6.0% |
| ある程度準備した | 115名 | 36.4% |
| 少しだけ準備した | 110名 | 34.8% |
| ほとんど準備しなかった | 41名 | 13.0% |
| まったく準備しなかった | 20名 | 6.3% |
| 案内を受けただけで、実際には参加していない | 7名 | 2.2% |
| 覚えていない | 4名 | 1.3% |
「かなり準備した」19名、「ある程度準備した」115名、「少しだけ準備した」110名を合わせて244名。316名に対して77.2%が、何らかの準備をして面談に臨んでいます。「ほとんど準備しなかった」41名と「まったく準備しなかった」20名を合わせた61名(19.3%)は少数派でした。
では、具体的に何を準備しているのか。同じ316名に「面談の前に行った準備をすべて選んでください」と聞きました。複数回答です。
表3:面談前に行った準備の内容(複数回答/母数316名)
| 準備の内容 | 人数 | 316名に対する割合 |
|---|---|---|
| 企業サイトを見た | 198名 | 62.7% |
| 採用サイト・採用ページを見た | 169名 | 53.5% |
| 自己紹介や職務経歴を準備した | 151名 | 47.8% |
| 質問したいことを整理した | 140名 | 44.3% |
| 志望理由を準備した | 129名 | 40.8% |
| 求人票を見直した | 127名 | 40.2% |
| 面接に近い準備をした | 94名 | 29.7% |
| 口コミサイトを見た | 44名 | 13.9% |
| 採用SNSを見た | 29名 | 9.2% |
| ニュース記事やプレスリリースを見た | 17名 | 5.4% |
| 特に準備はしなかった | 15名 | 4.7% |
上位2つは情報収集です。企業サイトが198名(62.7%)、採用サイト・採用ページが169名(53.5%)でした。
注目すべきは3位以降です。「自己紹介や職務経歴を準備した」が151名(47.8%)、「志望理由を準備した」が129名(40.8%)、「面接に近い準備をした」が94名(29.7%)。これらは面接の準備そのものです。
参加者のおよそ半数が職務経歴を用意し、4割が志望理由を考えて、カジュアル面談に臨んでいます。企業が「気軽にお話ししましょう」と案内していても、候補者側は面接に近い構えで来ているということです。
なお、企業サイトと採用サイトを合わせて見ている人が多い点は、採用サイト調査の結果とも一致します。同調査では、応募前に最も参考にされる情報源が採用サイト(421名中87.9%)でした。カジュアル面談の前にも、候補者はまず自社サイトを見ています。
3. 56.3%が事前に負担を感じている
準備をしているということは、負担も発生しています。
参加者316名に「カジュアル面談やそれに近い面談の前に、負担や面倒さを感じましたか」と聞きました。単一回答です。
表4:面談前に負担や面倒さを感じたか(単一回答/母数316名)
| 回答 | 人数 | 316名に対する割合 |
|---|---|---|
| 強く感じた | 37名 | 11.7% |
| やや感じた | 141名 | 44.6% |
| あまり感じなかった | 103名 | 32.6% |
| まったく感じなかった | 22名 | 7.0% |
| 案内を受けただけで、実際には参加していない | 9名 | 2.8% |
| 覚えていない | 4名 | 1.3% |
「強く感じた」37名と「やや感じた」141名を合わせて178名。316名に対して56.3%が、面談前に負担や面倒さを感じています。「あまり感じなかった」103名と「まったく感じなかった」22名を合わせた125名(39.6%)を上回りました。
その理由を、同じ316名に複数回答で聞いています。
表5:負担や面倒さを感じた理由(複数回答/母数316名)
| 理由 | 人数 | 316名に対する割合 |
|---|---|---|
| 事前準備が必要だと感じたから | 103名 | 32.6% |
| 評価される可能性があると感じたから | 89名 | 28.2% |
| どこまで本音を話してよいかわからなかったから | 88名 | 27.8% |
| 何を話せばよいかわからなかったから | 84名 | 26.6% |
| 特に負担や面倒さは感じなかった | 61名 | 19.3% |
| 気軽に話せる場かどうか不安だったから | 56名 | 17.7% |
| 選考との違いがわかりづらかったから | 50名 | 15.8% |
| 日程調整が負担だったから | 28名 | 8.9% |
| 面談の目的がよくわからなかったから | 25名 | 7.9% |
| オンライン接続や移動が面倒だったから | 19名 | 6.0% |
| 選考に進む前に時間を取られることが負担だったから | 11名 | 3.5% |
1位は「事前準備が必要だと感じたから」で、316名中103名(32.6%)でした。2位が「評価される可能性があると感じたから」89名(28.2%)、3位が「どこまで本音を話してよいかわからなかったから」88名(27.8%)です。
一方、運営上の手間である「日程調整が負担だったから」は28名(8.9%)、「オンライン接続や移動が面倒だったから」は19名(6.0%)にとどまります。
候補者が負担に感じているのは、時間や移動ではありません。準備しなければならないこと、そして評価されるかもしれないことです。日程調整ツールを導入しても、この負担は減りません。
4. 準備した人ほど、「評価されている」と感じている
ここからが本記事の中心です。
前提となる別記事で、参加者の半数以上が面談中に「評価されている」と感じているとお伝えしました。本調査で改めて集計すると、参加者316名のうち「強くあった」28名(8.9%)と「ややあった」154名(48.7%)を合わせて182名、57.6%が、評価されていると感じる場面があったと回答しています。
では、どういう人が評価されていると感じるのか。準備の程度別に集計しました。
表6:面談前の準備の程度別に見た、「評価されていると感じた」割合(母数316名)
| 準備の程度 | 該当者 | そのうち評価されていると感じた |
|---|---|---|
| かなり準備した(参考値) | 19名 | 18名・94.7% |
| ある程度準備した | 115名 | 72名・62.6% |
| 少しだけ準備した | 110名 | 62名・56.4% |
| ほとんど準備しなかった | 41名 | 20名・48.8% |
| まったく準備しなかった | 20名 | 8名・40.0% |
| (参考)参加者全体 | 316名 | 182名・57.6% |
準備の程度が下がるにつれて、評価されていると感じた割合も一直線に下がります。該当者が20名以上の4グループで見ると、「ある程度準備した」115名では72名・62.6%、「少しだけ準備した」110名では62名・56.4%、「ほとんど準備しなかった」41名では20名・48.8%、「まったく準備しなかった」20名では8名・40.0%でした。
「ある程度準備した」62.6%と「まったく準備しなかった」40.0%の差は22.6ポイントです。参加者全体の57.6%(316名中182名)を基準にすると、準備した層は上回り、準備しなかった層は下回っています。
なお、最も準備した「かなり準備した」層は19名中18名・94.7%でしたが、該当者が19名と少ないため参考値として扱ってください。この層を含めた最上位と最下位の差は54.7ポイントになります。
同じ集計を負担感についても行うと、さらにはっきりします。
表7:面談前の準備の程度別に見た、「負担や面倒さを感じた」割合(母数316名)
| 準備の程度 | 該当者 | そのうち負担を感じた |
|---|---|---|
| かなり準備した(参考値) | 19名 | 18名・94.7% |
| ある程度準備した | 115名 | 82名・71.3% |
| 少しだけ準備した | 110名 | 58名・52.7% |
| ほとんど準備しなかった | 41名 | 15名・36.6% |
| まったく準備しなかった | 20名 | 3名・15.0% |
| (参考)参加者全体 | 316名 | 178名・56.3% |
準備と負担感、準備と評価感は、どちらも同じ方向に動いています。
ここで注意が必要です。この集計は相関を示すもので、因果の向きを証明したものではありません。「準備したから評価されていると感じた」のか、「評価される場だと思ったから準備した」のか、本調査では切り分けられません。
ただし、企業側の打ち手はどちらの向きでも同じになります。候補者に準備が要らないと事前に伝えることが、そのまま「評価の場ではない」というメッセージになります。実際、負担の理由の1位は「事前準備が必要だと感じたから」103名(32.6%)でした。
5. 応募後に実施された面談ほど、「評価されている」と感じている
準備と並んで、もうひとつ効いている要素があります。実施タイミングです。
第1章で見たタイミング別に、「評価されていると感じた」割合を集計しました。

表8:実施タイミング別に見た、「評価されていると感じた」割合と「負担を感じた」割合(母数316名)
| 実施タイミング | 該当者 | 評価されていると感じた | 負担を感じた |
|---|---|---|---|
| 応募前 | 54名 | 25名・46.3% | 25名・46.3% |
| 応募後〜一次面接前 | 189名 | 118名・62.4% | 112名・59.3% |
| 一次面接後〜内定後 | 41名 | 22名・53.7% | 27名・65.9% |
| スカウトを受けた直後 | 19名 | 15名・78.9% | 12名・63.2% |
| (参考)参加者全体 | 316名 | 182名・57.6% | 178名・56.3% |
応募前に実施された面談では、54名中25名・46.3%が評価されていると感じました。応募後〜一次面接前では、189名中118名・62.4%です。差は16.1ポイントあります。
同じ「カジュアル面談」という名前でも、応募後に設定された時点で、候補者の受け止め方は変わっています。選考プロセスの内側に置かれた面談を「これは選考ではありません」と案内しても、候補者はそう受け取っていません。
負担感では順序が少し変わります。最も高いのは「一次面接後〜内定後」の41名中27名・65.9%で、応募前の46.3%を19.6ポイント上回りました。選考が進むほど、面談への身構えが強くなっています。
なお「スカウトを受けた直後」19名は78.9%と最も高い数値でしたが、該当者が19名と少ないため参考値です。
第4章と第5章を合わせると、候補者が「評価されている」と感じる要因は、面談の話し方や雰囲気づくりの前段階にあることがわかります。いつ設定したか、準備が必要だと思わせたか。この2つです。
6. 適切だと思う所要時間は「30分以内」が75.6%
ここからは、運用の具体的な数値です。
参加者316名に「カジュアル面談の時間として、最も適切だと思うものを選んでください」と聞きました。単一回答です。

表9:カジュアル面談の適切な所要時間(単一回答/母数316名)
| 所要時間 | 人数 | 316名に対する割合 |
|---|---|---|
| 16〜30分程度 | 169名 | 53.5% |
| 15分以内 | 70名 | 22.2% |
| 31〜45分程度 | 49名 | 15.5% |
| 46〜60分程度 | 15名 | 4.7% |
| 内容によって変わる | 10名 | 3.2% |
| 60分以上 | 2名 | 0.6% |
| わからない | 1名 | 0.3% |
最多は「16〜30分程度」で169名(53.5%)。これに「15分以内」70名(22.2%)を加えると239名、316名に対して75.6%です。
一方、31分以上を適切と答えたのは、「31〜45分程度」49名、「46〜60分程度」15名、「60分以上」2名の合計66名で、20.9%にとどまりました。60分以上を選んだのは2名(0.6%)だけです。
候補者が想定している長さは、30分以内です。1時間枠で設定している場合、候補者の感覚とは倍の開きがあります。第3章で見たとおり負担の理由は準備と評価にありましたが、枠の長さ自体が「これは本格的な面談だ」というシグナルになっている可能性があります。
7. 形式は対面とオンラインで、ほぼ半分に割れる
所要時間とは対照的に、形式については意見が割れました。
参加者316名に「カジュアル面談の形式として、最も望ましいものを選んでください」と聞きました。単一回答です。
表10:望ましいカジュアル面談の形式(単一回答/母数316名)
| 形式 | 人数 | 316名に対する割合 |
|---|---|---|
| 対面がよい | 77名 | 24.4% |
| オンラインがよい | 77名 | 24.4% |
| どちらかといえば対面がよい | 59名 | 18.7% |
| どちらかといえばオンラインがよい | 56名 | 17.7% |
| 内容によって変わる | 37名 | 11.7% |
| どちらでもよい | 10名 | 3.2% |
対面志向は「対面がよい」77名と「どちらかといえば対面がよい」59名を合わせて136名・43.0%。オンライン志向は「オンラインがよい」77名と「どちらかといえばオンラインがよい」56名を合わせて133名・42.1%です。差は0.9ポイントしかありません。
この設問には多数派が存在しません。加えて「内容によって変わる」が37名(11.7%)、「どちらでもよい」が10名(3.2%)です。
運用上の含意ははっきりしています。形式を一律に決めると、候補者のおよそ4割に合わない設定になります。案内の段階で選べるようにするか、少なくとも希望を聞く一文を入れるのが現実的です。
なお、負担の理由で「オンライン接続や移動が面倒だったから」を挙げたのは316名中19名(6.0%)にとどまっていました。形式そのものは、負担の主因ではありません。選べないことのほうが問題になります。
8. 運用を見直す3つのポイント
ここまでのデータから、優先順位を3つに整理します。
参加者316名に「候補者にとって負担が少なく、企業理解につながるカジュアル面談にするために、企業が優先すべきことをすべて選んでください」と聞いた結果が下記です。複数回答です。
表11:企業が優先すべきこと(複数回答/母数316名)
| 優先すべきこと | 人数 | 316名に対する割合 |
|---|---|---|
| 面談の目的を事前に説明する | 183名 | 57.9% |
| 選考に関わる要素があるかどうかを事前に説明する | 167名 | 52.8% |
| 所要時間を事前に知らせる | 114名 | 36.1% |
| 当日の流れを事前に知らせる | 108名 | 34.2% |
| 事前準備が必要かどうかを説明する | 104名 | 32.9% |
| 給与・働き方・大変なことなども話しやすい雰囲気にする | 95名 | 30.1% |
| 面談相手を事前に知らせる | 88名 | 27.8% |
| 一方的な説明ではなく対話の時間を増やす | 73名 | 23.1% |
| 選考との位置づけを分かりやすくする | 59名 | 18.7% |
| 聞けることや相談できる内容を事前に示す | 57名 | 18.0% |
| 候補者の質問に率直に答える | 55名 | 17.4% |
| 無理に応募を促さない | 32名 | 10.1% |
| オンラインで参加しやすくする | 25名 | 7.9% |
| 特に改善すべきことはない | 10名 | 3.2% |
上位5項目はすべて、面談の当日ではなく事前の案内に関するものです。目的183名(57.9%)、選考要素の有無167名(52.8%)、所要時間114名(36.1%)、当日の流れ108名(34.2%)、事前準備の要否104名(32.9%)。
対して、当日の進め方にあたる「一方的な説明ではなく対話の時間を増やす」は73名(23.1%)、「候補者の質問に率直に答える」は55名(17.4%)でした。改善余地があると見られているのは、面談そのものより案内文です。
① 案内文に「所要時間」と「準備不要」を書く
負担の理由の1位は「事前準備が必要だと感じたから」で316名中103名(32.6%)。優先すべきことでは「所要時間を事前に知らせる」が114名(36.1%)、「事前準備が必要かどうかを説明する」が104名(32.9%)でした。
- 所要時間を明記する。第6章のとおり、候補者が適切と考える長さは30分以内が239名・75.6%です。60分枠は見直してください
- 「履歴書や職務経歴書の準備は不要です」と明記する。第2章のとおり、現状では151名(47.8%)が職務経歴を、129名(40.8%)が志望理由を準備しています
- 当日の流れを3行程度で書く
② 選考要素の有無を、案内の時点で明言する
「選考に関わる要素があるかどうかを事前に説明する」は316名中167名(52.8%)が挙げた2位の項目です。
さらに、同じ316名に「カジュアル面談に選考に関わる要素が含まれる場合、企業には事前に説明してほしいと思いますか」と聞いたところ、「必ず説明してほしい」135名(42.7%)と「できれば説明してほしい」143名(45.3%)を合わせて278名、88.0%が説明を求めました。「説明がなくてもあまり気にならない」6名(1.9%)と「まったく気にならない」4名(1.3%)は、合わせて10名(3.2%)にすぎません。
第5章のとおり、応募後に設定された面談では189名中118名・62.4%が評価されていると感じています。選考要素があるなら、隠すより書くほうが実態に合っています。
③ 実施タイミングを、目的に合わせて選び直す
第5章の結果は、タイミングが候補者の受け止め方を左右することを示しています。応募前に実施した場合の評価感は54名中25名・46.3%、応募後〜一次面接前では189名中118名・62.4%でした。
- 応募を迷っている層に会いたいなら、応募前に設定する。現状は316名中54名(17.1%)にとどまります
- 応募後に設定するなら、「気軽な面談」と案内しない。選考の一部として位置づけたほうが、候補者の認識と一致します
- 一次面接後以降に設定する場合は、負担感が41名中27名・65.9%と最も高くなることを踏まえ、目的を明確に伝える
なお、面談の形式については第7章のとおり対面136名(43.0%)とオンライン133名(42.1%)でほぼ拮抗しています。どちらかに固定せず、案内時に希望を聞いてください。
まとめ
本調査でわかったことを、数字の意味とあわせて整理します。
カジュアル面談の約6割は、応募後に行われています。実際に面談に参加した316名のうち、「応募後、書類選考前」が102名(32.3%)、「書類選考後、一次面接前」が87名(27.5%)で、合計189名・59.8%でした。これに対し「応募前」は54名・17.1%です。応募前の気軽な接点として機能している面談は、全体の2割弱にとどまります。
参加者の8割近くが、事前に準備をしています。316名のうち「かなり準備した」19名、「ある程度準備した」115名、「少しだけ準備した」110名を合わせて244名・77.2%が何らかの準備をしていました。内容を見ると、企業サイトの閲覧198名(62.7%)に次いで、自己紹介や職務経歴の準備が151名(47.8%)、志望理由の準備が129名(40.8%)、面接に近い準備が94名(29.7%)と、面接の準備そのものが並びます。
そして半数以上が、事前に負担を感じています。316名のうち「強く感じた」37名と「やや感じた」141名を合わせて178名・56.3%でした。理由の1位は「事前準備が必要だと感じたから」で103名(32.6%)。対して「日程調整が負担だったから」は28名(8.9%)、「オンライン接続や移動が面倒だったから」は19名(6.0%)にとどまります。負担の中身は、手間ではなく準備と評価です。
準備の程度と「評価されている」という感覚は、連動していました。316名を準備の程度で分けると、評価されていると感じた割合は「ある程度準備した」115名で72名・62.6%、「少しだけ準備した」110名で62名・56.4%、「ほとんど準備しなかった」41名で20名・48.8%、「まったく準備しなかった」20名で8名・40.0%と、一直線に下がります。「ある程度準備した」と「まったく準備しなかった」の差は22.6ポイントです。参加者全体は316名中182名・57.6%でした。該当者19名の「かなり準備した」層は18名・94.7%でしたが、人数が少ないため参考値です。ただしこれは相関であり、どちらが原因かは本調査では特定できません。
実施タイミングによっても、受け止め方は変わります。応募前に実施された面談では54名中25名・46.3%が評価されていると感じたのに対し、応募後〜一次面接前では189名中118名・62.4%でした。差は16.1ポイントです。負担感については、一次面接後〜内定後に実施されたケースが41名中27名・65.9%で最も高くなりました。
適切な所要時間には、はっきりした答えがあります。316名のうち「16〜30分程度」が169名(53.5%)、「15分以内」が70名(22.2%)で、合わせて239名・75.6%が30分以内を挙げました。31分以上を挙げたのは66名・20.9%、60分以上はわずか2名(0.6%)です。
一方、形式には答えがありません。対面志向は136名・43.0%、オンライン志向は133名・42.1%で、差は0.9ポイントでした。多数派が存在しないため、一律に決めると約4割に合わない設定になります。
そして候補者が求めているのは、当日の工夫ではなく事前の案内です。「企業が優先すべきこと」の上位5項目は、面談の目的183名(57.9%)、選考要素の有無167名(52.8%)、所要時間114名(36.1%)、当日の流れ108名(34.2%)、事前準備の要否104名(32.9%)と、すべて事前に伝える情報でした。選考要素が含まれる場合の事前説明については、316名中278名・88.0%が求めています。
カジュアル面談の設計でまず手を入れるべきは、面談の進め方ではなく案内文と設定タイミングです。所要時間を書き、準備は不要だと書き、選考要素の有無を書く。そのうえで、応募前に会いたいのか、選考の一部として会うのかを決める。「気軽な場です」と言い添えることが、最も効果の薄い対策でした。
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調査概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査名 | カジュアル面談に関するアンケート |
| 調査対象 | 直近3年以内にカジュアル面談、面談、会社説明、社員面談、応募前面談、スカウト後の面談、選考前の面談のいずれかを経験、または案内を受けた方 |
| 有効回答数 | 415名(うち実際に参加した316名を本記事の分析対象。案内を受けたが参加しなかった方が99名) |
| 調査期間 | 2026年7月9日〜10日 |
| 調査方法 | インターネット調査 |
| 調査主体 | 株式会社hypex |
※本調査は雇用形態を問わず、直近3年以内に求職・応募活動を行った方を対象としています。参加者316名の直近3年以内の活動内訳は、中途転職137名(43.4%)、アルバイト・パート応募116名(36.7%)、派遣・契約社員応募44名(13.9%)、新卒就活11名(3.5%)、その他8名(2.5%)です。新卒就活の経験者は少数のため、新卒採用のカジュアル面談に一般化することはできません。
※年代の内訳は、30代109名(34.5%)、40代85名(26.9%)、20代75名(23.7%)、50代37名(11.7%)、60代以上9名(2.8%)、10代1名(0.3%)です。
※回答者はクラウドソーシングサービス経由で募集しています。
※構成比は小数点第2位以下を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。複数回答の設問では合計が100%を超えます。
※第4章・第5章で示した数値は、準備の程度や実施タイミングと「評価されていると感じた」割合の相関を示すものであり、因果関係を証明したものではありません。また、施策の効果を測定したものでもありません。
※該当者が20名未満のグループ(「かなり準備した」19名、「スカウトを受けた直後」19名)は参考値です。本文では、これらを除いた20名以上のグループの数値を主たる結果として記載しています。
採用の見え方を、変えにいく。
