採用イベントとは?成功するための企画・運営ポイント完全ガイド
2025.03.28

「いい人に出会えない」「エントリーにつながらない」「学生に刺さらない」
そんな悩みを抱える採用担当者にとって、採用イベントは今や欠かせない戦略ツールです。
本記事では、採用イベントの基本から種類・成功事例・運営ノウハウまでを網羅的に解説。初めてイベントを担当する方から、今より成果を高めたい方まで必見の内容です。
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採用イベントとは?目的とメリットを解説
採用イベントの定義(新卒・中途)
採用イベントとは、企業が求職者との接点を創出し、採用活動を促進するために行う広報・選考・交流の場です。
区分 | 採用イベントの特徴 |
新卒採用 | 説明会、インターンシップ、合同企業説明会などが中心 就職活動を始める学生に自社を知ってもらう機会 初期の認知拡大・志望動機形成が目的 |
中途採用 | キャリアイベント、オンラインセミナーなどを活用 即戦力人材や転職潜在層との接点創出が目的 動機づけから選考誘導までを想定 |
新卒採用においては、「説明会・インターンシップ・合同企業説明会」などが代表的で、就職活動を始める学生に対して自社を知ってもらう機会として機能します。
一方、中途採用では、キャリアイベント・オープンカンパニー・オンラインセミナーなどが活用され、即戦力人材との出会いや転職潜在層へのアプローチを目的としています。
いずれも、「母集団形成」から「動機づけ」までを担う重要な接点であり、企業ブランディングと候補者体験を同時に設計する必要があります。
企業側/求職者側のメリット
採用イベントのメリット・デメリットを把握しておくことで、自社の採用課題に合った最適な活用方法を見極めることができます。また、効果的な設計や運営につなげるための判断材料にもなります。
▶企業側のメリット
- 認知拡大とブランディング:求職者に直接アプローチすることで、企業の存在や魅力を効果的に伝えられる。
- ミスマッチの軽減:企業カルチャーや社員の雰囲気を伝えることで、入社後のギャップを減らせる。
- 選考への誘導がしやすい:イベントからエントリーや面談にスムーズにつなげられる。
- 採用コストの最適化:採用媒体頼りではなく、企業主導の集客でCPA(1人あたり獲得コスト)を抑制できる。
▶求職者側のメリット
- 企業理解が深まる:Web上の情報だけでは分からない企業文化や人の雰囲気を感じ取れる。
- 気軽に参加しやすい:特にカジュアルイベントやオンライン形式では、応募前に気軽に参加可能。
- 比較検討がしやすい:複数企業と直接接点を持てることで、自分に合う企業を探しやすくなる。
目的別の分類(認知拡大/母集団形成/選考誘導 など)
採用イベントは、その目的に応じて大きく3つの段階に分けて設計することができます。
目的 | イベントの例 | 特徴 |
認知拡大 | キャリアセミナー/企業紹介イベント/ SNSライブ配信 | 広く自社を知ってもらうための接点作り |
母集団形成 | 合同説明会/自社説明会/ カジュアル座談会 | 興味を持った層を「リード」として獲得 |
選考誘導 | 社員面談/インターン選考会/ 実務ワークショップ | 選考へのエントリー・動機付けに繋がる設計 |
重要なのは、自社の採用課題やターゲットに合わせて、目的を明確にしてイベントを設計することです。たとえば、認知度が低いBtoB企業なら「認知拡大」に注力すべきで、選考途中の離脱が多い企業なら「選考誘導」にフォーカスした内容にする必要があります。
関連記事:母集団形成とは?最強の採用戦略10選と成功事例!採用できないはもう終わり!
採用イベントの種類と特徴
採用イベントにはさまざまな形式があり、目的やターゲットによって使い分けることが重要です。ここでは主な分類と、それぞれの特徴について解説します。
自社開催型 vs 合同説明会
採用イベントは「自社開催型」と「合同説明会」の2つに大別されます。
自社開催型は、企業が独自に企画・運営するイベントで、内容や進行、参加者体験を自由に設計できるのが大きな特徴です。自社のオフィスで行う説明会や、オンラインでのオープンカンパニーなどがこれにあたります。ブランドメッセージを丁寧に伝えたり、少人数で深いコミュニケーションを取ったりしたい企業に適しています。
一方、合同説明会は、複数の企業が一堂に会するイベントで、集客力とリーチの広さが魅力です。就活生や転職者がまだ企業研究を進めていない段階でも参加しやすく、初期接点として有効です。ただし、他社との比較の中で印象が埋もれやすく、限られた時間でどれだけ差別化できるかがカギになります。
オンライン vs オフライン
開催形式としては、「オンライン開催」と「オフライン開催」に分かれます。
オンライン開催は、ZoomやTeamsなどのWeb会議ツールを使って実施される形式で、移動が不要なことから求職者の参加ハードルが低く、全国各地からアクセスできるのが特徴です。特に学生や多忙な転職者層との接点づくりに効果的で、企業側も会場費や交通費などのコストを抑えられるメリットがあります。ただし、画面越しでは企業の雰囲気や社員の人柄が伝わりにくいという課題もあります。
オフライン開催は、会場に直接集まって実施する従来型のイベントです。対面だからこそ得られる臨場感や信頼感があり、社風や職場の空気感をリアルに体験してもらえるのが強みです。準備や運営には一定の工数がかかるものの、熱量の高い候補者との深い接点を生むには非常に有効です。
カジュアル面談/インターンシップ型/交流会型
採用イベントの形式は、多様化しています。以下は代表的な3タイプです。
カジュアル面談型

服装自由・選考なしで参加できる“話を聞くだけ”イベントです。心理的ハードルを下げ、企業の雰囲気を知ってもらう入口として効果的。Z世代との相性も良いです。
インターンシップ型

1日〜数週間にわたって業務体験を提供する形式です。業務理解・志望度醸成に優れており、選考直結型の設計も可能。新卒採用においては特に主流です。
交流会型(座談会・MeetUpなど)

社員と参加者が自由に会話できる形式です。社員のリアルな声が伝わり、求職者の不安払拭や志望動機形成に効果あり。オンライン・オフラインともに実施可能です。
トレンド:メタバース採用/ハイブリッド開催
近年は、テクノロジーの進化や行動様式の変化に伴い、新たな採用イベントの形が注目されています。
メタバース採用

バーチャル空間上に企業ブースを設置し、アバターを使って説明会や交流を実施します。参加者は匿名で自由に移動・質問できるなど、リアルイベントにはない柔軟性があります。
ハイブリッド開催
オフライン会場とオンライン配信を組み合わせた形式です。会場に来る参加者と、自宅からオンラインで参加する候補者の両方が同時に参加します。
オンデマンド型イベント
録画コンテンツをいつでも視聴できるスタイルです。スケジュール調整不要で、求職者側の利便性が高く、認知フェーズでの情報提供に向いています。
【新卒採用イベント】代表的な就活イベントの事例
新卒採用イベント 比較表(特徴 × 活用ポイント)
イベント名 | 特徴 | 活用のポイント |
マイナビ就職EXPO | ・国内最大規模 ・業種・職種が多様 ・就活初期層への訴求に強い | 認知拡大や 母集団形成に最適 |
キャリタス就活フォーラム | ・テーマ特化型でマッチング精度◎ ・上位校学生層にリーチしやすい ・学生との対話や反応を得やすい | ピンポイントな接点に強い |
インターンシップ博 | ・対話重視の少人数型設計 ・就活準備層や迷っている層に強い ・インターン期にも多数開催 | 人事担当者の 対応力が左右する |
アクセス就活フェア/FORCUS. | ・長時間対話型で「本音」を引き出す ・地方・オンライン開催も充実 ・中堅・ベンチャー企業にも人気 | カルチャーフィット 重視に最適 |
ジョブトライアウト | ・ディスカッションを通じて評価 ・当日中にスカウト可 ・選考意欲の高い層が参加 | 行動観察による ポテンシャル評価 |
新卒採用において、企業と学生が出会う最初の接点となるのが「就職イベント」です。特に知名度のある大型イベントは、多くの学生が参加するため、母集団形成や認知拡大において重要な役割を果たします。ここでは、企業側が活用することの多い主要な新卒採用イベントを紹介します。
マイナビ就職EXPO・セミナー

画像引用:マイナビ就職EXPO・セミナー
国内最大級の就職イベントで、マイナビ主催の「就職EXPO」は、春・夏・秋・冬と年に複数回開催されます。全国の主要都市で行われ、1日で数千人規模の学生が来場するビッグイベントです。
【特徴】
- 出展企業数が非常に多く、業種・規模も多様
- 就活初期の学生が多く、認知拡大・母集団形成に最適
- セミナー形式で企業説明・登壇も可能
出展費用
出展費用は開催地域や会場によって異なります。例えば、東京会場の場合、1ブロック・単日参画で750,000~950,000円、1ブロック・両日参画で1,300,000円とされています。 他の地域では、関東エリアで35万円~、関西エリアで30万円~などの設定があります。正確な情報は公式サイトで確認ください。
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【活用のポイント】
自社の名前をまだ知らない学生に向けて、ブランド訴求を行いたい企業に向いています。ブースの設計やコンテンツの差別化がカギです。
キャリタス就活フォーラム

画像引用:キャリタス就活フォーラム
キャリタス(旧・DISCO)が主催する合同企業説明会。規模はややマイナビに比べて小さいものの、文系・理系・職種別などテーマ特化型のイベントが多く、学生とのマッチング度が高いのが特長です。
【特徴】
- 業界・志向に合わせたテーマ別開催
- キャリタス会員層(上位校学生など)へのアプローチが可能
- 学生との対話やフィードバックも得やすい構成
出展費用
出展費用は開催エリアやイベントの種類によって異なります。東京会場では40万円~、大阪・京都・兵庫・三重エリアでは50万円~とされています。正確な情報は公式サイトで確認ください。
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【活用のポイント】
「量より質」を重視したい企業におすすめ。ピンポイントな人材に会いたい場合に有効です。
インターンシップ博・就職博(学情)

画像引用:インターンシップ博・就職博(学情)
学情が主催する「インターンシップ博」「就職博」は、実施時期に応じて名称が変わるイベント。学生との近距離な対話を重視し、少人数で深く話せるスタイルが特徴です。
【特徴】
- 説明+対話形式で学生との距離が近い
- 就活準備層や「迷っている層」にリーチしやすい
- インターン期(大学3年夏〜冬)にも多数開催
出展費用
具体的な出展費用は公開されていません。詳細については、学情に直接お問い合わせいただくことをお勧めします。
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【活用のポイント】
まだ企業を絞っていない層に向けて、「自社を知ってもらう場」として活用しやすいイベントです。人事担当者の話し方や姿勢が、学生の印象を左右します。
アクセス就活フェア・FORCUS.(アクセスネクステージ)

画像引用:アクセス就活フェア
「アクセス就活フェア」は中堅・中小企業やベンチャー企業にも人気の合同企業説明会。「本気で話せる合同説明会」をコンセプトに、学生との双方向コミュニケーションを重視した設計になっています。新しいシリーズとして登場した「FORCUS.(フォーカス)」では、テーマを絞ったマッチングイベントも展開中です。
【特徴】
- 少人数制・長時間対話型イベント
- 企業側も学生側も「本音」で語れる雰囲気
- 地方開催やオンライン開催も充実
出展費用
具体的な出展費用は公開されていません。詳細については、アクセスネクステージに直接お問い合わせいただくことをお勧めします。
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【活用のポイント】
学生の志望動機形成を重視したい企業や、「人柄採用」「カルチャーフィット重視」の会社にマッチします。
ジョブトライアウト(リアライブ)

画像引用:ジョブトライアウト(REALIVE)
株式会社リアライブが主催する「ジョブトライアウト」は、企業と学生が“本気で向き合う”マッチングイベントです。学生はグループディスカッションを通して企業から評価を受け、企業はその場でスカウトが可能。選考直結型イベントとして、即戦力層・意欲の高い学生との出会いに特化しています。
【特徴】
・学生の行動・思考を見ながらスカウトできるディスカッション形式
・当日中にスカウトができ、その後の選考導線もスムーズ
・累計参加学生数40,000名以上、実績豊富なマッチングイベント
出展費用
具体的な出展費用は公式サイトでは公開されていません。詳細については、リアライブ社に直接お問い合わせいただくことをお勧めします。
▶ 公式サイトはこちら
【活用のポイント】
「今すぐ会いたい学生」「選考意欲の高い層」との接点を求める企業におすすめです。定性的な評価も重視できるため、スペックだけでは見抜けない“伸びしろ”を発見できます。
他社事例に学ぶ!採用イベント成功事例5選
成功している企業の採用イベントには、共通して「目的に合った設計」と「ターゲットへの深い理解」が見られます。ここでは、業種や規模、地域にかかわらず、成果を出した5つの事例を紹介します。
1. BtoB企業の新卒採用成功事例
課題:認知度の低さによる母集団不足
施策:現場社員による「仕事紹介ライブ」を企画し、リアルな仕事内容を動画で発信。さらに、その動画と連動したオンライン説明会を定期開催。
結果:学生の業界理解が深まり、合同説明会では埋もれていた企業の“仕事のおもしろさ”が伝わり、エントリー数が前年比150%に増加。
ポイント:BtoB企業は“何をしている会社か伝わりづらい”という課題を、社員発信のコンテンツで解決。求職者目線の「わかりやすさ」が鍵。
2. スタートアップのカジュアル面談
課題:即戦力の採用に苦戦し、母集団形成が困難
施策:「話を聞くだけOK」というテーマで、オンラインカジュアル面談を毎週開催。登壇者は経営陣や現場リーダー。応募フォームには履歴書不要、気軽な質問歓迎の設計に。
結果:参加者の約60%が「実際の選考に進みたい」と回答。面談から一次面接への転換率も高く、採用決定までのスピードも大幅に短縮。
ポイント:選考色を排除し、心理的ハードルを下げたことで、“今すぐ転職したいわけではないが興味はある”層との接点に成功。
3. オンライン合同説明会の集客術
課題:オンラインイベントでの集客に苦戦
施策:SNS広告×ターゲット絞り込み×リマインド設計を徹底。InstagramやTwitter広告では「◯◯職志望者向け」などニッチな訴求を行い、LINEでのリマインド配信も導入。
結果:広告クリックからの申込率が改善し、イベント参加率も70%以上を維持。イベント終了後のエントリー率も向上。
ポイント:オンライン開催は参加のハードルが低い反面、離脱も起こりやすい。細やかな告知とフォローが成果を左右する。
4. 地方企業の逆転採用イベント
課題:都市部の学生に選ばれにくく、採用競争力が弱い
施策:「地方で働くことの魅力」をテーマにしたツアー型インターンシップを実施。交通費・宿泊費を企業が全額補助し、地元社員との交流やリアルな暮らし体験を盛り込んだ。
結果:参加者の8割以上が「地方での就職を前向きに考えるようになった」と回答。実際に内定承諾にもつながり、地方採用に新たな突破口を開いた。
ポイント:“選ばれにくい条件”を逆手に取り、「体験価値」に変えることで、学生の意識を動かすことに成功。
5. 採用ブランディングに成功した例
課題:応募は集まるが、志望度やマッチ度が低い
施策:自社開催イベントの中で“企業の価値観”や“働き方”を発信する時間を確保。単なる説明会ではなく「会社の哲学やカルチャー」を体感できる場に再設計。社員のリアルな声・エピソードも積極的に共有。
結果:応募者の質が向上し、内定辞退率も大幅に低下。内定者アンケートでは「イベントで価値観に共感できた」との声が多数。
ポイント:「何をしている会社か」ではなく、「どんな考え方で働いているか」にフォーカスしたことで、企業との深い共感を得られた。
これらの事例は、ターゲットのインサイトを深く理解し、イベントの形式・内容・導線を最適化したことが共通しています。他社の成功パターンをヒントに、自社に合った採用イベントのヒントを見つけてみてください。
採用イベントを成功させる企画・運営の流れ【チェックリスト付き】

採用イベントをただ“開催する”だけでは成果は得られません。ターゲット設定から当日の運営、そして終了後のフォローアップまで、一貫した設計と丁寧な実行が求められます。ここでは、採用イベントを成功させるための5つのステップを、チェックリスト形式で解説します。
① 企画立案(ターゲット設定・KPI)
まず重要なのは、「誰に、どんな目的で」イベントを届けるのかという企画設計です。
ポイントチェック:
- イベントの主目的は何か(認知拡大/母集団形成/選考誘導)
- ターゲットのペルソナは明確か(学年・専攻・志向・地域など)
- 成功を測るKPIは設定されているか(参加者数・ES提出数・内定化率など)
目的とターゲットを曖昧にしたまま準備を進めてしまうと、イベントの内容も集客方法もブレてしまいます。
② コンテンツ設計(登壇者・プログラム・資料)
ターゲットに響く「中身」を設計する段階です。学生や求職者が「参加して良かった」と感じるためには、共感と価値提供のあるプログラムが求められます。
ポイントチェック:
- 登壇者は適任か?(現場社員・若手社員・経営層など)
- タイムスケジュールにメリハリがあるか?
- プレゼン資料・会社紹介はターゲット目線で作られているか?
- Q&Aや交流タイムなど、双方向の要素があるか?
飽きさせず、かつ印象に残るコンテンツ構成が鍵です。
③ 告知・集客(SNS/求人媒体/DM戦略)
どれだけ良いイベントを設計しても、「人が集まらなければ」始まりません。集客はイベントの成否を左右する最大のハードルの一つです。
ポイントチェック:
- ペルソナに合った媒体を選んでいるか(例:理系→研究室DM、Z世代→Instagram広告)
- 申し込みハードルが高すぎないか(会員登録・履歴書など)
- リマインドメール/LINE配信は実施しているか?
- 登録者→参加者への転換施策は設計されているか?
タイミングや導線の設計も含め、「気になる」から「参加する」までのストーリーを意識しましょう。
④ 当日の運営(ツール・タイムスケジュール)
イベント当日の運営がスムーズでないと、どれだけ事前準備をしていても印象が悪くなってしまいます。
ポイントチェック:
- オンラインなら配信環境・ツールの事前テストは万全か?
- 会場なら受付や誘導の導線はスムーズか?
- モデレーター・司会進行役の動きは明確か?
- トラブル対応のマニュアルは用意されているか?
事前のリハーサルやシミュレーションが成功のカギです。
⑤ 事後フォロー(アンケート・スカウト・分析)
イベントは「終わってから」が本番とも言えます。参加者と継続的につながり、選考や内定へと進めていくためには、きめ細かなフォローが不可欠です。
ポイントチェック:
- イベント後すぐにお礼メール+フォロー資料を送っているか?
- アンケートで改善点や参加者の温度感を把握しているか?
- 優秀層には個別スカウト・面談設定を行っているか?
- データ分析し、次回施策に活かしているか?
“1回きりのイベント”ではなく、“関係性の起点”として機能させる設計が重要です。
採用イベントでよくある失敗と対策
どんなに準備をしても、思ったような成果が得られないこともあります。ここでは、採用イベントで陥りやすい4つの失敗と、その対策を紹介します。
① 参加者が集まらない
原因:ターゲットが曖昧、媒体選定ミス、訴求弱い
対策:ペルソナを明確化し、参加メリットを具体的に。SNS広告やLINE告知など若年層に届く手段を併用しましょう。
② 内容が薄い・差別化できない
原因:どの企業も似た話をしていて印象に残らない
対策:「社員のリアル」「会社のストーリー」「挑戦や失敗談」など、体験や価値観が伝わるコンテンツを設けると効果的です。
③ フォローアップが弱い
原因:イベント後の接点がなく、候補者が離脱
対策:イベント後24時間以内にフォローを実施。アンケート・資料送付・面談誘導など、熱が冷める前に接点を継続させましょう。
④ 実施後に何も残らない
原因:KPIや記録がなく、次に活かせない
対策:アンケート、参加ログ、参加者属性などを分析し、次回のPDCAを回せるようデータを蓄積・共有する仕組みを整えましょう。
採用イベントの成功は、「事前の設計」と「事後の活用」で決まります。単発のイベントではなく、採用戦略全体の中でどう位置づけるかを意識し、一貫した企画・運営と丁寧なフォローを徹底することで、イベントは“成果を生む接点”になります。
採用イベントの運営チェックリスト【テンプレート】
■ 企画立案フェーズ
- イベントの目的を明確化した(例:認知拡大/母集団形成/選考誘導)
- ターゲット学生のペルソナを設定した(学年・専攻・志向など)
- KPIを設定した(参加者数・エントリー数・選考進捗率など)
■ コンテンツ設計フェーズ
- 登壇者(人事/社員/経営層など)を決定した
- スライドや配布資料を準備・チェックした
- プログラム構成(説明・交流・Q&Aなど)を決めた
- ターゲットに刺さる内容・ストーリーを盛り込んだ
■ 告知・集客フェーズ
- SNS・Web広告・求人媒体への掲載を行った
- メール・LINEでの案内とリマインド配信を設定した
- 参加申込フォームを整備し、CVRを確認した
- 広告・集客施策の効果測定を行った(途中経過をモニタリング)
■ 当日運営フェーズ
- タイムスケジュール表を作成し、関係者と共有した
- 配信・会場機材の動作チェックを実施した(2日前/前日)
- 当日の担当者配置と役割を明確にした(司会/誘導/受付など)
- トラブル対応マニュアルを準備した
■ 事後フォローフェーズ
- お礼メール・アンケートフォームを送付した
- 参加者リストを整理し、個別フォロー(スカウト・面談)を実施した
- KPI・定量結果・アンケート内容をレポート化した
- 改善点を洗い出し、次回施策に反映した
採用イベント タイムスケジュール例
オンライン開催(所要時間:約60分)
時間 | 内容 |
0:00~0:05 | オープニング(目的共有・スピーカー紹介) |
0:05~0:25 | 会社紹介プレゼン(スライド投影+社員トーク) |
0:25~0:40 | パネルディスカッション・若手社員インタビュー |
0:40~0:55 | Q&A・チャットでの質問対応 |
0:55~1:00 | クロージング(選考案内・アンケート依頼) |
オフライン開催(所要時間:約90分)
時間 | 内容 |
0:00~0:10 | 開場・受付対応・アイスブレイク |
0:10~0:30 | 企業説明・スピーカートーク |
0:30~0:50 | 現場社員との座談会・リアルトーク |
0:50~1:10 | グループワーク・ミニワークショップ(任意) |
1:10~1:30 | 質疑応答+今後のフロー案内・アンケート |
このチェックリストとスケジュール例をもとに、社内マニュアルやToDoリストに落とし込めば、抜け漏れなく進行できます。
成果につながる採用イベントまとめ

最後までご覧いただき、ありがとうございます。採用イベントは、単なる説明会ではなく、企業と候補者をつなぐ「戦略的な接点」です。この記事を参考に、自社に最適なイベント設計を描き、採用成功の一歩を踏み出してください。
当サイトhypexでは「採用イベント開催ノウハウ」に関する資料を無料で提供しております。
■レポート構成
- 採用イベントメリット
- 採用イベントのテーマ一覧
- 採用イベントの集客方法
- 実例①:2週間で開催80名が参加したD2C採用
- 実例②:2週間で開催40名が参加した学生向けイベント
- 実例③:製造業スタートアップのPdM採用イベント
下記よりダウンロードください。
※採用イベントや採用全般について相談したい方は採用支援のhypexにご相談ください。貴社の採用状況や採用課題をオンラインでヒアリングし、最適な提案をさせていただきます。支援させていただいた企業は月間300名以上の応募を獲得しています。相談料は一切かかりません。

成長企業における採用ブランディング・採用マーケティングを専門とし過去2年で50社以上を直接支援。前職では、月間150万利用者数を超える医療・美容のWebサービスの事業責任者、兼経営陣として組織の成長を牽引。成長組織におけるOKRを利用した評価制度の構築や外国人、ジェネレーション、女性、LGBTQ+などのダイバーシティ・マネジメントに尽力。