採用ブランディングとは?応募者が憧れ、理想の人材を引き寄せる方法を解説!
2026.09.08
採用ブランディングというと、「採用サイトをきれいにする」「SNSで会社の魅力を発信する」といった施策を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、本質はそこではありません。
採用ブランディングで重要なのは、求職者から「思い出してもらえる会社」になることと、企業が持ってもらいたいイメージと、実際に持たれているイメージのギャップを埋めることです。どれだけ魅力のある会社でも、転職を考えたときに候補に浮かばなければ応募にはつながりません。また、会社を知ってもらえていても、誤ったイメージを持たれていれば、採用したい人材との接点を逃してしまいます。
この記事では、採用ブランディングの基本的な考え方から、純粋想起・助成想起、イメージギャップの整理、取り組むべき企業の特徴、メリット、具体的な進め方、成功事例、費用相場まで詳しく解説します。さらに、「採用課題の設定→自社の強みの発見→コンテンツ制作→チャネル設計」という実践的な4ステップも紹介します。
「採用ブランディングを始めたいが、何から手をつければよいかわからない」「採用サイトやSNSを運用しているものの成果につながっていない」という方は、ぜひ参考にしてください。
採用ブランディングとは?

採用ブランディングとは、転職や就職を考えたときに思い出してもらい、その会社について望ましいイメージを具体的に持ってもらうための活動です。
会社の知名度を高めたり、求職者から「なんとなく良い会社」と思ってもらったりするための活動ではありません。採用ブランディングには、大きく分けて次の2つの目的があります。
- 求職者から「想起」される会社になること
- 企業が持ってもらいたいイメージと、実際に持たれているイメージのギャップを埋めること
求職者の頭の中に「どのような会社として記憶してもらうのか」を設計し、その認識を採用活動全体で積み上げていくことが採用ブランディングになります。
採用ブランディングの目的:想起を取ること
採用活動では、まず求職者の選択肢に入らなければ応募につながりません。そこで重要になるのが「想起」です。どれだけ魅力的な会社であっても、転職を考えた瞬間に会社名を思い出してもらえなければ、比較検討の候補に入ることはできません。
採用ブランディングとは、言い換えれば、必要なタイミングで思い出してもらえる会社をつくる活動でもあります。
想起には、大きく分けて「純粋想起」と「助成想起」の2種類があります。
| 純粋想起 | 助成想起 | |
|---|---|---|
| 意味 | 会社名を思い出してもらえる状態 | 会社名を見たときに特徴やイメージを思い出してもらえる状態 |
| 例 | 「採用マーケティングの会社といえばhypex」 | 「hypexといえばカルチャーを大切にしている会社」 |
| 効果が表れやすい場面 | 認知・比較検討 | スカウト・応募・選考・内定 |
| 関連するKPI | 指名検索数、直接流入数、直接応募数 | スカウト返信率、応募率、選考通過率、内定承諾率 |
純粋想起|転職を考えた瞬間に候補へ入る

純粋想起とは、企業名を提示されなくても、自発的に会社名を思い出してもらえる状態です。例えば、採用マーケティング会社を探している人から、「採用マーケティングの会社といえばhypex」と想起してもらえる状態がこれに当たります。
さらに採用したい人材や獲得したいポジションに合わせて、「中途採用に強い採用マーケティング会社といえばhypex」のように、想起してもらいたいカテゴリーを細分化して設計することもできます。
こうした純粋想起を獲得できれば、求職者が就職や転職を考え始めた段階から候補企業に入りやすくなります。また、会社名での指名検索や採用サイトへの直接流入、求人媒体を経由しない直接応募なども増えやすくなります。
その結果、求人広告や人材紹介だけに依存せずに応募を獲得できるようになり、採用単価や応募獲得単価の改善にもつながります。
広告を出した瞬間だけ認知されるのではなく、求職者が必要とした瞬間に会社名が頭に浮かぶ状態をつくることが、採用ブランディングの重要な役割です。
助成想起|会社名を見た瞬間に「どんな会社か」が浮かぶ

助成想起とは、企業名を見たり聞いたりしたときに、その会社の特徴や具体的なイメージを思い出してもらえる状態です。
例えば、スカウトメールに「hypex」という会社名が表示されたときに、単に「採用マーケティングをやっている会社」と認識されるだけでは、まだブランドイメージとしては弱い状態です。
「中途採用に強い」「SNS採用の実績がある」「採用マーケティングについて専門的な情報を発信している」「カルチャーを大切にしている」といった複数のイメージまで想起してもらえる状態を目指します。
こうした具体的なイメージが蓄積されていれば、採用の募集を見たとき、初めてスカウトを受け取ったときでも、企業に対する安心感や興味を持ってもらいやすくなります。そのため、助成想起はスカウト返信率や求人媒体からの応募率、選考中の志望度、内定承諾率などにも影響します。
採用ブランディングは、単に認知を広げる施策ではありません。認知から応募、選考、内定承諾まで、採用ファネル全体に影響を与える取り組みです。
採用ブランディングの目的:イメージギャップを埋めること

採用ブランディングのもう1つの重要な目的が、企業が持ってもらいたいイメージと、求職者が現在持っているイメージとの差を埋めることです。
例えば企業側が、「挑戦できる会社だと思ってもらいたい」「採用マーケティングに強い会社として認知されたい」と考えていたとしても、求職者からは「何をしている会社なのかわからない」「採用代行の会社という印象しかない」と思われている可能性があります。
このような理想のイメージと現状のイメージの差分が、採用ブランディングにおいて解消すべきギャップです。そのため、採用ブランディングは、いきなりロゴを変更したり、採用サイトをリニューアルしたりするところから始めるものではありません。
まず現在どのような会社だと思われているのかを把握し、そのうえで理想のブランドイメージとの差を明確にする必要があります。
基本的には、次のような流れで進めます。
- 理想とするイメージを定める
- 現状のイメージを把握する
- ギャップを生んでいる原因を特定する
- 必要な情報や体験を設計する
ブランドイメージは「点」を積み重ねて「面」にする
採用ブランディングでは、伝えたいメッセージを何度も繰り返せばブランドが形成されるわけではありません。
例えば、企業側が「hypexは採用マーケティングの会社です」と繰り返し発信したとしても、それだけでは求職者の頭の中に強いイメージは形成されにくいでしょう。
人が会社を理解するときには、もっと具体的な情報が必要です。
例えば、hypexについて「SNS採用で成果を出している」「中途採用の支援に強い」「採用サイト制作の実績がある」「採用マーケティングについて継続的に情報発信している」「社員が採用について専門的な知見を持っている」といった具体的な情報に触れることで、少しずつイメージが形成されていきます。
このような具体的な「点」が積み重なった結果、最終的に「hypexといえば採用マーケティングに強い会社」という「面」のイメージにつながります。
求職者に対して自社のカルチャーを伝える場合も同じです。
「挑戦できる会社です」「社員を大切にしています」「風通しの良い会社です」と伝えるだけでは、求職者にとっては抽象的なメッセージで終わってしまいます。
実際の社員のキャリアや評価制度、仕事を任せる範囲、社内制度、定量データ、社員インタビューなど、そのイメージを裏付ける具体的な事実を積み重ねることで、初めて説得力のあるブランドイメージになります。
つまり、採用ブランディングで重要なのは、企業側が伝えたいキャッチコピーをつくることではありません。
「誰に、どのような会社として思い出してもらいたいのか」を決め、そのイメージを裏付ける具体的な情報や体験を継続的に積み重ねていくことが、採用ブランディングの基本です。
採用ブランディングに取り組むべき企業の特徴
採用ブランディングは、すべての企業が同じ方法で取り組めば成果が出るものではありません。特に必要性が高いのは、「そもそも会社のイメージがない企業」と「すでにイメージはあるものの、採用したい人材に持ってもらいたいイメージとズレている企業」です。
そもそも会社のイメージがない企業
BtoB企業や部品メーカーなど、一般の人から事業内容や社会との接点が見えにくい企業は、採用ブランディングに取り組む効果が大きいといえます。
例えば、求人票に「給与」「休日」「勤務地」といった基本条件だけを掲載しても、求職者には「実際に何をしている会社なのか」「仕事のどこに面白さがあるのか」まで伝わりません。
そこで、製品ができるまでの工程や仕事の奥深さ、自社の技術がどのような製品や社会を支えているのかまで伝えることで、会社への理解を深めてもらいます。
例えば、完成品には企業名が出ていなくても、自社の部品が自動車やスマートフォン、医療機器などに使われているのであれば、その事実を具体的に見せるだけでも仕事の見え方は大きく変わります。
これまで見えていなかった会社の実情や魅力を、求職者が理解できる形に変えることも採用ブランディングの一つです。
イメージはあるものの、理想とズレている企業
一方、すでに一定の知名度やイメージがある企業でも、そのイメージが採用にプラスに働いているとは限りません。
例えば、創業100年以上の老舗企業であれば、「歴史がある」「信頼できる」といった良い印象を持たれる一方で、「保守的そう」「新しいことに挑戦しなさそう」と思われることがあります。
実際には新規事業やDX、海外展開などに積極的に取り組んでいたとしても、外から見えるイメージが昔のままであれば、その変化は求職者に伝わりません。
出版社がエンジニアを採用するケースも同様です。出版社には「紙の本をつくる会社」という強いイメージがあるため、Webサービスやアプリ開発に力を入れていても、エンジニアから「自分が働く会社」として認識されないことがあります。
こうした企業では、会社全体のブランドイメージを無理に塗り替える必要はありません。むしろ、採用したい職種やターゲットに絞って、新しいイメージをつくることが重要です。
例えばエンジニア採用であれば、「エンジニア募集中」と打ち出すだけではなく、開発チームの体制や技術スタック、どのようなプロダクトを開発しているのか、入社後にどのようなキャリアを描けるのかまで具体的に見せます。
その際に重要なのは、情報をただ並べることではありません。求職者が、自然に理解できる流れをつくることがポイントです。
「出版社なのに、なぜエンジニアが必要なのか」
→「どのようなサービスを開発しているのか」
→「どのようなチームで働くのか」
→「自分はそこで何ができるのか」
ロゴを変えたり、キャッチコピーをつくったりするだけでは、採用ブランディングとしては十分ではありません。求職者が持っている既存のイメージを把握したうえで、足りない情報を適切な順番で届け、理解そのものを変えていくことが必要です。
採用ブランディングのメリット
- 指名検索や直接応募が増えやすくなる
- スカウト返信率・応募率・内定承諾率を高めやすくなる
- 採用のミスマッチを減らせる
- 中長期的に採用コストを改善しやすくなる
採用ブランディングは、「応募数が増えたか」だけで判断するものではありません。純粋想起によって認知や指名検索、直接応募を増やし、助成想起によってスカウト返信率や応募率、内定承諾率を高め、さらにイメージギャップを埋めることでミスマッチを減らしていきます。
| 採用ファネル | 採用ブランディングで期待する変化 | 主な指標 |
|---|---|---|
| 認知・想起 | 会社名を思い出してもらう | 指名検索数、直接流入数 |
| 応募 | 求人・スカウトへの反応を高める | 応募率、スカウト返信率 |
| 選考 | 企業への理解・志望度を高める | 選考通過率、選考辞退率 |
| 内定 | 入社する理由を明確にする | 内定承諾率 |
| 入社後 | 認識のズレを減らす | 早期離職率、定着率 |
メリット① 指名検索や直接応募が増えやすくなる
採用ブランディングによって純粋想起を獲得できると、求職者が転職を考えたときに、自社を候補として思い出してもらいやすくなります。
例えば、「採用マーケティングの会社といえばhypex」のように、特定のカテゴリーと企業名が結びついていれば、求人広告を見て初めて会社を知るのではなく、自分から会社名を検索したり、採用サイトを訪れたりする行動につながります。その結果、次のような変化が期待できます。
- 会社名での指名検索が増える
- 採用サイトへの直接流入が増える
- 求人媒体を経由しない直接応募が増える
- 転職を考えた段階から候補企業に入りやすくなる
求人広告やスカウトは、企業側から求職者へアプローチする施策です。一方、純粋想起を獲得できれば、求職者側から自社を探してもらえる状態をつくることができます。
採用ブランディングによって「知っている会社」になるだけでなく、必要なタイミングで思い出される会社になることが重要です。
メリット② スカウト返信率・応募率・内定承諾率を高めやすくなる
採用ブランディングによって助成想起を獲得することで、スカウト、応募、選考、内定といった採用ファネルの各段階でも効果が期待できます。
例えば、求職者がスカウトを受け取った際に、会社名を見て「知らない会社」と感じる場合と、「中途採用に強い会社」「カルチャーを大切にしている会社」「専門性の高い会社」といった具体的なイメージを持っている場合では、その後の反応が変わります。
会社について具体的なイメージを持ってもらえていれば、次のような効果が期待できます。
- スカウトメールを開いてもらいやすくなる
- スカウトへの返信率が上がりやすくなる
- 求人媒体からの応募につながりやすくなる
- 選考中の志望度を高めやすくなる
- 内定承諾につながりやすくなる
採用ブランディングは、求職者が企業を知ってから入社を決めるまでの各段階で、「この会社を選ぶ理由」をつくる役割があります。
メリット③ 採用のミスマッチを減らせる
採用ブランディングのもう1つの大きなメリットが、企業と求職者の認識のズレを減らせることです。
例えば企業側では「若手にも大きな仕事を任せる会社」と考えていても、求職者から「年功序列で保守的な会社」と思われていれば、そのままでは採用したい人材から応募してもらえない可能性があります。
そこで、「挑戦できる会社です」と発信するのではなく、実際に若手社員が担当している仕事やキャリア、評価制度、プロジェクト事例などを具体的に見せることで、求職者の理解を変えていきます。
反対に、働くうえでの厳しさや求められる能力についても正しく伝えることが重要です。良い面だけを強調すると、応募は増えても、入社後に「思っていた会社と違った」というギャップが生まれる可能性があります。
採用ブランディングでは、企業を必要以上によく見せるのではなく、自社の実態を求職者が理解しやすい形で伝えることが重要です。
その結果、自社に合う人材からの応募を増やしやすくなり、選考辞退や内定辞退、入社後のミスマッチを減らすことにもつながります。
メリット④ 中長期的に採用コストを改善しやすくなる
求人広告や人材紹介は、短期間で応募者を集めるうえでは有効ですが、採用活動を続ける限り一定の費用が発生します。一方、採用ブランディングによって純粋想起や助成想起を積み上げていけば、求人広告だけに頼らない採用経路をつくることができます。
例えば、会社名で検索して直接応募する人が増えれば、求人媒体を経由する応募の割合を減らすことができます。また、企業についてあらかじめ理解している人が増えれば、同じ数のスカウトを送った場合でも、返信率や応募率が改善する可能性があります。
指名検索が増える
→ 直接応募が増える
→ 求人媒体への依存度が下がる
→ 応募獲得単価・採用単価が改善する
さらに、採用サイトの記事や社員インタビュー、採用動画、SNSの発信などは、一度公開するとその後も求職者との接点として活用できます。広告のように出稿を止めれば効果も止まる施策とは異なり、情報やコンテンツが蓄積されるほど、採用活動の資産になっていくことも特徴です。
ただし、採用ブランディングを始めればすぐに採用コストが下がるわけではありません。想起やイメージ形成には一定の時間が必要です。短期的な応募獲得は求人広告やスカウトで行いながら、中長期的には採用ブランディングによって直接応募や指名検索を増やしていくなど、短期施策と中長期施策を組み合わせて考えることが重要です。
採用ブランディングの進め方|4つのステップ
採用ブランディングは、いきなり採用サイトをリニューアルしたり、SNSを始めたりするものではありません。
重要なのは、「採用のどこに課題があるのか」「誰に、どのような会社として認識してもらいたいのか」を整理したうえで、必要なコンテンツとチャネルを設計することです。
例えば、「応募が少ない」という課題ひとつを取っても、会社そのものが知られていないのか、知ってはいるものの魅力が伝わっていないのか、求人を見ても応募する理由が弱いのかによって、打つべき施策は変わります。
採用ブランディングでは、次の4つのステップで進めていきます。
- STEP1:採用課題と目標を設定する
- STEP2:自社の強みを発見する
- STEP3:ブランドを伝えるコンテンツをつくる
- STEP4:届けるチャネルを設計する
ここからは、それぞれのステップで何を考え、何を決めればよいのかを具体的に解説します。
STEP1:採用課題とブランディングの目標を設定する
採用ブランディングで最初に行うのは、「採用活動の何を改善するためにブランディングを行うのか」を明確にすること。
目的が曖昧なまま進めると、「採用サイトを新しくした」「社員インタビューを増やした」「SNSの投稿数を増やした」という施策そのものがゴールになってしまいます。
採用ブランディングの成果は、デザインやコンテンツの完成ではなく、求職者の認識や行動が変わり、採用活動の数字が改善したかどうかで判断します。
そのためSTEP1では、「解決したい採用課題」と「成果を測るKPI」の2つを決めます。
解決したい採用課題を明確にする
最初に、現在の採用活動でどこに問題があるのかを確認します。例えば、応募者が集まらない企業と、応募者は集まっているものの内定辞退が多い企業では、同じ採用ブランディングでも解決すべき課題は異なります。
応募が少ない場合でも、さらに原因を分解する必要があります。
企業そのものを知られていないのであれば、「想起」が課題かもしれません。一方で、会社名は知られているにもかかわらず応募されないのであれば、求職者が持っているイメージと企業が伝えたいイメージにギャップがある可能性があります。STEP1では、採用上の現象ではなく、その背景にある認識の問題まで掘り下げることがポイントです。
現状把握では、求職者アンケートや候補者へのヒアリング、社員インタビュー、検索キーワード、SNSでの反応、スカウト返信率、選考辞退理由などを確認します。
成果を測るKPIを設定する
解決したい課題が決まったら、次に採用ブランディングの成果を測るKPIを設定します。採用ブランディングは、「ブランドイメージが良くなった気がする」といった感覚だけで評価するものではありません。
前述したように、純粋想起は指名検索や直接応募、助成想起はスカウト返信率や応募率、内定承諾率など、採用ファネルの数字として表れます。そのため、解決したい課題に合わせて、変化を確認できる指標を決めておくことが重要です。例えば、次のように設定できます。
| 採用課題 | ブランディングで目指す状態 | KPIの例 |
|---|---|---|
| 会社を知られていない | 転職時に候補として想起される | 指名検索数、採用サイトへの直接流入数、認知率 |
| 求人媒体からしか応募が来ない | 自社を探して応募してもらう | 直接応募数、直接応募比率 |
| スカウトの反応が悪い | 会社名を見たときに魅力が想起される | スカウト開封率、返信率 |
| 求人を見ても応募されない | 働くイメージを具体化する | 求人閲覧後の応募率、採用サイトからの応募率 |
| 選考辞退が多い | 会社への理解・志望度を高める | 選考辞退率、次回選考への移行率 |
| 内定辞退が多い | 入社する理由が明確になっている | 内定承諾率 |
| 誤ったイメージを持たれている | 理想と現状のイメージ差を縮める | 候補者アンケート、イメージ調査 |
| 入社後のミスマッチが多い | 入社前の理解を深める | 早期離職率、定着率 |
ここで重要なのは、すべての数字をKPIにすることではありません。例えば「エンジニア採用における企業イメージを変える」というプロジェクトであれば、全社の応募数よりも、エンジニア職のスカウト返信率や応募率、候補者アンケートにおける企業イメージの変化を追ったほうが、施策の効果を正確に判断できます。
また、最終的な採用人数だけで評価すると、採用市場の変化や求人条件、選考プロセスなど、ブランディング以外の要因にも左右されます。
そのため、採用人数や採用単価といった最終成果だけではなく、指名検索、直接流入、スカウト返信率、応募率など、求職者の認識や行動の変化を捉えられる途中の指標も設定しておくことが大切です。
例えば、「エンジニアから『紙の出版社』ではなく『デジタルサービスを開発する会社』として認識される状態をつくり、エンジニア職のスカウト返信率を改善する」まで具体化できれば、STEP2以降で「どの強みを発見するのか」「どのコンテンツをつくるのか」「どのチャネルで届けるのか」も判断しやすくなります。
STEP1のゴールは、誰の、どの認識を変え、その結果として採用ファネルのどの数字を改善するのかまで明確にすることです。ここまで決めてから、次のSTEP2では、自社が実際に何を強みとして打ち出せるのかを整理していきます。
STEP2:ブランディングシートで自社の強みを発見する

STEP1で「誰を採用したいのか」「どのような認識を変えたいのか」を決めたら、次はその認識を変えるために、自社の何を伝えるべきかを整理します。
ここで、いきなり「挑戦できる会社」「風通しの良い会社」といったキャッチコピーを考える必要はありません。まずは、自社の中にある制度、数字、文化、エピソードなどの事実を洗い出すことから始めます。
そのために活用できるのが、株式会社hypexの「採用ブランディングシート」です。
- 機能的価値・情緒的価値を棚卸しする
- どのような会社として想起されたいかを整理する
- 発見した強みをどのコンテンツで伝えるか整理する
STEP2の目安時間は2時間です。採用担当者だけで考えるのではなく、経営者や現場社員も交えて取り組むことで、自社では当たり前になっていて見落としていた魅力を発見しやすくなります。
①「機能的価値」と「情緒的価値」に分けて強みを棚卸しする
採用ブランディングシートで最初に行うのが、自社の価値の棚卸しです。採用ブランディングシートでは、自社の魅力を「機能的価値」と「情緒的価値」の2つに分け、それぞれを「社会・事業」「文化・組織」「条件・環境」「キャリア」の4つの視点から整理します。
| 価値 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 機能的価値 | 他社と比較できる、実利的なメリット | 事業成長、給与、働き方、福利厚生、キャリア制度など |
| 情緒的価値 | 数字だけでは比較しにくい、働くことで得られる感情的な価値 | 仕事への誇り、安心感、挑戦できる感覚、仲間との関係など |
例えば、機能的価値の「社会・事業」として、「ARR32億円」「3年連続で前年比140%成長」「導入社数1,800社」といった具体的な数字を挙げています。
「成長している会社です」と書くのではなく、数字によって事実を示すことで、候補者にとって判断できる情報になります。文化・組織についても同様です。「風通しが良い」と表現するのではなく、「会社の意思決定はSlackのパブリックチャンネルで実施している」など、実際の仕組みまで書き出します。
重要なのは、形容詞ではなく事実で書くこと。
「働きやすい」「自由な会社」「若手が活躍している」といった言葉だけでは、どの企業でも使えてしまいます。
例えば、「キャリア形成を支援している」のであれば、「半期ごとの目標設定と隔週の1on1がある」「社内公募制度がある」と具体的な仕組みまで落とし込みます。
②「制度がある」だけでなく、本当に使われているかまで確認する
採用ブランディングシートのポイントは、制度や仕組みを書くだけでは終わらないことです。
「機能・制度・仕組みとしてあるか」
→「実際に本当に使われているか」
2段階で確認します。例えば、「リモートワーク制度があります」と書くだけでは、その制度が実際に利用できるのかまではわかりません。
そこで、「エンジニアの利用率78%」などの利用状況まで確認します。キャリアについても、「社内公募制度があります」ではなく、「直近2年間で7名が職種転換し、そのうち3名がCSからプロダクトマネージャーへ異動した」といった実績まで書き出すことで、制度が形だけではなく実際に機能していることを示せます。
情緒的価値も同様です。例えば「失敗を許容する文化」とだけ伝えても、候補者には本当かどうかわかりません。しかし、月1回の失敗共有会があり、役員も自分の失敗から話しているといったエピソードがあれば、その文化を具体的に理解できます。
採用ブランディングでは、制度の有無以上に、その制度や価値観が実際の職場でどう機能しているのかが重要です。
この「事実」と「実態」をセットで整理することで、「風通しが良い」「成長できる」といった抽象的なメッセージに根拠を持たせることができます。
③「純粋想起」と「助成想起」の観点から強みを絞り込む
価値を棚卸ししたら、次に「ブランド想起」を整理します。ここでは、前述した純粋想起と助成想起の考え方を使います。
シートでは「社会・事業」「文化・組織」の視点から、次のような問いを考えます。純粋想起では、「〇〇と言えば?」と聞かれたときに、自社の名前が挙がる状態を考えます。
例えば、「中途採用に強い採用マーケティング会社といえばhypex」といったイメージです。
一方、助成想起では、「自社といえば〇〇」と、会社名を見たときに何を思い出してもらいたいかを考えます。
例えば、「hypexといえば、採用について専門的な知見を持っている」「hypexといえば、カルチャーを大切にしている」といったイメージです。
ここで大切なのは、STEP2の前半で棚卸しした事実を根拠に考えることです。「挑戦できる会社と思われたい」から「挑戦できる」と決めるのではなく、実際に若手社員への権限移譲や社内公募、新規事業への参加実績などが複数あるからこそ、「挑戦できる会社」というイメージをつくれます。
これまで説明してきた「点を積み重ねて面にする」という採用ブランディングを、実際に言語化する作業がこの工程です。
④ 発見した強みを「どのコンテンツで伝えるか」整理する
純粋想起・助成想起まで整理できたら、次は見つけた強みを、実際にどのコンテンツで伝えるのかを考えます。
このとき、「何を掲載するか」だけを決めるのではありません。「何を伝えたいのか」「それを見た候補者にどう思ってほしいのか」「そのためにどのような情報や素材が必要なのか」まで具体化することが重要です。
例えば、「若手でも大きな仕事を任される」という強みが見つかったとします。
採用サイトで伝える場合、「若手が活躍しています」と書くだけでは十分ではありません。若手社員が実際に担当したプロジェクトや、入社何年目でどの程度の仕事を任されたのかといった具体的な事例を掲載することで、「年齢や社歴に関係なく挑戦できる会社なのだ」と理解してもらいやすくなります。
社員インタビューであれば、本人がどのような仕事を任され、どのような経験を通じて成長したのかをストーリーとして伝えられます。SNSであれば、日常の仕事風景や社内でのやり取りを継続的に発信することで、その文化が一時的なものではなく、普段から根付いていることを示せます。
このように、同じ強みであっても、コンテンツによって適した伝え方は異なります。
また、シートでは「そのために必要な情報・素材」まで洗い出します。例えば、採用サイトでプロジェクト事例を紹介するのであれば、担当社員への取材、社員や職場の写真、成果を示すデータなどが必要になります。
先に必要な素材まで整理しておけば、コンテンツ制作を始めてから「載せたい情報は決まっているのに、それを裏付ける材料がない」という事態を防ぎやすくなります。
もう1つ確認したいのが、STEP2で書き出した「実態」です。採用ブランディングシートでは、制度や魅力を挙げるだけではなく、それが実際に社内で機能しているかまで確認しています。
例えば、「挑戦できる会社」と伝えたいにもかかわらず、それを証明できる制度や具体的なエピソードがほとんどないのであれば、現時点では採用広報で強く打ち出すべきではありません。発信を先に始めるのではなく、まずは社内でその実態をつくることが優先されます。
採用ブランディングは、実際には存在しない魅力を言葉やデザインでつくる活動ではありません。自社にある実態を発見し、それを証明する事実を集め、候補者に理解しやすい形へ変換していくことが重要です。
⑤ 候補者体験(CX)マップで「いつ、何を伝えるか」を整理する
伝える内容とコンテンツが整理できたら、次は候補者が入社を決めるまでのどのタイミングで、その情報を届けるのかを考えます。
採用ブランディングシートでは、「候補者体験(CX)マップ」を使い、候補者が企業を知ってから内定を承諾するまでの流れを5つのフェーズに分けています。
- 情報収集
- 興味喚起
- 比較検討
- 動機形成
- 内定承諾
最初の「情報収集」では、候補者が会社の存在を知り、SNSやPR TIMES、口コミサイトなどを見始めます。この段階では、まだ企業に対する興味が十分に高まっているとは限りません。そのため、詳細な福利厚生や選考フローを一度に伝えるよりも、「何をしている会社なのか」「どんな特徴があるのか」といった、興味を持つきっかけになる情報を届けることが重要です。
「興味喚起」の段階では、候補者がスカウトを受け取ったり、企業の記事やnoteを読んだりします。ここでは、整理した事業の面白さ、カルチャー、働く魅力などを伝え、「もう少し詳しく知りたい」と思ってもらえる状態を目指します。
「比較検討」の段階になると、候補者はカジュアル面談を受けたり、他社の求人や企業情報と比較したりします。このタイミングでは、仕事内容、働き方、キャリア、組織の特徴、他社との違いなど、入社後の自分を具体的に想像できる情報が求められます。
「動機形成」では、選考や社員との面談を通じて、候補者が「なぜこの会社で働きたいのか」を具体化していきます。会社側も、候補者が重視していることを把握しながら、自社で実現できることを伝える必要があります。
最後の「内定承諾」では、給与や待遇などの条件だけではなく、これまで接してきた社員や得た情報、入社後のキャリアイメージなどを総合して、候補者が最終的な判断を行います。
候補者体験(CX)マップでは、各フェーズで候補者がどのような行動を取り、何を考えているのかを整理します。そのうえで、STEP2で洗い出したどの情報を伝えるべきか、どのような不安や懸念を解消する必要があるのか、採用サイト・SNS・スカウト・面談・面接など、どの接点やツールを使うのかを考えます。
重要なのは、すべての情報を最初から候補者に伝えようとしないことです。
例えば、「若手でも大きな仕事を任される」という強みがあったとしても、最初に接触するSNS広告で、詳しいキャリア制度まで説明する必要はありません。
情報収集の段階では、まず「若手が活躍している会社」という事実に興味を持ってもらいます。そこから採用サイトで具体的なプロジェクト事例を見せ、カジュアル面談では実際の社員から仕事内容や働き方を伝え、選考では入社後に期待する役割まで説明するといったように、候補者の理解度や検討段階に合わせて情報を少しずつ深めていきます。
採用ブランディングでは、良いコンテンツを制作するだけでは十分ではありません。「誰に何を伝えるか」に加えて、「いつ、どの接点で伝えるか」まで設計することで、候補者が企業を理解しやすい流れをつくることが重要です。
また、候補者体験(CX)マップでは、最後に「今できていないこと」を確認し、次に実施する施策へつなげます。
例えば、比較検討の段階で仕事内容を詳しく知るための情報が不足しているのであれば、職種紹介ページや社員インタビューを制作する必要があります。内定承諾の前に現場社員と話す機会がなく、候補者が実際の働き方をイメージできていないのであれば、社員面談を設けるといった改善が考えられます。
このように、候補者体験(CX)マップは、単に採用プロセスを可視化するためのものではありません。STEP2で発見した自社の強みを候補者の意思決定の流れに沿って配置し、どの段階で何が不足しているのかを確認しながら、次に必要な施策まで明らかにするための設計図です。
ここまで整理できれば、自社の強みを「何となく発信する」のではなく、候補者の行動や心理に合わせて計画的に届けられるようになります。次のSTEP3では、ここまでの設計をもとに、採用サイトや採用ピッチ資料など、実際に候補者へ届けるコンテンツを制作していきます。
STEP3:ブランドの軸をコンテンツへ落とし込む
STEP2で「どのような会社として想起してもらいたいのか」「そのイメージを裏付ける事実は何か」まで整理できたら、次はそれを実際のコンテンツに反映します。
コーポレートサイトやSNS、求人原稿、採用ピッチ資料、面談時の資料など、複数の接点を行き来しながら企業のイメージを形成していきます。そのためSTEP3では、コンテンツを次の3つのスコープに分けて考えます。
- スコープ1:採用に直接関わるコンテンツ
- スコープ2:企業全体を伝える自社コンテンツ
- スコープ3:候補者とのあらゆる接点にあるコンテンツ
採用ブランディングでは、すべてを一度に作り直す必要はありません。STEP1で設定した課題やKPI、STEP2で整理したブランドイメージをもとに、影響の大きいコンテンツから優先して改善していきます。
スコープ1:採用に直接関わるコンテンツ

最初に見直したいのが、候補者が採用情報を確認するために直接触れるコンテンツです。代表的なものが採用サイトです。
採用サイトでは、募集要項を掲載するだけではなく、STEP2で整理した「どのような会社として認識してもらいたいか」を、具体的な情報によって伝える必要があります。
例えば「若手が挑戦できる会社」というブランドイメージをつくりたいのであれば、「挑戦できる環境です」と書くだけでは不十分です。若手社員が担当したプロジェクト、入社後のキャリア、仕事を任せる範囲、評価制度、社員インタビューなどを組み合わせることで、そのイメージに根拠を持たせます。
また、採用サイト内の各ページで異なる印象を与えないことも重要です。トップページでは「挑戦」を掲げているのに、社員インタビューや募集要項からはその実態が見えなければ、候補者はメッセージに違和感を持ちます。
採用サイトでは、キャッチコピー、デザイン、社員の言葉、制度、数字、事例などを一貫させ、STEP2で決めたブランドイメージを複数の「点」で証明することが重要です。
スコープ2:企業全体を伝える自社コンテンツ

次に見直すのが、採用目的だけで作られていない自社コンテンツです。代表的なものには、コーポレートサイトや自社SNSがあります。
候補者は採用サイトだけを見て応募を決めるわけではありません。企業名を検索し、コーポレートサイトで事業内容を確認したり、SNSで普段の発信を見たりすることがあります。
そのため、採用サイトだけが新しいブランドイメージになっていても、他の自社メディアからまったく異なる印象を受ければ、ブランドとしての一貫性が失われます。
例えば、採用ブランディングで「新しいことに挑戦する老舗企業」というイメージをつくりたいのであれば、採用サイトだけで新規事業を紹介するのではなく、コーポレートサイトでも事業の変化や将来への取り組みを見せる必要があります。
SNSも同様です。「社員同士の距離が近い」「新しい提案を歓迎する」といった文化を伝えたいのであれば、実際のプロジェクトや社員の活動、社内で起きている出来事などを継続的に発信することで、そのイメージに厚みが生まれます。
このスコープでは、採用だけを切り離して考えるのではなく、企業そのものが外部に発信している情報と、採用で伝えたいイメージに矛盾がないかを確認することがポイントです。
スコープ3:候補者とのあらゆる接点にブランドを反映する

3つ目は、採用サイトやSNS以外も含めた、候補者との幅広い接点です。
- 採用ピッチ資料・会社説明資料
- 求人原稿
- 社内資料
- オンラインミーティングの背景
- 自社ノベルティ
ひとつは小さな接点に見えるかもしれませんが、候補者はこうした情報を積み重ねながら、「この会社はどんな会社なのか」を判断しています。
例えば、採用サイトでは「フラットで新しい会社」という印象を伝えているのに、会社説明資料が何年も更新されておらず、デザインや情報も古いままであれば、候補者が受け取る印象にはズレが生まれます。
求人原稿についても同様です。採用サイトで丁寧にブランドを構築していても、求人媒体では給与や業務内容だけが並び、自社の特徴が伝わらなければ、最初の応募段階でブランドが十分に機能しません。
採用ピッチ資料であれば、会社紹介、事業内容、カルチャー、仕事内容、社員、キャリアなどの情報を、STEP2で整理したブランドイメージに沿って組み立てます。
社内資料も無関係ではありません。採用ブランディングで掲げている価値観と、実際に社員が日常的に目にする資料や社内コミュニケーションが大きく異なれば、外向けのメッセージだけが先行してしまいます。
オンライン面談で使用する背景やノベルティなども含め、候補者が企業と接する細かな体験までブランドイメージをそろえていくことで、点だった情報が一つの「面」として認識されるようになります。
すべてのコンテンツを同時に作り直す必要はない
採用ブランディングというと、採用サイト、SNS、動画、資料などを一気にリニューアルしなければならないように感じるかもしれません。しかし、大切なのは制作物の数ではありません。
STEP1で設定した課題と、候補者体験(CX)マップを確認しながら、候補者への影響が大きく、現在のブランドイメージとのギャップが大きい場所から改善することが重要です。
例えば、スカウト返信率の改善が最優先であれば、採用サイト全体を作り直す前に、スカウト文面とそこから遷移するページを改善したほうが効果につながる場合があります。
一方で、内定承諾率に課題があるのであれば、採用ピッチ資料や選考中に見せる社員インタビュー、面談での情報提供を見直すほうが優先度は高くなります。
つまりSTEP3では、「何を作るか」から考えるのではなく、「どの候補者体験を変えるために、どのコンテンツを改善するのか」から考えることがポイントです。
コンテンツごとに表現を変えても、伝えるブランドは変えない
複数のコンテンツを制作するときは、すべて同じ文章やデザインに統一する必要はありません。
SNSでは短く興味を引く情報を伝え、採用サイトでは詳しい背景を説明し、社員インタビューでは個人の経験を通じて文化を見せるなど、媒体によって表現方法は変わります。
ただし、最終的に候補者に持ってもらいたいイメージは共通している必要があります。
例えば、「挑戦できる会社」というブランドを形成するのであれば、SNSでは新しいプロジェクトを紹介し、採用サイトでは制度や実績を説明し、社員インタビューでは実際に挑戦した社員の経験を伝えます。
表現方法は異なっていても、それぞれのコンテンツが同じ方向を向くことで、候補者の中に「この会社は挑戦できる会社」というイメージが少しずつ形成されていきます。
STEP3のゴールは、単に採用コンテンツを増やすことではありません。STEP2で発見した自社の強みを、候補者が触れる複数のコンテンツに一貫して反映し、ブランドイメージを具体的な体験として伝えられる状態をつくることです。
STEP4:チャネル戦略を設計する
STEP3で採用サイトや採用ピッチ資料などのコンテンツを整えたら、最後に考えるのが、その情報をどのチャネルで候補者に届けるかです。
どれだけ良いコンテンツを制作しても、候補者がそこにたどり着かなければ採用成果にはつながりません。一方で、SNSや広告など新しいチャネルを増やしても、遷移先の採用サイトや求人原稿の内容が古いままであれば、せっかく興味を持った候補者を離脱させてしまいます。
そのため、チャネル戦略では、最初から新しい施策を増やすのではなく、「既存チャネルの改善」→「新規チャネルの追加」→「複数チャネルの組み合わせ」という順番で考えます。
フェーズ1:既存チャネルでの候補者体験を改善する
最初に行うのは、現在すでに使っている採用チャネルの見直しです。
例えば、求人媒体、スカウト、採用サイト、人材紹介、説明会、社員紹介など、ほとんどの企業には既存の採用経路があります。まずは、それらのチャネルで候補者がどのような体験をしているのかを確認します。
ここで重要なのは、チャネル単体ではなく、その先まで含めて候補者体験を見ることです。
例えば、スカウトメールの内容を改善したとしても、掲載しているURLの遷移先が古い採用サイトのままでは、候補者が受け取る印象にズレが生まれます。
スカウトでは「若手が挑戦できる会社」と伝えているのに、遷移先のページでは会社概要と募集要項しか掲載されていなければ、その魅力を確認することができません。
そこで、スカウト文面に合わせて遷移先を社員インタビューやプロジェクト事例のページに変えたり、採用サイトのファーストビューやデザインを見直したりします。
求人媒体についても同様です。求人原稿を見て興味を持った候補者が企業名を検索したときに、コーポレートサイトや採用サイトから同じブランドイメージを受け取れるかを確認します。
フェーズ1では、今ある採用経路の中で情報が途切れていないか、メッセージに矛盾がないか、候補者が次の行動に進みやすい設計になっているかを見直すことが重要です。
新しいチャネルを増やす前に既存チャネルを改善することで、現在発生している応募やスカウトなどの効果を高めやすくなります。
フェーズ2:新しいチャネルをつくる

既存チャネルの改善ができたら、次に新しい候補者との接点を増やします。
例えば、これまで求人媒体と人材紹介しか使っていなかった企業が、SNS広告を始めるケースです。
SNS広告を活用すれば、まだ転職活動を始めていない潜在層にも企業を知ってもらうことができます。特に、STEP1で「そもそも会社を知られていない」という課題が見つかっている場合、新しいチャネルを増やすことは純粋想起の獲得にもつながります。
新規チャネルには、例えばSNS広告、SNS運用、オウンドメディア、採用イベント、YouTube、採用動画、社員紹介などがあります。
新しいチャネルは「流行しているから始める」のではなく、採用したいターゲットが実際にどこにいるのかから考える必要があります。
例えば、若手のエンジニアを採用したい企業と、地方の製造業で経験者を採用したい企業では、適したチャネルは異なります。前者であればSNSや技術系メディア、イベントなどが有効かもしれません。一方、後者では求人検索エンジンや地域メディア、社員紹介のほうが効果につながる可能性があります。
また、新規チャネルを始めるときは、どこへ誘導するかまでセットで設計します。例えばSNS広告を始める場合、広告だけを作って終わるのではなく、広告を見た人がどのページへ移動し、そこで何を知り、次に何をしてほしいのかまで決めます。
「SNS広告を見てもらう」ことではなく、「SNS広告をきっかけに採用サイトを訪れ、会社を理解し、応募やスカウト返信につなげる」ことがチャネル戦略の目的です。
フェーズ3:複数のチャネルを掛け合わせる
チャネルが増えてきたら、最後に複数のチャネルを組み合わせます。候補者は、1つのチャネルだけを見て応募を決めるとは限りません。
例えば、SNSで会社を知ったあと、企業名を検索して採用サイトを見て、後日スカウトを受け取り、さらに社員インタビューを読んでからカジュアル面談に申し込むケースがあります。
SNS
→ 採用サイト
→ スカウト
→ 社員インタビュー
→ カジュアル面談
複数の接点を通じて、少しずつ企業への理解や志望度が高まっています。このように、異なるチャネルを組み合わせることをチャネルミックスと考えます。
例えば、SNSで認知を獲得し、広告で再度接触し、採用サイトで詳しい情報を伝えるという流れもあります。
SNS ⇄ 広告 ⇄ 採用サイト
接点をつなぐことで、1回の接触では伝えきれないブランドイメージを、複数回に分けて届けることができます。
採用ブランディングでは、1つの広告や1本の記事だけで候補者のイメージを変えることは難しいものです。
STEP2で整理した「点」を、SNS、広告、採用サイト、社員インタビュー、スカウトなどの複数のチャネルから繰り返し伝えることで、徐々に「この会社は〇〇な会社だ」という面のイメージが形成されます。
チャネルごとに役割を分ける
チャネルミックスを考えるときは、すべてのチャネルで同じ情報を伝える必要はありません。むしろ、候補者の検討段階に合わせて役割を分けたほうが効果的です。
例えば、SNSや広告は企業を知ってもらう入口として使い、採用サイトでは事業やカルチャーを詳しく伝えます。社員インタビューでは、実際に働く人の経験を通じてリアリティを補い、スカウトや面談では候補者本人に合わせた情報を伝えます。
| チャネル | 主な役割 |
|---|---|
| SNS・広告 | 認知を広げ、興味を持ってもらう |
| 採用サイト | 会社や仕事を体系的に理解してもらう |
| 社員インタビュー | 働くイメージや文化を具体化する |
| 求人原稿 | 募集職種や条件を理解してもらう |
| スカウト | 個別に興味を喚起する |
| カジュアル面談・面接 | 疑問や不安を解消し、志望度を高める |
| 採用ピッチ資料 | 会社・事業・組織を一貫した流れで説明する |
このように役割を分けることで、候補者に同じ説明を何度も繰り返すのではなく、接点が増えるたびに理解を一段ずつ深めることができます。
チャネル戦略を評価するときに注意したいのが、最後に応募が発生したチャネルだけを成果として見ないことです。
例えば、求人媒体から応募した候補者であっても、その前にSNSで会社を知り、採用サイトを何度も見ていた可能性があります。
その場合、求人媒体だけが応募を生んだわけではありません。SNSが認知をつくり、採用サイトが理解を深め、最後に求人媒体が応募の入口になったと考えられます。
採用ブランディングでは、こうした複数の接点を踏まえて、指名検索数、採用サイトへの流入、SNSからの遷移、スカウト返信率、応募率、内定承諾率などを組み合わせて見ていくことが重要です。
STEP1で設定したKPIと照らし合わせながら、どのチャネルが認知に効いているのか、どこで興味が高まっているのか、どこで離脱しているのかを確認し、改善を繰り返します。
採用ブランディングは、一度ブランドを決めて完成するものではありません。候補者からどのように見られているのかを確認しながら、伝える内容と届け方を継続的に改善していくことが重要です。
採用ブランディングの成功事例
株式会社ケアリッツ・アンド・パートナーズ(介護・福祉)

介護・福祉業界で事業所270カ所以上、社員4,000名超を展開する株式会社ケアリッツ・アンド・パートナーズは、業界に根強い「きつい」「低賃金」といったイメージを払拭し、経営層候補となる人材を獲得するための採用ブランディングに取り組みました。
同社が特に採用を強化していたのが、現場経験を積みながら、事業所の管理・運営や地域営業など、経営に近い仕事を短期間で学ぶ「マネジメントコース」です。しかし、従来の求人媒体では通常の採用コースと同時に紹介するため特徴がぼやけてしまい、「福祉の会社」という既存イメージによって、経営や事業拡大に携われる仕事の面白さが十分に伝わっていないことが課題でした。
そこで同社は、マネジメントコース専用の採用LPを制作。従来の福祉業界らしい表現からあえて距離を置き、金融・ビジネス系企業を思わせるようなデザインへ刷新しました。さらに「やるぞ、業界が変わるまで」というキャッチコピーを掲げ、介護の仕事そのものではなく、「業界を変える側に回る」「事業を成長させる」というマネジメントコース独自の価値を前面に打ち出しました。
特徴的なのは、完成したLPの届け方です。検索やコーポレートサイトから誰でも閲覧できるようにはせず、説明会に参加した求職者にだけURLを送るクローズドな運用を採用しました。まず説明会で事業や仕事への理解を深め、その後にLPを見てもらうことで、マネジメントコースへの理解と期待をさらに高める候補者体験を設計しています。
完成したLPは社内から「もっと外に出してほしい」という声が上がるほど高く評価されました。ケアリッツ・アンド・パートナーズの事例は、会社全体の「福祉企業」というイメージを無理に塗り替えるのではなく、採用したい人材に合わせて、特定の職種・コースに対するイメージをピンポイントで再設計した採用ブランディングの好例です。
関連記事:「福祉っぽくない」採用LPの制作プロセス。ケアリッツ・アンド・パートナーズ
株式会社グローバル・リンク・マネジメント(不動産)
画像出典:株式会社グローバル・リンク・マネジメント
まず紹介するのは、渋谷に本社を構える不動産企業「株式会社グローバル・リンク・マネジメント」です。
不動産投資業界はブラックなイメージが根強く、採用活動に苦戦する企業が多いとされています。同社も例外ではなく、説明会への応募者が少なく、無断キャンセルが頻発する状況が続いていました。毎年わずか5名の採用を確保するだけでも、大きな課題を抱えていたのです。
そこで、採用のターゲットを「経営に興味がある人」「成長意欲の高い人」に明確化し、キャッチフレーズを「人生は投資だ」に刷新。さらに、同社の強みである「人」にフォーカスし、上司や先輩、経営陣との関係性の良さや、社内の活気ある雰囲気を前面に打ち出す方針へと転換しました。
このコンセプトを軸に、採用チーム全員で採用基準や役割分担を見直し、説明会の開催時期や内容を改善。特に、現場で活躍する営業担当を採用プロジェクトのメンバーに加え、説明会で直接登壇してもらうことで、求職者にリアルな社内の魅力を伝える工夫をしました。
その結果、2016年から2018年の3年間で内定者数が急増。2018年には内定者17名、内定承諾者13名を獲得し、大きな成果を上げることに成功しました。
株式会社ベッセル(ホテル業)
画像出典:株式会社ベッセル
2社目の事例は、広島県福山市に本社を構え、全国および海外でホテル・飲食店を展開する 株式会社ベッセル です。
同社はもともと地元の私立大学を中心に採用活動を行っていました。しかし、全国に事業を展開しているにもかかわらず、「地元の福山から出たくない」と考える学生が多く、内定辞退者が多いことが課題となっていました。
この課題を解決するため、採用ターゲットを「地元出身の全国の大学生」にシフト。「地元の福山に貢献したい気持ちを持ちつつ、グローバルな舞台で活躍したい学生」をターゲットに設定し、採用スローガンを 「福山は、世界だ」 に刷新しました。
この戦略の結果、首都圏や関西圏に進学した地元出身の学生からの応募が増加。採用ブランディング施策を実施する前は内定者が 6〜7名 にとどまっていたのが、施策後は 25〜28名 に増え、約 4倍 の成果を達成しました。
さらに、2017年の入社式では、内定者自らが「福山は、世界だ」というスローガンを発表し、採用ブランディングの成功を象徴するエピソードとして語り継がれています。
株式会社ギフト(飲食業)
画像出典:株式会社ギフト
全国および世界に「家系ラーメン」を展開する 株式会社ギフト。街でその店舗を目にすることも多いでしょう。同社は採用ブランディングに徹底的に取り組み、不人気とされがちな飲食業界において ゼロからの採用 を成功させました。
当初、飲食業界のイメージや労働環境への懸念から、採用活動は困難を極め、応募者はほぼゼロの状態。そこで、企業のブランドイメージを一新するために 社名を「株式会社町田商店」から「株式会社ギフト」に変更。さらに、企業スローガンを 「家系を、世界への贈り物に。」 に刷新し、企業のビジョンを明確に打ち出しました。
これに伴い、採用サイトや採用パンフレットも全面リニューアル し、ブランディングの統一を図りました。さらに、他社にはない独自の採用施策として「ラーメン説明会」を実施。これは、応募者が実際に同社のラーメンを食べながら企業説明を聞き、世界展開について考えるワークショップ型の企業説明会でした。これにより、応募者が 企業の理念や文化に触れながら採用プロセスを進める ことが可能になりました。
この結果、施策初年度から 高卒・大卒あわせて15名の採用 に成功。飲食業界の採用難を打破し、採用ブランディングの力を証明する結果となりました。
NTTデータ(製造業・流通業・サービス業)

画像引用:株式会社NTTデータ
NTTデータは、製造業・流通業・サービス業など多岐にわたる分野で事業を展開していますが、技術力やブランド力がエンジニア層に十分に伝わっていないという課題を抱えていました。競合他社も強力なため、従来の採用手法だけでは理想的な人材の確保が難しい状況でした。
そこで同社は、まだ転職を具体的に考えていない潜在層へのアプローチ を目的に、2021年から採用ブランディングを本格的に開始しました。具体的な施策として、GoogleやInstagramへの採用広告出稿、採用LP(ランディングページ)の構築、YouTubeでの社員インタビュー動画の配信 など、複数のチャネルを活用し、求職者との接点を増やしました。
取り組み初年度は、前年と比較して応募数に大きな変化は見られませんでした。しかし、1年間継続した結果、翌年には応募数が増加し、特に経験者採用の数が倍増。さらに、新入社員へのアンケートでは、「採用LPやYouTube動画を見て、入社前から期待が高まった」という声も多く上がり、企業の魅力を伝える手法として有効であることが証明されました。
この成功の背景には、広告・LP・動画など、多面的な採用コンテンツを戦略的に展開 したこと、1年目の成果が出なくても粘り強く継続 したこと、そして社外から見た自社のイメージを正確に分析し、それをもとに施策を改善したこと が挙げられます。結果として、採用ブランディングの効果が明確に表れ、優秀な人材の獲得につながりました。
関連記事:エンジニア採用の成功事例8選!おすすめの採用広報も紹介
ベイジの日報(Web制作会社)

画像引用:ベイジの日報(株式会社ベイジ)
Web制作会社である株式会社ベイジは、『ベイジの日報』という採用オウンドメディアを活用し、独自の採用ブランディングを実施しています。
この施策では、ワードプレスで作成したサイトに、社員の日報を公開。もともと社内で運用していた業務の日報を外部向けに公開するだけなので、低コストで運用可能というメリットがあります。加えて、BtoB企業は一般的に仕事内容や職場の雰囲気が求職者に伝わりにくいという課題がありますが、社員の日々の業務や思考プロセスをリアルに発信することで、会社の実態や文化をわかりやすく伝えられる点が強みとなりました。
このユニークなアプローチは、単なる採用広報ではなく、企業の透明性や働く環境のリアルを伝える施策として機能し、結果的に採用ブランディングとして成功。求職者とのミスマッチを減らし、会社の理念や価値観に共感する人材の獲得につながっています。
以上、5つの採用ブランディングの成功事例を紹介しましたが、さらに詳しい事例を知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
関連記事:この会社で働きたい!を生み出す採用ブランディングの成功事例10選
関連記事:採用広報で知っておきたい企業の成功事例15選!SNSの活用方法も紹介
採用ブランディングを依頼した際の費用相場
| 内容 | 費用・相場 | 期間 |
| 全体分析 | 30万〜70万円 | 約1、2ヶ月 |
| ペルソナ作成 | 20万円〜50万円 | 半月〜1ヶ月 |
| コンテンツ設計 | 30万円 | 半月〜1ヶ月 |
| チャネル設計 | 20〜50万円 | 半月〜1ヶ月 |
| 合計 | 100万〜200万円 | 2.5ヶ月〜5ヶ月 |
採用ブランディングを外部に依頼する場合、相場は100万〜200万円程度となります。ただし、これは採用サイトや採用動画などのコンテンツ制作費用を含まない金額です。
この費用の主な内訳としては、企業の現状分析や採用戦略の立案、ターゲット設定、ブランディングコンセプトの策定、採用広報の方向性決定などが含まれます。企業の採用課題を明確にし、ターゲットに刺さるブランディングを構築するための戦略設計が主な業務です。
一方で、採用サイトの制作や動画コンテンツの制作、SNS運用、広告運用などの施策を加える場合は、別途追加費用が発生します。これらのコンテンツ制作を含めると、総額で300万円以上になることも珍しくありません。
企業がどの範囲まで外注するかによって、必要な予算が大きく変わるため、事前に依頼内容を整理し、適切なプランを選択することが重要です。
①全体分析:30万〜70万円(約1、2ヶ月)
| 理想と現状の整理 | 理想と現状の差分が引き起こしている問題 |
| 社外分析 | 競合他社の現在の施策と課題リサーチ |
| 社内分析 | 現在のメンバー、応募方法、在籍理由、理解変化 |
| 要件の明確化 | 求める人物や採用単価、期間など採用要件の整理 |
このプロセスには30万〜70万円の費用がかかります。採用ブランディングの軸となる重要な部分であり、時間をかけて慎重に進めることが成功の鍵となります。
採用ブランディングの軸を作るためには、現状分析・競合調査・社内リサーチ・採用要件の明確化といった工程が必要です。
まず、理想と現状のギャップを整理し、課題を明確にします。次に、競合の採用施策や市場のトレンドを調査し、自社が強みを発揮できるポイントを探ります。さらに、現社員の入社経路や定着理由を分析し、効果的な採用手法を見極めます。最後に、求める人物像や採用単価、スケジュールを設定し、ブランディングの方向性を固めます。
このように、企業の採用戦略を根本から見直す作業には時間と専門的な分析が求められるため、30万〜70万円の費用がかかります。
関連記事:採用コンセプトとは?事例や作り方を解説!
②ペルソナ作成:20万円〜50万円(半月から1ヶ月)
- 誰に:セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング
- 何を:機能的価値(実態の価値)・情緒的価値(概念の価値)
ペルソナ作成にかかる費用は20万円〜50万円で、期間によって変動します。
全体分析が終わった後、次に行うのは採用ターゲットの明確化です。どんな人材が自社に合うのかを見極め、誰に、何を、どのように伝えるべきかを半月から1ヶ月ほどかけて設計します。そのためには、自社の強みや企業理念を整理し、それに共感する人材を具体的にイメージする必要があります。
このペルソナ作成が適切であれば、応募者の質が向上し、ミスマッチを防ぐことにつながるため、時間をかけて慎重に行うことが求められます。
関連記事:採用ペルソナとは?採用ターゲットとの違いや作り方を解説
③コンテンツ設計:30万円(半月)
コンテンツ設計にかかる費用は30万円で、戦略策定に約半月かかります。
自社の課題や理想像、求める人材像を明確にした後、それをどのように発信するかを決めるのがコンテンツ設計のステップです。具体的には、採用サイト・採用動画・採用ピッチ資料など、どの採用プラットフォームを活用するかを検討します。
すでに採用コンテンツがある場合は、リニューアルの必要性も判断します。この設計段階では、あくまで戦略を決めることが目的であり、実際のコンテンツ制作費やリニューアル費用は含まれていません。詳しい費用については、別途参考記事を確認してください。
関連記事:採用サイト制作の費用相場、見積もり事例、料金を抑えるコツを解説
関連記事:採用サイトのリニューアル相場・費用や料金を抑えるコツを解説
関連記事:採用広報動画はどう作る?事例や作り方、費用を解説!
関連記事:新卒採用サイト事例100選!就活生の私が惹かれたサイトのみを厳選
④チャネル設計:20〜50万円(半月から1ヶ月)
チャネル設計の費用は20〜50万円で、戦略策定に半月から1ヶ月かかります。
採用サイトや動画を作成しても、それをターゲット層に確実に届けなければ意味がありません。そこで重要になるのがチャネル設計です。これは、どのような経路で候補者に採用情報を届けるかを決めるプロセスです。
具体的には、Web広告の出稿、プレスリリースの配信、スカウトメールの活用など、効果的な手法を選定し、戦略を組み立てます。
採用ブランディングの見積もり事例
合計金額:¥7,530,000円(税別)
| コンセプトメイク(3〜5ヶ月) | 490,000円 |
| 他社分析の人件費 | 99,000円 |
| 採用広報の基本業務 | 19万円〜35万円 |
| 採用サイト制作 | 100万円〜300万円 |
| 採用ピッチ資料(50P) | 60万円 |
| 採用記事制作(3本) | 36万円 |
| 広告運用手数料 | 出稿費の20% |
| 採用サイトのリダイレクト費用 | 10万円〜 |
| 採用サイトの運用・保守費用 | 1万円〜/月 |
| 採用代行(RPO)費用 | 35万円/月 |
上の見積もりは当サイトhypexが実際に行った採用ブランディングの見積書の事例です。総費用は約750万円で、期間は1年程度を見込んでいます。
内訳を見ると、採用ブランディング単体の費用は約100万円前後ですが、それに加えて採用コンテンツの制作費や運用費が大きな割合を占めています。
採用ブランディングは単体で完結するものではなく、採用サイトやピッチ資料、採用記事、広告運用といった要素と組み合わせることで、より効果的に機能します。そのため、実際の費用はこれらの追加コストによって大きく変動します。
特に採用サイトの制作や広告運用は、求める規模やターゲットに応じて費用が大きく異なるため、企業の採用戦略に合わせた柔軟な設計が必要です。
見積もりをスムーズに進める準備をする
見積もりを的確に出してもらうには、事前準備が重要です。以下の項目が揃っていると、打ち合わせなしでも正確な見積もりを受け取れる可能性が高くなり、費用も最適化できます。
- RFP(提案依頼書) が用意されている
- リニューアルの目的や経緯 が明確
- サイトマップ(Webサイト構成)が決まっている
- 会社の独自性 や強みが整理されている
- 参考サイト(2〜3つ)とその評価ポイントがわかる
- サーバー/ドメインの運用方針 が決まっている
要件が明確でない場合、追加費用を見越して高めに見積もられるケースもあります。可能な範囲で準備し、不足部分はコンサル会社と相談しながら進めましょう。ただし、全部は用意しなくても構いません。自社で可能な部分だけ用意しましょう。
採用ブランディングでよくある質問(FAQ)
Q1. 採用ブランディングとは何ですか?
A1. 採用ブランディングとは、自社が「どんな会社で、どんな人と働きたいのか」を明確にし、求職者に魅力的に伝える活動全般を指します。応募者とのマッチング精度を高め、長期的な採用力向上を目指す施策です。
Q2. 採用ブランディングを行うメリットは何ですか?
A2. 他社との差別化がしやすくなり、自社にフィットする人材からの応募が増えます。また、採用単価の削減や内定辞退率・離職率の低下にもつながるため、中長期的な人材戦略として有効です。
Q3. 採用ブランディングはどのタイミングで始めるべきですか?
A3. 採用に苦戦している、応募者の質が合わない、辞退・離職が多いと感じた時は始めどきです。採用活動を通じて伝えるべき「らしさ」が明確でない企業も、早期に取り組むことで効果が出やすくなります。
Q4. 採用ブランディングの具体的な施策には何がありますか?
A4. 採用サイトやSNSの活用、採用ピッチ資料の作成、社員インタビューや動画コンテンツの配信、ミッション・ビジョンの再定義、インナーブランディングなどがあります。社内外の一貫性が重要です。
Q5. 採用ブランディングと採用広報の違いは何ですか?
A5. 採用広報は情報の「発信」が中心で、採用ブランディングは「自社の価値・魅力の定義と浸透」に重点があります。採用ブランディングは戦略設計であり、採用広報はその実行手段のひとつと位置づけられます。
採用の見え方を、変えにいく。
