採用動画の効果とは?注目される理由、メリット、トレンドを紹介
2024.05.11
2020年以降、採用広報において動画制作が加速しています。YouTubeやSNSを見ると動画の伸びは自明ですが、果たして採用動画を作るべきか検討している採用担当者は多いでしょう。そこで本記事では採用動画の効果を様々なデータをもとに紹介します。
採用動画を作るべきかプロの意見を聞きたい。もしくは採用動画を作って欲しい方は採用支援のhypexにご相談ください。予算や目的などから最適なアドバイスをさせていただきます。支援させていただいた企業は月間300名以上の応募を獲得しています。相談料は一切かかりませんので、お気軽にお問い合わせください。
採用動画とは
採用動画とは自社の魅力を短時間のストーリーにして広報車に伝える採用コンテンツです。業務の紹介、オフィスの様子、社員の日常や想いなど、候補者が応募するか判断するために求める情報をリアリティを持って映像化し、端的に伝えることで理解促進につながります。
企業説明会のリアルな場やYouTubeやSNS、採用サイトなどのWeb上で流します。
採用動画の種類と成功事例
採用動画は大きく分けて「コンセプト動画」「インタビュー動画」「会社説明動画」の3つに分かれます。それぞれ動画で得られる効果が異なります。
種類 | 内容 | 効果 |
コンセプト動画 | 欲しい人材や企業理念などを伝える | 興味喚起・認知獲得 |
インタビュー動画 | 社員や経営者の想いを伝える | 理解促進 |
会社説明動画 | 仕事や職場環境の紹介 | 理解促進 |
ざっくり特徴の違いを説明すると上のようになります。
コンセプト動画の事例
具体的な業務は説明せず、インパクトのある映像とテロップで、採用キャッチコピーである「スタメン採用」をアピールした動画です。失敗やチャレンジを恐れず、即戦力として立ち向かっていく社員を求めていることを伝えています。興味喚起や認知獲得が得られる採用動画です。
インタビュー動画の事例
ソニー株式会社の若手社員にインタビューした動画です。応募者に近い年齢の若手社員の声を伝えることで入社後の姿がイメージでき、同時に若手であっても活躍の場が与えられる社風であることが伝わります。インタビュー動画は複数人で囲んで行う座談会形式の動画もあります。
会社説明動画の事例
自分たちがどんな職場で働くのか、工場内をドローンで撮影した動画です。意外に思われるかもしれませんが、社内風景をドローンで撮影する採用動画は多いです。今回の事例のように工場の中はカメラ用のクレーンを設置するのが難しく、手持ちカメラでは全景を伝えられないのでドローンを活用して、どんな職場なのかわかりやすく伝えています。
応募が増えた採用動画の成功事例
岡山県にある交通事業を手掛ける両備グループの採用動画です。2017年にタクシードライバーの募集に使われ、アニメーション動画にしています。タクシー運転手に転職した主人公が様々なお客様と交流する架空のストーリーで心温まるBGMで多くの共感を呼びました。採用動画としては異例の10万回以上、再生され応募が増えました。
採用サイトへのアクセスが2倍になった採用動画の成功事例
埼玉県でスーパーマーケットチェーンを展開する株式会社ベルクの採用動画です。就職活動中の女性を主人公にした再現ドラマで、内定がもらえず落ち込む中で、母親とベルクのスーパーに行き励まされるストーリーです。主人公を就活生にすることで共感を醸成し、応募者が「自分ごと化」し、150万回以上再生され、採用サイトへのアクセス数が2倍に増えました。
関連記事:採用動画100選!参考にしたい採用動画を業種別にご紹介!!
採用動画の効果・メリット
採用動画の概要を理解したところで、本記事のメインテーマである採用動画の効果・メリットを8つ紹介します。
- 求人票より2倍記憶に残りやすい
- 採用動画のない求人より応募率34%向上
- テレビCMと同じ効果が得られる場合もある
- 自分ごと化してもらえる
- 説明しにくい業務を理解してもらえる
- 早期退職を減らすことができる
- 他社との差別化になる
- ブランディング化できる
求人票より2倍記憶に残りやすい
採用動画の効果・メリットの最初は、候補者の記憶に残りやすいことです。アメリカの研究では求人票で読むより採用動画のほうが2倍、記憶に残りやすいというデータがあります。
人は覚えたことを時間が経つと忘れてしまう「忘却曲線」があり、文字だけで認識したことよりも映像と音で覚えたほうが長く記憶として残るのです。
街の看板で見かけたものも、よほど有名なものでない限り、すぐに忘れるでしょう。その点、動画は見た人の記憶に長くとどまるので認知獲得に有効です。
採用動画のない求人より応募率34%向上
採用動画の効果・メリットの2つ目が応募率向上です。アメリカの研究で採用動画のない求人より応募率が34%も向上したデータが出ています。
これは「応募」という思い切ったアクションを起こすのに対し、視覚と聴覚の両方に訴える動画は人間の直感に訴えることができ、他のツールよりも応募率が高まるのです。
テレビCMと同じ効果が得られる場合もある
採用動画の3つ目の効果・メリットがテレビCMと同じ効果が得られる場合もあることです。先ほど事例で紹介した交通事業を手掛ける岡山県の両備グループのタクシー動画の募集は10万回以上再生されました。
これは地上波のテレビCMで流すほどの認知度であり、しかも広告費はテレビCMに比べると圧倒的に安価です。YouTubeやSNSのある現代では、採用動画を作れば、広告費が膨大なテレビCMで流さなくても同じくらいの効果を得られる場合があります。
自分ごと化してもらえる
採用動画の4つ目の効果・メリットが「自分ごと化しやすい」ことです。動画はリアルな人間が演じ、リアリティがあります。スーパーマーケットチェーンを展開する株式会社ベルクの採用動画は登場人物を就活生にしているので、余計に視聴者が自分と重ね、結果、150万回以上再生されています。結果、採用サイトへのアクセスが2倍に増えました。
説明しにくい業務を理解してもらえる
採用動画の5つ目の効果・メリットが「説明しにくい業務を理解してもらえる」ことです。一般の方が目に触れる機会の少ないBtoBの企業や工場の勤務というのは、言葉で説明されてもイメージが湧きにくいものです。その点、動画でリアルな映像を届けることで、どんな仕事をするのか理解してもらえ、入社後のイメージが湧きます。
実際に、当サイトhypexが採用動画を制作した製造業の企業では、面接の採用に「動画を見て理解度が上がった」という声が多数あります。
早期退職を減らすことができる
採用動画の効果の6つ目は、早期退職を減らすことができることです。これまで説明しているように動画は企業の理解度が他の採用ツールに比べて高く、イメージのシミュレーションできるので、入社前のイメージとの乖離が少ないです。そのため、早期退職を減らせる効果もあります。
他社との差別化になる
採用動画の効果・メリットの7つ目は「他社との差別化になる」になることです。インタビュー動画であれば、「声」「しゃべり方」「温度感」などが伝わるため、同じ構成であっても世界にひとつだけの動画になり、他社と差別化できます。これが採用サイトやSNSで差別化しようと思うと苦労する部分ですが、採用動画はそのハードルを超えられます。
ブランディング化できる
採用動画の最後の効果・メリットは「ブランディング化できる」ことです。ブランディングとは「入社前(働く前)から自社のファンになってもらうこと」。給料や職場環境などの条件面での魅力ではなく、事業や理念、社員の想いなどに共感し、「この会社で働きたい」と思ってもらうことを採用ブランディングと言います。
採用動画はリアリティがあり、情熱も伝わりやすいです。また、上の動画事例のようにシネマティックな映像にすることで憧れを持ってもらいやすく、「自分も動画のキャストの一員になりたい(ここで働きたい)」という感情を芽生えさせられます。
関連記事:採用ブランディングとは?方法やメリット、成功事例、費用相場を解説
※ここまで読んで採用動画を作るべきかプロの意見を聞きたい。もしくは採用動画を作って欲しい方は採用支援のhypexにご相談ください。予算や目的などから最適なアドバイスをさせていただきます。相談料は一切かかりませんので、お気軽にお問い合わせください。
採用動画の効果が注目される理由やデータ
採用動画の効果を理解できたところで、実際に企業の間で採用動画の効果が注目されていることを裏付ける理由やデータを紹介します。そもそも採用動画が急速に広まったのは新型コロナウイルスの影響で採用のオンライン化が進んだことでした。
企業説明会が開かれなくなり、応募者も採用サイトやSNSなどのオンラインで企業情報を収集するようになり、その際に採用動画を活用した企業の成果が良かったことから注目されました。
採用動画が欲しいと答えた就活生が90%以上
採用動画制作を手がける株式会社プルークスが340人の就活生を対象にアンケートを取ったところ、「企業の採用動画があったほうがいい」と答えた割合が90%以上を超えました。
理由としては、採用サイトなどで情報を追うのは大変で、採用動画を見ることで就職活動の時間を短縮したいことが一番でした。
また、テキストや写真だけでは、どんな業務なのかイメージできず、リアリティのある採用動画を見たいと答えた就活生もいます。
採用動画で志望度が上がった学生が60%
同じくプルークスの実施したアンケートによると、「採用動画を見たことで志望度に変化があったか?」という質問に対し、「大きく上がった」と回答した学生が12%、「上がった」と答えた学生が48%でした。
実に6割以上の就活生が採用動画によって志望度が上がっており、企業側も採用動画の効果を実感しています。他社の調査では84.2%の学生の志望度が上がったというデータも出ています。
採用コストが40%削減できる
採用動画制作を手がけるCrevo株式会社の調査によると、採用動画によって採用コストが40%削減できるといったデータもあります。理由は、採用動画が人事の代わりに応募者に対して企業の情報を説明してくれるので、説明のコストを省いてくれるからです。
関連記事:採用コスト(採用単価)とは?削減する方法や成功事例を解説
※ここまで読んで採用動画を作るべきかプロの意見を聞きたい。もしくは採用動画を作って欲しい方は採用支援のhypexにご相談ください。予算や目的などから最適なアドバイスをさせていただきます。相談料は一切かかりませんので、お気軽にお問い合わせください。
採用動画のデメリット・注意点
- 見てもらうための戦略が必要
- 動画慣れが増えクオリティが求められる
- 退職者の扱いに注意する
ここまで採用動画の効果を褒めちぎってきましたが、物事には必ずデメリットが存在します。効果の高い採用動画にも注意点があるので、把握しておきましょう。
見てもらうための戦略が必要
採用動画の注意点の1つ目は「視聴してもらうための集客の戦略が必要」という点です。YouTubeにアップされている採用動画の再生回数を見ればよくわかりますが、集客の戦力をしない採用動画は、ほとんど見られていません。これは誰でも知っている有名企業の採用動画も同じです。
せっかく良い採用動画を作っても見てもらえなければ効果は生まれません。求人媒体には動画を掲載できない場合が多いので、主な集客としては広告出稿をするかSNSアカウントで流すかのどちらかです。集客経験がない場合は、苦労する可能性が高いです。下記の記事も参考にしてください。
関連記事:SNS採用広告とは?効果や向いている企業、費用まで徹底解説!
関連記事:SNS採用とは?活用方法、メリット、成功事例、注意点を解説
動画慣れが増え、クオリティが求められる
採用動画を見ることで志望度がアップする効果を紹介しましたが、実はここ数年、志望度が上がる割合は頭打ちになっています。理由は就活生の動画慣れが進み、求めるクオリティが高くなっているからです。企業説明会のアンケートでは採用動画を見たことで逆に志望度が下がったと答える就活生も出ています。
採用動画で効果を出すには、一定のクオリティは担保しないといけません。おすすめの採用動画制作会社を紹介した記事もありますので、ぜひご覧ください。
関連記事:採用動画制作におすすめの映像制作会社をプロが厳選!
退職者の扱いに注意する
実写の採用動画に言えることですが、退職者にも注意が必要です。先ほど社長インタビューが増えていると言ったように、動画で使っている社員が退職した場合、せっかく作ったのに公開できないケースがあります。特に注意が必要なのが上の写真のような座談会形式の動画。人数が多くなる分、退職者が出るリスクが高まります。
仮に「退職後も動画の使用をOKにする」と口約束をしていても、転職先の事情で動画の差し止めを求められる場合があるので注意してください。
採用動画の作り方と費用
続いては採用動画の作り方とプロに依頼した場合の費用を簡単に説明します。詳しい関連記事も紹介しますので、ぜひご覧ください。
採用動画の作り方のポイント
- 目的を明確にする
- 何にフォーカスするか決める
- 応募者に刺さる内容から逆算して作る
- 放映場所を先に決めておく
- BGMとテロップを使う
- スマートフォンの視聴を意識する
- 参考動画をリサーチする
採用動画を作るときに意識して欲しいポイントは主に上の7つです。特に初心者が陥りやすいのは、アピールしたいことを盛り込みすぎて、視聴者(採用候補者)が置き去りになることです。採用動画の企画段階では、何をアピールしたいか決めますが、その上で応募者が見たいと思う内容を考えて作りましょう。作り方に関しては、下記の記事で詳しく解説しています。
関連記事:採用動画の作り方とは?7つのコツ、流れ、事例、費用を解説!
採用動画を依頼した場合の費用・料金
種類 | 費用・料金 | 制作期間 |
インタビュー | 10〜30万円 | 2週間〜1ヶ月 |
インタビュー+社内風景 | 30〜80万円 | 1〜1.5ヶ月 |
密着取材 | 80〜200万円 | 1.5〜2ヶ月 |
プロに依頼する場合、実写の採用動画の費用は大きく3つに分類されます。価格の違いは撮影の規模(撮影日数やスタッフの人数、機材数など)の「現場の費用」によるもの。一般的に多いのは、社員インタビューに加えて社内の風景も紹介する30〜80万円の価格帯。まだ企業のことを何も知らない潜在層に、どんな場所で働くのか職場のイメージを伝える動画です。
80〜200万円の価格帯は社員や職場の風景を密着取材をする動画。すでに企業に興味・関心がある層に、事業の内容や企業の想いをしっかり理解してもらうところまでアプローチする動画です。
種類 | 費用・料金 | 制作期間 |
スライドショー | 10〜30万円 | 2週間〜1ヶ月 |
会話劇 | 50〜80万円 | 1.5〜2ヶ月 |
パラパラ漫画 | 80〜150万円以上 | 2〜3ヶ月 |
3Dアニメ | 300万円以上 | 3ヶ月以上 |
アニメーションの採用動画の費用は表現方法によって変動します。手の込んだ表現ほど制作期間が長くなるため、制作料金が高くなります。また、3Dアニメは特殊な技術が必要なので高額になります。
関連記事:採用動画の費用・相場!見積もり事例、料金を安く抑える方法も解説
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- Part 1 採用動画とは
- Part 2 採用動画のメリット
- Part 3 採用動画の作り方やポイント採用動画を作るときの4つのポイント
- 採用動画を作るときの4つのポイント
- 採用動画の効果をもう一段階あげる3つのスパイス
- Part 4 採用動画事例3選
上記の情報を見やすくまとめていますので、下記からダウンロードください。
採用動画のトレンド
- 就活生が最も見たい採用動画は社員インタビュー
- トレンドとしては社長インタビューが増えている
- 縦型の動画も増えている
最後に、現在の採用動画のトレンドを3つ紹介します。トレンドに沿った採用動画が効果を生むとは限りませんが、自社の課題やゴールなどと比較して検討材料にしてください。
就活生が最も見たい採用動画は社員インタビュー
どんな動画を作ると良いかは認知獲得や理解促進など企業の目的によって変わりますが、就活生が最も見たいと回答する採用動画は「社員インタビュー」です。採用に関するアンケートを取ると必ずと言っていいほど「社員インタビュー」が1位になります。
理由は、就活生はどんな先輩社員が働いているのかが気になり、また面接で話すネタとしても先にどんな社員がいるのか知っておきたいからです。
ちなみに「社員インタビュー」の次に見たい動画は「事業の説明動画」と答える割合が多いです。やはりテキストや写真だけでは伝わりづらいと考えている就活生が多いようです。
トレンドとしては社長インタビューが増えている
就活生が最も見たい採用動画は社員のインタビューですが、企業側としては社長や経営層のインタビュー動画がトレンドになっています。
理由としては、一般の社員よりも社長や経営層が語る理念やビジョンのほうが信頼度があること、そして何より社長は退職をしにくいという理由があります。一般社員の場合、3年以内に辞める離職率は30%前後です。社員インタビューで話してくれた人が転職先の事情により「動画を公開しないで欲しい」と申請する場合があります。
また、すでに退職してしまった人のインタビューを公開すると、その人に惹かれて入社した人の不平不満や早期退職にもつながるからです。その点、社長や経営層は一般社員に比べると変わりにくいので、長く使えるメリットがあ李、社長インタビューがトレンドとなっています。
縦型の動画が増えている
すでにお気づきの方が多いと思いますが、TikTokに代表される縦型の採用動画がトレンドになっています。理由はTikTokやInstagramなど動画を配信する媒体が充実していることや、実際に就活生の8割以上は採用動画をスマートフォンで視聴しているからです。
YouTubeや採用サイトで流す横型の動画より、縦型動画のほうがスマートフォンとの親和性が良いのは間違いありません。TikTokを活用した採用は今後も注目されているので、下記の記事をご覧ください。
関連記事:TikTok採用とは?企業が取り組むメリット、事例、方法を解説
採用動画の効果まとめ
最後までご覧いただき、ありがとうございます。採用動画を作る効果やメリットを解説してきました。ポイントをまとめると下記になります。
- 求人票より2倍記憶に残りやすい
- 採用動画のない求人より応募率34%向上
- テレビCMと同じ効果が得られる場合もある
- 自分ごと化しやすい
- 説明しにくい業務を理解してもらえる
- 早期退職を減らすことができる
- 他社との差別化になる
- ブランディング化できる
採用動画は効果が高い分、作るハードルも高い分、失敗した場合のマイナスが大きいです。せっかく投資したコストが無駄にならないよう、プロの制作会社と協力して良い採用動画を作ってください。どの制作会社が自社に合うのか迷っている方は採用支援のhypexにご相談ください。予算や目的などをオンラインでヒアリングし、最適な提案をさせていただきます。相談料は一切かかりません。
成長企業における採用ブランディング・採用マーケティングを専門とし過去2年で50社以上を直接支援。前職では、月間150万利用者数を超える医療・美容のWebサービスの事業責任者、兼経営陣として組織の成長を牽引。成長組織におけるOKRを利用した評価制度の構築や外国人、ジェネレーション、女性、LGBTQ+などのダイバーシティ・マネジメントに尽力。